マウスコンピューターの新ブランド「DAIV」は、コンテンツ制作に携わるクリエイターに向けたPCを数多く取りそろえている。そのラインナップはデスクトップだけでなくノートPCも充実しており、一般的に販売されているノートPCでは実現できない、クリエイター視点に立った設計が特徴だ。今回は「DAIV」のノートPCラインナップの中でもハイエンドに位置する、4Kディスプレイ搭載「DAIV-NG7600シリーズ」の、デュアルストレージモデル「DAIV-NG7600M1」をお借りしたので、詳しく見ていきたい。

AdobeRGB比100%の4Kディスプレイを搭載したDAIV-NG7600シリーズ

AdobeRGB比100%の17.3型4K対応液晶パネル

DAIV-NG7600シリーズには2つの魅力がある。その1つ目が、17.3型ノングレアのIPS液晶ディスプレイだ。液晶パネルは、3840×2160ドットもの解像度を誇る、いわゆる4Kモデルとなる。1920×1080ドット(フルHD)の4倍もの解像度を備える4Kディスプレイは、高解像度の写真や映像、3Dグラフィックス制作において力を発揮することだろう。

3840×2160ドットのデスクトップ画面(左)と、1920×1080ドットのデスクトップ画面(右)。高解像度画像を等倍表示した際に、広範囲を表示できる。実際には、Windows 10のスケーリングを調整して利用することになるだろう

また、AdobeRGB比100%を実現した色空間を実現していることも大きな特徴だ。ノートPCでも、正確で豊かな色彩を表現できる。これまでは高価なディスプレイでないと実現が難しかった広色域を気軽に利用できるため、外出先でも本格的なコンテンツの編集が可能となった。

試しに、フルHDディスプレイを搭載した同社の13.3型ノート「JFシリーズ」と見比べてみよう。JFシリーズの液晶は、決して品質の低いものではない。TN方式を使用しており、むしろ上質な液晶ディスプレイを搭載しているモデルだろう。それでもDAIV-NG7600シリーズのパネルと比較すると色彩表現に差が見え、単独では気にならないJFシリーズも、全体が緑に寄っているように見えてしまう。

LuvBook JFシリーズの、TN方式のパネル

DAIV-NG7600シリーズで採用されたAdobeRGB比100%の4K液晶パネル

なお本シリーズのPCは、工場出荷時に色域の測定が行われており、その結果は、「色域出荷データシート」として同梱される。表現可能な色域のチェックに役立つだろう。

工場出荷時に1台ずつ色域測定が行われ、その結果は「色域出荷データシート」として同梱される

デスクトップ用CPU「Core i7-6700」にデュアルストレージ構成

2つ目の魅力は、高度な編集アプリも軽々と動作させられる高いスペックだ。本機に採用されているCPUは、ノートPCで一般的に搭載されるモバイル向けCPUではなく、なんとデスクトップPCで使用されるSkylake-Sこと、インテル Core i7-6700。4コア8スレッドで動作し、ターボ・ブースト機能利用時のクロックは最大4.0GHzまで上昇する。チップセットもデスクトップ用のインテル Z170 Expressを搭載。つまり、ノートPCでありながらも、デスクトップPCと同等の処理速度を有しているというわけだ。写真やイラスト、映像に幾重ものエフェクトを付加した場合でも、少ない待ち時間で操作が可能だろう。メモリには、最新のDDR4-2133を8GB×2、計16GBを標準搭載。解像度の高いデータでもメモリ不足の心配なく展開できる。BTOカスタマイズを利用すれば、CPUはCore i7-6700K、メモリはなんと64GBまで拡張が可能だ。

CPU-Zで確認した、インテル Core i7-6700

GPUには、NVIDIA GeForce GTX 965Mを採用。Maxwellアーキテクチャを採用したこのモバイル向けGPUは、コンシューマノートPC用のGPUとしてはミドルレンジモデルとなる。GPU演算による処理が可能な編集アプリにおいて、動作の助けとなってくれることだろう。なお、「DAIV」にはQuadro M1000Mを搭載した「NQ5300シリーズ」や、M3000Mを搭載した「NQ7500シリーズ」といったノートPCもラインナップされている。DirectXをベースとしたアプリを使用するならば本機のようなGeForce搭載モデルを、OpenGLをベースにしたアプリを使うならば上記のようなQuadro搭載モデルを選択すると良いだろう。

GPU-Zにて確認した、NVIDIA GeForce GTX 965M

さらに、デュアルストレージモデルである本機には、SSDとHDDという2台のストレージが搭載されている。SSDでは容量が、HDDでは速度が不足しがちだが、480GBのSSDと2TBのHDDを組み合わせることで、互いの長所を活かした運用が可能だ。SSDで大容量のデータを扱う方は、BTOカスタマイズによってSSD RAIDも選択できる。さらに、より高速なストレージが必要な場合を踏まえ、PCI-Express接続のM.2 SSDも用意されている。

また搭載されているカードリーダーはUHS-IIに対応。規格に準拠したSDカードを利用すれば、最大で312MB/sもの速度でアクセスが可能。高解像度のデジタルカメラや、4K録画に対応したデジタルビデオカメラのデータも素早く読み込むことができる。それぞれの速度を「CrystalDiskMark」にて計測したので、参考にしてほしい。

「CrystalDiskMark 5.1.2」で計測したSSDの速度

「CrystalDiskMark 5.1.2」で計測したHDDの速度

UHS-II対応カードリーダーに東芝のEXCERIA PRO 16GB(SD-XU016GA)を挿し「CrystalDiskMark 5.1.2」で計測