アプリケーションは一体どれくらいのデータを生み出し、データの複製にどれだけ時間がかかるのか?

VM最適化ストレージの利点のひとつに、仮想環境で動作するアプリケーションのパフォーマンスを可視化できることが挙げられます。

ポイント

ティントリによるVM単位でのリソースの使用状況の把握や、VM単位のスナップショットにより、アプリケーションのパフォーマンスを見える化できます。
ティントリのユーザーインターフェース上でVMを検索することにより、数千から数万単位の膨大なVMの中から、確認したいVMを瞬時に探し出せます。
ティントリのVM単位での複製や、VM単位のスナップショットにより、ストレージ複製の管理が簡単になります。複製のVMをピンポイントで指定することも可能です。
複製対象データを転送する際に、圧縮ならびに重複排除し、できるだけデータ量を少なくします。
遠隔地へのデータの複製にどれだけ時間がかかるか、すぐに予想できます。

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・今月のデータ量は先月を上回りましたか?

・予想もしない変化はありませんでしたか?

・ユーザーが非圧縮のメディアコンテンツを保存したことで、VMの容量がいっぱいになりませんでしたか?

・誰かがゲスト側のディスクを有効にしたり、ファイルシステムの暗号化を有効化したりしたことにより、ストレージ側のデータ圧縮パフォーマンスが大きく低下しませんでしたか?

VM単位のスナップショットでは、これらの状況を容易に把握することができます。必要なのは、増分スナップショット(1日当たり、または1時間当たり)のサイズを確認することです。その日にVMが新たに生成したデータサイズを確認すればよいのです。

現場では何が起きているか

先日、あるお客様から、600キロ離れた2つのデータセンター間で10TBの仮想マシンを複製したいとの相談を受けました。使用できるネットワーク帯域は約80Mbpsでした。こうした仮想マシンの複製には、一体どれほどの時間を要するのでしょうか。

そこで、まず仮想マシンの圧縮後のファイルサイズを確認しました。ティントリのファイルシステムは、スナップショットとともに、仮想マシンの圧縮後のライブデータを計算できるからです。システム全体の圧縮率は問題ではありません。これは、ある特定の仮想マシンのデータ圧縮率が大きく変わる可能性があるためです。

そして、ティントリのVMレプリケーションは、転送するデータも圧縮されています。仮想マシンのスナップショットの合計圧縮サイズは、ネットワーク経由で転送するデータの合計を表しています。ティントリのVMレプリケーションは重複排除も行われます。なお今回のケースでは、転送先で仮想マシンのデータの可視化は行いません。

以下の表は、お客様のレプリケーションのソースシステムであるティントリから直接得られた仮想マシンのスナップショットを示しています。

「Changed MB(サイズ増減)」欄は、各スナップショットによって消費された圧縮後のスペースを表しています。このことから、スナップショットのレプリケーションには、およそ11日かかることが予想できます。

実はとても簡単な計算です。合計約8.5TBのレプリケーションを毎秒9MB(1時間当たり3,600秒)で、1日24時間実行した場合、およそ11日かかるという計算です。

もうひとつの質問

既存のスナップショットのレプリケーションを実行する一方で、この仮想マシンのアプリケーションによってデータが新たに生成された場合、どうなるでしょうか。(普通有り得ませんが)仮に1日当たり1TBのデータが新たに生成されたとしたら、WAN帯域幅で追いつくことはまず不可能です。

でも今回のケースでは、特に心配はいりませんでした。差分スナップショット(古いスナップショットと新しいスナップショットの差)のサイズを確認したところ、それは仮想マシンで一番古く、サイズの大きいスナップショットの1%未満に過ぎなかったのです。同じことが多くのアプリケーションについて言えます。多くのアプリケーションはたいていの場合、新たに生成されるデータはそれほど多くありません。

今回、仮想マシン側では、アプリケーションの動作に予想外の大きな変更が生じないよう、大きな基本スナップショットが完了するとすぐに、差分スナップショットのレプリケーションを実行しました(日付の古いものから新しいものへ、順番にスナップショットの複製が行われました)。最終的に、仮想マシンのレプリケーションは予想どおり11日で完了しました。

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