美肌や冷え性対策、エイジングケアのための新たなキーワードとして、大阪大学微生物病研究所の高倉伸幸教授が名づけた「毛細血管のゴースト化」が注目されている。

40代半ばで減りはじめ、80代までに約4割も減るという毛細血管。とくに新陳代謝が速い皮膚は、血管の老化の影響を受けやすいという。酸素や養分の運搬を担う毛細血管のケアは、健康維持やエイジングケアにとって大切なことといえるだろう。

酸素や養分の運搬を担う毛細血管のケアが大切

消えていく毛細血管

心臓から送り出された血液が含む酸素や養分は、毛細血管を通じて皮膚や臓器などに届けられる。毛細血管は体中で重要な役割を果たしているものの、髪の毛より細く、その健康状態はなかなか分からないもの。

しかし特別な装置で指先を観察すると、健全な状態ではヘアピンのような毛細血管がはっきり何本も映るそうだ。一方、老化や生活習慣で血流が減った状態では、老化した血管が消えかかっている場合もあるという。

高倉教授は、この状態の毛細血管を「ゴースト血管」と名づけた。さらにこの変化を血管の「ゴースト化」と呼んでいる。

毛細血管は、管の内側の「内皮細胞」と外側の「壁(へき)細胞」からなる。動脈・静脈などとは異なり、これら2種の細胞が直接くっついているのが特徴だ。

内皮細胞や壁細胞が損傷を受けると、これらの接着が弱まって、管自体の不安定化が進む――これがゴースト血管の実態だ。

細胞損傷―血流減少―ゴースト化という良くない循環

次の項目が多く当てはまる人は「毛細血管年齢」が高く、ゴースト化の進行が考えられるそうだ。

《毛細血管年齢のチェックリスト》

  • □シミや小ジワが増えた
  • □目の下にクマができる
  • □白髪が増えてきた
  • □寝ても疲れが取れない
  • □顔や足がむくみやすい
  • □目が疲れやすい
  • □体が冷えてつらい
  • □爪が割れやすい

臓器・器官の毛細血管のゴースト化にも注意したい。肝臓や腎臓、呼吸器の機能低下、アレルギー症状などが進みやすくなるうえ、長期的にはがんのリスク上昇にもつながる、と高倉教授は指摘する。

動脈の血液が運ぶ酸素や栄養素は、毛細血管を通じて体中に届けられる。組織内の細胞が排出する二酸化炭素や、不要な老廃物・水分を回収するのも毛細血管だ。血流の減少や漏れが生じると、こうした新陳代謝もうまくいかなくなり、さまざまな症状が出てしまう。

血管の維持や血流改善の鍵となる「Tie2」

高倉教授によれば、毛細血管のゴースト化を防ぐ鍵は、内皮細胞の受容体「Tie2」(タイツー)にあるという。このTie2の"スイッチ"が入れば、内皮細胞同士の接着が促され、結果として壁細胞の裏打ちした構造の安定化した血管が形成される。スイッチを入れるのは、壁細胞の分泌物「アンジオポエチン-1」(Ang1=アングワン)。Ang1のTie2への結合が続けば、血管の健康も保たれるわけだ。

Tie2のスイッチを入れ、細胞同士の接着を促すことが重要

壁細胞の損傷・老化が進むと、Ang1を分泌するはたらきは低下すると考えられている。血管を正常に保つ他のシステムも全体的に低下して、血管のゴースト化が進むが、このAng1に代わる物質を摂取することで、Tie2の活性化は可能なのだという。

ヒハツ、シナモン――身近な食品で「Tie2」を活性化

高倉教授は、いくつかの企業と連携して、数百種の天然食品から、Ang1と同じはたらきをする食品をいくつも発見している。シナモン(桂皮)もその一つで、そのエキスを投与されると、血管年齢が改善する場合があったそうだ。シナモンの香味は好みが分かれるが、ルイボスティーやヒハツ、スターフルーツなどにも同じはたらきがあるという。

なかでも、ナガコショウやロングペッパーという別称を持つ、ヒハツが注目されている。香辛料として冷え性などの薬としても世界各地で使われており、沖縄料理に用いる「島コショウ」の名でもおなじみ。

このヒハツにも、Tie2の活性化で血行を改善する効果が見られるという。薬や健康食品の成分を送達するはたらきも改善するという。生で食べるのはもちろん、抽出されたエキスでも、そうした効果は期待される。高倉教授は、ヒハツの粉末を香辛料として使ったり、エキスをスープに入れたりする方法を勧めている。パウダーを各種ドリンクに加えるなど、活用例は幅広い。

「島コショウ」の名でもおなじみのヒハツ

血管のケアで健康の好循環を

毛細血管からの血液成分の漏れはむくみにつながり、健康な人でも夕方には足がむくみやすくなるという。こうしたむくみも、ヒハツによって改善が期待できるという。

食品としては摂りすぎも気になるが、高倉教授は、Tie2の活性化に伴う問題は、とくに考えられないとしている。

食品の摂取に加え、手足の曲げ伸ばしやウォーキングなどの軽い運動も、高倉教授は推奨している。

血流を改善し、血管を健康な状態に保つ。そのことがエイジングケアや運動機能を高めていき、さらに健康状態が改善される――いつまでもこの好循環を保ち、健康・美肌を維持していきたいものだ。

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