モノやサービスなどIoTの構成要素がごく自然につながる「OPTiM Cloud IoT OS」

10月26日~28日にかけて、8つのIT専門展から構成された大型展示会「2016 Japan IT Week 秋」が幕張メッセで開催された。本稿では「第2回 IoT/M2M展 秋」に出展したオプティムのブースを訪問。同社の展示概要からソリューション開発の背景などを聞いた。

オプティムのブースで注目を集めていたのは、IoT時代に最適化された新型プラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」だ。同プラットフォームは、IoT機器の制御からビッグデータの解析、AI(人工知能)による分析、各種クラウドサービスとの連携をシームレスに実現するもの。IoT時代の黎明期を迎えている現在、インターネットに接続可能なデバイスが続々と登場しており、2,020年にはその数が500億台を超えるとの予想もある。またこれらのデバイスから膨大なデータを収集・蓄積した上でより高度な分析を行うため、IoTとAIの組み合わせも注目を浴びている。こうした背景から同社では新しいアプローチとして、モノやサービスなどIoTの構成要素がごく自然につながるOPTiM Cloud IoT OSを開発したのである。

ハードウェアの抽象化から導き出される「IoT時代のOS」

プラットフォームでありながら「OS」という名前を冠している点には、同社ならではのこだわりがある。オプティム 執行役員/ディレクターの山本 大祐氏は「これまでコンピューティングの歴史は、OSの進化とともに歩んできました。その中で『 IoT時代のOS』とはなにかを改めて考えてみたところ、このプラットフォームこそOSの名を冠するにふさわしいと判断したのです」と語る。

オプティム 執行役員/ディレクター 山本 大祐氏

OSが持つ役割のひとつに、細かく仕様が異なる各種ハードウェアを機能ごとに抽象化しアプリケーションと結び付けるというものがある。それではIoT時代におけるハードウェアとしてはなにがあるのか。小型で軽量なシングルボードコンピュータや、機器の通信に必要不可欠なゲートウェイ、各種センサー、ネットワークカメラ、ドローン、ヘルスケアデバイス、PLCデバイスなど、実に多くのモノが思い浮かぶだろう。しかしここでもうひとつ重要なのが、IoT全体の構造を俯瞰的に見た時には、ハードウェアに加えて各デバイス単位でOSを搭載しているサーバ、PC、スマートデバイスさえも抽象化の対象になるということ。そしてこれらハードウェアに対してデータの入出力や制御・演算・記憶といった処理を行う「レガシーOS」のポジションが、まさにOPTiM Cloud IoT OSなのである。OSのアーキテクチャに置き換えると、レガシーOSでカーネルに相当する部分をPaaSが担い、アプリケーションにあたるのがSaaSのクラウドアプリとなるわけだ。

レガシーOS時代の主なシステム構成イメージ

IoT時代の主なシステム構成イメージ

「特別なシステムを構築することなく、IoTの構成要素である多彩なモノとサービスを融合し、まるで空気のようにつながりながらIoTの恩恵をすべてのユーザーが享受できる。それがOPTiM Cloud IoT OSの目指す世界です」(山本氏)。

オプティムがこうした包括的なIoTプラットフォームを提供できる背景には、これまでのビジネスで培ってきた高度な技術やノウハウが大きな役割を担っている。たとえばIoTでは膨大な数のセンサーや各種デバイスに対して一斉配信や管理を行う必要が出てくるだろう。これに対して同社はMDM(Mobile Device Management:モバイルデバイス管理)国内市場でトップシェアを誇るMDM製品「Optimal Biz」を提供しており、まさに得意分野といえる。さらにネットワーク上のデバイスを正確に識別して状態を把握する「TIGER」、各種デバイスにHTML構文解析を行う自動設定技術「AIC/AIA」など、同社の持つさまざまなコアテクノロジがOPTiM Cloud IoT OSを支えているのだ。

機器の接続・管理からAIを用いたデータ分析までを包括的に実現

OPTiM Cloud IoT OSは、標準搭載されている6種類のアプリケーションを使うことで、IoTに必要な機器の接続・管理からAIを用いたデータ分析までを包括的に実現できるのが特徴だ。これらはすべて直感的に操作できるUIを採用しており、IoTに関する専門的な知識や技術なしでも簡単に扱うことが可能。「OPTiM Store」に関しては、ユーザーが最適な機器やアプリケーションを見つけられるだけでなく、ベンダーにとってはアプリケーションを提供する新たな市場としても期待できる。

■「OPTiM Cloud IoT OS」の標準搭載アプリケーション

  • 「OPTiM IoT Explorer」
  • 機器の接続から管理までを一括して行えるデバイス管理アプリケーション
  • 「OPTiM Insight」
  • 機器からのデータを集計・分析してグラフ表示できる可視化アプリケーション
  • 「OPTiM SkySight」
  • 地理的空間情報と時系列データを紐付けた複合分析が可能な地理空間情報マッピングアプリケーション
  • 「OPTiM Cloud Vision」
  • 複数のネットワークカメラで取得したライブ/録画映像を閲覧・解析できるネットワークカメラ映像解析アプリケーション
  • 「OPTiM Store」
  • IoT製品やエンジン/アプリなどを販売・購入できるIoT用マーケットプレイス
  • 「OPTiM Code」
  • 簡単なスクリプトの記述でデータの処理・制御が行える統合開発環境

「従来のITソリューションはあくまでもIT業界の内部に向けたものが主流でした。しかしさまざまなモノがインターネットにつながるIoT時代においては、より多くの業界を対象としたソリューションが必要になります。そこでOPTiM Cloud IoT OSは、ビル・施設管理、建設、製造業・設備、農業、医療、小売をはじめ、これまでITにあまり縁がなかった業界でも使いやすいプラットフォームを目指しました。今後は『農業×IT』や『医療×IT』のように、『○○×IT』の幅をさらに拡げていきたいです」と、山本氏は展望を述べた。

当日のブースでも「インフラ×IT」をはじめ、「○○×IT」をテーマとした展示が行われていた

農業や医療など活用の幅を拡げるOPTiM Cloud IoT OS

オプティムのブースでは、OPTiM Cloud IoT OSを活用した事例も複数展示されていた。 まず農業の分野では、ドローンからの空撮画像をディープラーニングで解析し、病害虫の早期発見と農薬のピンポイント散布ができるソリューションを紹介。これは佐賀県および佐賀大学と連携した取り組みで、作業負担の軽減と効率化によって農業収益の向上を目指すというもの。現在は7ヶ所27品目のデジタル化が完了しており、全品目での害虫検知を目指しているという。

医療の分野においては、スマートフォンを用いた遠隔診察・健康診断サービス「ポケットドクター」と、自宅に居ながら病院内で医者や看護師に見守られているような状態を実現するスマート・ホーム・メディカルサービス「在宅医療あんしんパック」を展示していた。 さらにインフラ関連では、遠隔作業支援専用スマートグラス「Remote Action」も注目を集めていた。こちらは遠隔地から現場の状況を把握し、オペレータからリアルタイムに作業の指示や支援が可能になるもの。タブレットなどのデバイスを持つことなくハンズフリーで作業が行えるため、効率化と安全性の向上にも大きく貢献するといえる。

このように、オプティムではOPTiM Cloud IoT OSを中心として、IoT時代に最適化された誰もが使えるサービスの普及活動を進めている。各分野における実証実験はもちろん、オムロン ヘルスケアやアイ・オー・データ機器、日本マイクロソフトなど主要各社との技術連携も強化している。IoT時代を加速する立役者として今後の動向に注目したいところだ。

(マイナビニュース広告企画:提供 オプティム)

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