ブロックを組み上げる魅力

「大人の塗り絵」がブームとなって久しいが、細かい作業に没頭したくなる時は確かにある。一つ一つの工程は小さなものでも、それを積み上げた先に待っている「完成形」を眺めることは、日々通勤や仕事で摩耗する我々には一種のカタルシスとして作用する。

子供と共に訪れた百貨店のおもちゃ売り場で見かけた「ナノブロック」(カワダ)は、まさにそんな効用を最大限に発揮してくれるアイテムだ。わずか数mmの小さなピースで完成度の高いリアルな作品が組み上がる。こちらはピンセットが必要なほど一つ一つのパーツが小さいため、対象年齢も12歳以上と高めの設定だ。新商品の「ナノブロックプラス」は従来の「ナノブロック」よりも大きく作られており、小学校低学年でも遊ぶことができる。

男子のDNAに刻まれた「変身」「合体」への憧憬

さらに、「ナノブロックプラス」の新商品にあたる恐竜シリーズの箱を見ると、「3つの形が組める!!」との言葉が。ノーマルの恐竜型のみならず、バトルシップやロボットへの「変身」や他の恐竜を組み合わせる「合体」が可能だという。この二つのキーワードが持つパワーはちょっと異常だ。昭和の時代から男子の心を鷲づかみ続けて数十年。幼少の頃に超合金やプラモデルで興奮した記憶は、ちょっとしたきっかけで鮮やかに甦る。あの興奮を息子と分かち合いたい!……そう考えるのは、父親としては当然の感情であろう。さっそく、小学1年生の息子に「ナノブロックプラス きょうりゅう」の趣旨を説明する。

「きょうりゅうのブロック? チラノサウルスある?」
「あるよ。しかも……」
「なに? なに?」
「バトルシップに変身するのだ!」
「すっげ! すっっげ!!」
「そして……」
「まだあるの!?」
「他の恐竜と合体してロボットになる!」
「すっ……げーーーーーーーッ! はやくつくりたい! ぜったいぼくチラノサウルス! あと、アンチロ!」

大興奮の息子と一緒にティラノサウルスを作り上げてやる! そして合体させてやる!