【特別企画】

「倍速切削」への挑戦 - タンガロイ若手開発者、JIMTOF2016新製品披露への歩み

世界最大級の工作機械見本市「JIMTOF2016」が、2016年11月17日から22日にかけて東京ビッグサイトにて開催された。切削工具や工作機械、産業用ロボットといったありとあらゆる「ものづくり」のための製品が展示され、来場者数は約14万人超えと過去最高を記録した。

6日間にわたるイベントの中で、初日の朝から混雑し、大きな注目を集めていたのがタンガロイのブースだ。同社は日本で初めて「超硬合金」の開発に成功し、先進的な切削工具をつくりつづけているメーカーである。切削工具のラインナップは2万種類以上。自動車も家電も日用雑貨も、金属を使う製品の多くはタンガロイの工具によって「切る」「削る」「穴をあける」といった加工を経て生まれている。

JIMTOF2016に出展したタンガロイのブース(西館)

研究開発に力を注ぐタンガロイの特徴の一つは「若手社員でも新製品の開発を担当できる」ということだ。同社 技術本部 切削工具開発部 転削工具開発グループの及川有宇樹氏は、入社5年目にして自身が開発した新製品をJIMTOF2016で披露している。そんな及川氏に、製品開発の歩みについて話を聞いた。

「倍速切削」への挑戦

及川氏の開発した製品の一つは、三次元の切削が可能で、さまざまな曲面や複雑な形状を加工するためのプロファイルカッタ「DoTwistBall(ドゥーツイストボール)」である。ふつうのプロファイルカッタの刃先は円形だが、DoTwistBallの刃先はねじれた楕円形という独特の形状をしている。

タンガロイ 技術本部 切削工具開発部 転削工具開発グループ 及川有宇樹氏

及川氏は同製品の特長について、「タンガロイ新製品のテーマは『倍速切削』です。今までよりも負荷の高い加工に耐えるためには、柄の部分と交換可能な刃先を強くかみ合わせる必要がありました。かみ合わせが弱いと振動したり、素材に負けて欠けてしまいます。DoTwistBallの刃先が複雑な形状をしているのは、クランプ力を増すためなんです」と語る。

プロファイルカッタは飛行機のエンジン内にあるタービンブレードを加工する際などに用いられる。タンガロイがこの工具の新製品開発をスタートさせたのは、航空業界が今後成長していくだろうというリサーチ結果に基づいてのことだ。そこで、開発を任されたのが当時入社3年目の及川氏だった。

DoTwistBall

「着手してから発売まで、1年以上の月日がかかりました。円形の従来製品から楕円形を思いつくまではわりと早かったのですが、そこからさらにクランプ力を高めることに一番苦労しました。世界中にはライバルがたくさんいますから、抜きんでた性能を発揮できなければ新製品の意味が無いんです。とても大変でしたけれど、先輩方がサポートしてくれたので『大きな壁にぶつかった』という印象はそれほどありません」(及川氏)

続けて及川氏は、実際に航空機部品を加工している現場でテストを行った試作品について次のように話す。

「ほんとうに上手くいくか分からないので凄く緊張しました。はじめは『これは見たことない』『こんな形で切れるの?』というお客様の反応でしたが、実際に使ってもらったところ『ぜんぜん違うね!』と驚いていただけて、心の中でガッツポーズをしました(笑)。こうして一歩一歩進んでいった結果が、今に繋がり世に送り出すことができたのだと思います」

常識に囚われず、困りごとを解決するために

JIMTOF2016にタンガロイは100を越える工具を展示しており、及川氏は今回はじめて説明員としてブースに立ったという。主に担当するのは、両面6コーナーを実現した直角肩削り用カッタ「DoForce-Tri(ドゥーフォース・トライ)」だ。

「この製品を開発したのは実は私ではなく同期なんです。開発を進めていくうえで、『どんな課題に直面してきたのか』、またそれを『どうやって解決してきたのか』ずっと試行錯誤していたことも、すべて知っています。他の会社のことはあまり分かりませんが、タンガロイにはそれぞれが担当している製品について自由に話していい空気があります。カタログを見ると、『これは先輩がつくった』と一人ひとりの顔が思い浮かびます。タンガロイに入社したのも、そんな自由さと、製品をこれだけ綺麗に展示してくれるという点が魅力に感じたからでした」

製品開発の担当者として展示会のブースに立つ意義は、専門的な相談に応じるためでもあり、また、顧客のニーズを直接吸い上げるためでもある。とくに日本の加工現場では、どんなことに悩んでいるのか、ユーザーの声を聞くことが難しい傾向にある。

「タンガロイの工具はどれも変わった形をしています。それは従来の常識に囚われず、『現場の困りごと』にとことん注目して、技術的なステップアップを重ねているからです。『もっと早く』『もっと安く』仕上げることができる良い製品が、タンガロイにはあるということを伝えていきたいです」(及川氏)

最後に及川氏は、2年後に開催されるJIMTOFに向けて将来の意気込みを語ってくれた。

「今回お披露目できたプロファイルカッタDoTwistBallも、これで終わりだとは思っていません。いろんなお客様に使ってもらえているうちに、弱い部分がでてくるかもしれません。今後はそれを見つけてアップグレードしていきたいと思っています。また、今は会社に『こういう製品をつくりたい』と提案している最中でもあります。次のJIMTOFが開催される2年後に、また新しい工具を披露したいと思っています」

このように、次回のJIMTOFにいまから期待が集まるタンガロイ。しかし、JIMTOFだけが製品をお披露目する機会というわけでは当然ない。福島県いわき市にある同社の本社と工場には、国内だけでなく、インドやタイ、ロシアといった海外から製造業者がひっきりなしに工場見学に訪れている。今回のようなイベントに加えて、開発者が顧客の意見をダイレクトに聞き、問題を解決するソリューションが用意されているため、興味がある方は一度問い合わせてみてはいかがだろうか。

(マイナビニュース広告企画:提供 タンガロイ)



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