「第45回 ベストドレッサー賞」の授賞式が、11月30日にセルリアンタワー東急ホテルで開催された。ベストドレッサー賞は、ファッション意識の向上、豊かで充実した生活の提案、ファッション産業界の発展と各界の文化交流を目的として、一般社団法人日本メンズファッション協会の主催で毎年開催されている。

約2,000人が訪れた2016年の授賞式では、センターにピアノを配したオーケストラによる演奏とともに、各部門の受賞者が発表された。授賞式終了後には、プロのピアニストによるミニコンサートも開催され、超絶技巧曲の数々が、授賞式の興奮覚めやらぬ観衆を感嘆させた。

ここまではよくある話だが、ユニークな点がひとつだけあった。それは、グランドピアノではなく、カシオ計算機「CELVIANO Grand Hybrid」(セルヴィアーノ グランドハイブリッド、以下CELVIANO GH)が使われた、ということだ。当日、授賞式ならびにミニコンサートで奏者を務めた、プロピアニストでコンクールの審査員や講師としても活躍中の赤松林太郎氏に話を聞いた。

授賞式とミニコンサートで使われたのは、カシオ計算機の電子ピアノ「CELVIANO Grand Hybrid」だった

CELVIANO Grand Hybridとは?

授賞式終了後に同会場で開催されたミニコンサートでは、ピアソラ作曲のリベルタンゴ、ショパン作曲の幻想即興曲、および英雄ポロネーズが演奏され、来場者から万雷の拍手が送られた。

赤松林太郎氏が演奏に使用したのは、「CELVIANO Grand Hybrid GP-500BP」。艶やかな光沢仕上げの外観が輝きを放っていた

カシオ計算機のCELVIANO GHは、ドイツの名門ピアノメーカー、C.ベヒシュタイン社が開発に関わった電子ピアノ。新開発の音源を搭載しており、ベヒシュタイン社とカシオが共同で創り上げた音色「ベルリン・グランド」をはじめとした、歴史ある3つのピアノの音色をこの1台で奏でることができる。さらに、グランドピアノの鍵盤に用いられる良質なスプルース材による木製鍵盤を使用したほか、グランドピアノの弾き応えを再現する「ナチュラルグランドハンマーアクション鍵盤」などの新技術を採用。今までの常識を打ち破る画期的な電子ピアノについて、赤松氏はどのような印象を抱いているのだろうか。

前面には、ベヒシュタインとのコラボレーションの証である金色のプレートが輝く

授賞式会場では実機展示も行われていた。左から「CELVIANO Grand Hybrid GP-500BP」「CELVIANO Grand Hybrid GP-300BP」

曲間にCELVIANO GHについて説明しながらミニコンサートを進めていった赤松氏。「こうしたコンサートではグランドピアノを弾くのが一般的ですが、本日はグランドピアノの構造を追求して製作された電子ピアノ、セルヴィアーノ グランドハイブリッドで演奏しています。この電子ピアノは、『日本のテクノロジーがヨーロッパの音を再現している』と、弾くたびに思わせてくれます。力強く重厚な音から、繊細な音まで表現できる電子ピアノです」と語り、最後にソプラノ歌手を迎え、ストリングスをバックにメロウな歌曲を披露してミニコンサートを締めくくった。

CELVIANO GHの印象を語る赤松氏

ソプラノ歌手の歌声と赤松氏の奏でる豊かで美しい音色が、会場を包みこんだ