マウスコンピューターから、ノートPCの新モデル「NEXTGEAR-NOTE i5530BA1」が発売された。本機のトピックはなんといっても、Pascal世代のGPU「NVIDIA GeForce GTX 1060 (6GB)」を搭載した点だ。新世代のGPUにより、ノートPCながら従来のデスクトップPCに限りなく近づいたパフォーマンスに迫ってみたい。

NVIDIA GeForce GTX 1060 (6GB)を搭載した「NEXTGEAR-NOTE i5530BA1」

型番から「M」が外れたPascal世代のノート向けGeForce

これまでのノートPC向けGPUは、型番の末尾に「M」の文字が付け加えられており、型番の数字は同じでも、デスクトップ向けGPUとは明確に区別されていた。ノートPCでは、デスクトップ向けGPUの消費電力と発熱を処理することができないため、ラインナップを別に用意せざるを得なかったからだ。

しかし、Pascalアーキテクチャでは電力効率が大幅に向上。デスクトップ向けとノートPC向けのGeForce GTXの性能差は約10%程度に収まるといわれ、デスクトップ版のGPUとほぼそん色のないパフォーマンスを実現することに成功した。型番から「M」が外れたのは、NVIDIAの自信の表れだろう。当然、前世代からの大幅なパフォーマンスアップが期待でき、ユーザーにとっては大変うれしい進化といえよう。

GPU-Zにて確認した、NVIDIAの「GeForce GTX 1060 (6GB)」

そんなPascal世代のアッパーミドルGPU「GeForce GTX 1060」をいち早くノートPCに搭載したのが、マウスコンピューターの新モデル「NEXTGEAR-NOTE i5530BA1」だ。フルスペックとなる6GBのグラフィックスメモリを備えた本機のスペックを、さっそくチェックしていこう。

GPUのパフォーマンスを支えるスペック

「NEXTGEAR-NOTE i5530BA1」は、「GeForce GTX 1060 (6GB)」の性能を余すところなく発揮されるため、GPU以外のスペックにも力が入っている。CPUには、4コア8スレッドで動作するインテル「Core i7-6700HQ」を採用。定格2.60GHz、ターボ・ブースト機能利用時3.50GHzという高い動作周波数を実現している。メモリにはDDR4-2133 8GB×1を搭載し、さらにストレージには240GBのSSDを標準で採用。ディスプレイにはIPS方式の15.6型ノングレア液晶が採用されており、解像度は1920×1080ドットだ。この解像度であれば、最新ゲームでも高い画質設定で楽しむことができるだろう。

CPU-Zで見たインテルの「Core i7-6700HQ」

「CrystalDiskMark 5.1.2」で計測したSSDの速度

「GPU Switch」がゲームの確実な動作を実現

またハイブリッドグラフィックスの不満を解消する「GPU Switch」が採用されている点もチェックしておきたい。本機をはじめとしたゲーミングノートPCでは、CPU内蔵グラフィックス機能「インテル HD グラフィックス」と外部GPU「NVIDIA GeForce」が負荷に応じて切り替わりながら動作する。しかしこの方式では、思うように「NVIDIA GeForce」が使用されない場合があり、必要なときにパフォーマンスが出ない。そんな困ったケースと遭遇したユーザーも少なくないはず。

G-Tuneの製品ページには、「GPU Switch」の概念図が紹介されている

これを解消するのが、「GPU Switch」だ。GPUをNVIDIA GeForceに完全に固定することで、必要なときに、確実にGeForce GTX 1060 (6GB)のパフォーマンスを利用できるのだ。変更は、付属アプリ「Control Center」にあるGPU Switchの項目を、 "MSHYBRID"から"ディスクリート"に変更して再起動を行うだけ。ACアダプタを接続した状態で最高のパフォーマンス環境でゲームをプレイするなら、ぜひ利用したい機能だ。

電源などの設定が行える付属アプリ「Control Center」にある、GPU Switchの項目から切り替えが行える