Windowsといえばオフィスで使うPCのOSというイメージであったが、Windows 10の登場以来、ビジネスや教育の現場で採用するモバイルデバイスの端末としての人気が高まってきている。そこで今回は、Windows 10のモバイル利用がどのような状況にあるのか、MDMソリューションのMobiConnectを提供するインヴェンティットと日本マイクロソフトによる対談の模様をレポートする。

田鶴大輔氏

青木祐二氏

藤田耕一氏

高村佳孝氏

山田智裕氏

■対談参加者
・日本マイクロソフト
パートナーセールス統括本部 ストラテジックビジネス推進本部 エグゼクティブ・ビジネスデベロップメントマネージャー 田鶴大輔氏
パートナーセールス統括本部 パートナーテクノロジー開発本部 プリンシパルテクノロジーストラテジスト 青木祐二氏

・インヴェンティット
執行役員 営業部長 藤田耕一氏
執行役員 技術部長 高村佳孝氏
ホールプロダクト部 部長 山田智裕氏

持ち運びやすいだけじゃない! オフィスにいるのと同じ作業ができるWindows 10が人気

──最近Windows 10搭載の端末が注目されていますが、Windows 10の魅力はどのようなものがあるのでしょうか

日本マイクロソフト
青木祐二氏

青木氏:マイクロソフトとしてはビジネス向けに、Windows 10のバリューとして大きく4点を打ち出しています。1点目はモバイルへの対応を含めて生産性を高めることができること。2点目は企業が安全に利用できるよう、よりセキュアに使える環境を提供するということ。3点目はSurfaceを含めた革新的なデバイスの提供。そして4点目としてWindows 10に継続的に新しい機能を付加し、常により良い環境を利用していただくためにクラウド経由でアップデートをしていく、Windows as a Serviceというコンセプトが挙げられます。

──革新的な端末でモバイル環境にも対応できるということが、やはり注目のポイントでしょうか

田鶴氏:Windows 10ではカーネルが統合されたおかげで、どんなデバイスであっても同じユーザビリティでストレスなく使っていただけるようになったという価値もありますね。オフィスでもモバイルでも同じように使っていただけます。

山田氏:これまではWindows PCとスマートデバイスで棲み分けがありましたが、今は2in1のWindows端末も増えて、薄くて軽くて持ち運びが楽というだけでなく、PCと同じくなんでもできるという需要が高まっていますね。私たちのところにも、Windowsタブレットを活用したいというお話がたくさん来ています。

田鶴氏:Windowsでしか動かないアプリというのも多くありました。そのため、スマートデバイスの運用にはデータをPDF化して公開サーバを準備するなど、一工夫必要でした。しかし、Windows端末であれば既存のアプリも動きますし、マイクロソフトのクラウド経由、例えばOffice 365を活用することで、変換せずにそのまま見られるというのも魅力だと思います。

基幹システムへのアクセスをしたいビジネスニーズとコンテンツを有効活用したい教育ニーズ

──どのようなお客様がWindowsタブレットに興味を持っているのでしょうか

インヴェンティット
山田智裕氏

山田氏:一時期デスクのPCをタブレットに置き換えようという取り組みが盛り上がりましたが、スマートデバイスとして設計されたタブレットではPCとは完全に置き換えられないという声も多くありました。そういった現場の方に、Windowsタブレットが注目されていますね。やはりキーボードとマウスで操作ができるというのは仕事がしやすいです。

田鶴氏:静的データであれば参照用のデータを作って配布すれば問題ないのですが、もっと業務効率化のためにモバイルでも社内システムにアクセスをして作業したい、認証基盤であるActive Directoryの管理下でデバイスを運用したいという場合にWindowsが選択肢に入ってくると思います。

藤田氏:弊社のお客様ですと、特に製薬業においてその動きは顕著かもしれません。例えばMRの方がタブレットをカタログ的な使い方だけではなく、社内イントラを利用したい、基幹システムにアクセスしたいなど、よりビジネス寄りの需要が高いと感じています。

田鶴氏:教育現場でも採用例は多いです。これはアプリやコンテンツにWindows用として作られたものが多くあるため、その資産を活かしたいという事情ですね。また小中高ではPC教室という形で導入する時にWindowsタブレットが選択されることもありますし、教員側が持つ端末としての採用もあります。

山田氏:先生はWindowsを使いたい方が多いですね。Officeで作った資料などの資産がありますから、やはりWindows活用のニーズがあります。閲覧型での利用ではなく、アウトプットが必要な用途だとWindowsは魅力的なようです。

紛失リスクもあるタブレットはMDMが必須!

──業務により深くかかわるモバイル端末となるとセキュリティ面でも気をつかいたいところですね

青木氏:PCはファイアウォールの内側に置いてActive Directoryやグループポリシーで管理というのが普通でしたが、外出先で使うなら、やはりMDMが必要だと思います。Windows 10はこれまでのようにPCとして管理することもできますし、モバイル利用する場合にはMDMでの管理も容易になりました。

山田氏:iOS/Androidとはできることが違うので対策にも異なる観点が必要なのですが、デスクトップPCやノートPCとも対策を変える必要があるというのが、Windowsタブレットの特徴ですね。持ち歩きやすくなる分、紛失リスクも高くなるので、そこは見逃してはいけないと思います。

田鶴氏:日本の企業様はセキュリティに関して意識が高いため、導入時にはMDMも一緒に、というケースが多いですね。Windows向けのMDMというと、日本では早くから熱心に取り組んでくれていたのがインヴェンティットさんです。MobiConnectはWindows 8の頃から頑張って下さっていましたよね。

インヴェンティット
高村佳孝氏

高村氏:ありがとうございます。Windowsの標準機能ではできないことも、お客様からの要望にできるだけ応えられるようにいろいろと工夫をしてきましたが、Windows 10は端末管理の標準であるOMA-DM(※1)に対応しており、長くお客様から需要があったリモートワイプ機能(iOS、Androidのワイプ機能と同じく、完全初期化(※2))もMobiConnectに搭載できました。

青木氏:Windowsとしてやっとお客様のリモートワイプ機能のニーズに応えられました。OSとして実装しても、リモートから管理するツールがないと有効活用できません。いち早くMobiConnectにも搭載していただけてよかったです。インヴェンティット様の技術力には脱帽しました。

端末管理や利用のコントロールにも活きるMDM

──セキュリティ面以外に管理という使い方でもMDMの需要は伸びていますね

山田氏:先ほど教育現場の話が出ましたが、教育現場ではセキュリティ面よりも管理という面でMDMの需要が目立ちます。まだ生徒に1人1台配布しているという状態ではないので、保護すべき個人情報などがあまり入っていないのです。どちらかというと、授業で利用するコンテンツやアプリをいかに効率よく配布するか、学校のWi-Fi設定を効率的に全端末に配信するか、ということを検討する中で、MobiConnectが採用される傾向にあります。

高村氏:Windowsの標準ではまだアプリ配信の部分が対応できないので、MobiConnectでは独自にエージェントアプリを作って対応しています。ただ、お客様が本当に望んでいる、端末に全く触らずサイレントで配信、という形にはできていないので、Windows側の対応も待っています。

インヴェンティット
藤田耕一氏

田鶴氏:スマートデバイスのモバイル運用時のアプリケーション配信はWindowsとしての大きな課題ですね。デバイス導入時に、管理者が意図通りに使わせるためのMDMという需要は確かにあります。また、クラウド型サービスを使うにあたってはアカウント管理もしなければなりません。従来のソフトウェア資産管理、セキュリティ対策、認証といった全てがMDMに求められているのかもしれません。

藤田氏:教育に限らず、ビジネスの場においても最近は運用管理としての需要が高いですね。単にセキュリティだけではなく、どれだけ運用の下支えができるかがMDMとして大事になってきていると感じます。MDMベンダーとしては、企業のIT部門の皆様ときちんと会話し、しっかりサポートしていくことも非常に大切だと思います。

マイクロソフトのソリューションと、得意分野ごとに組み合わせて使って欲しいMobiConnect

──一部マイクロソフトの提供している機能とMobiConnectに競合する部分もあるようですが

田鶴氏:端末管理という面ではMicrosoft Intune(※3)がMDMと似ているように見えるのですが、得意分野が少し違っています。製品特性により得意な分野が異なりますから、MobiConnectと組み合わせて使ってもらえたらいいですね。今後は管理デバイスが増えていくでしょうから、Microsoft IntuneとMobiConnectを同じ管理画面から一括して利用できるような形にできたらいいですね。

青木氏:マイクロソフトとしても、外出先からActive Directory認証が行えるようにクラウド型のAzure Active Directory(※4)を提供するなど、いろいろと対応をしています。ただそれだけではデバイスの管理まではできませんから、グループポリシーをどう適用させるのかなどについても考えると、MDMは必須となります。マイクロソフトはID管理、デバイス管理、データ保護をクラウドサービスで実現する包括的なソリューションとしてEnterprise Mobility Suite(※5)を提供しています。お客様のニーズに合わせて、この中のモバイル端末管理の部分はMobiConnectという形でもいいと思います。

藤田氏:創業以来OMA-DMを使った開発をしてきたノウハウがありますから、今後も独自の技術と、Windowsの標準の機能とを組み合わせてうまく対応していきたいですね。

Windows 10 Mobileにも対応! 今後も日本企業とマイクロソフトを繋ぐ存在としてインヴェンティットが活躍

──Windows 10 Mobileも今後盛り上がってきそうですね

青木氏:Windowsの信頼性から、ぜひ業務用にはWindows端末を使いたいというお客様も金融系をはじめ多くいらっしゃったので、使っていただけるのが楽しみです。

藤田氏:MobiConnectとしても当然対応デバイスとして視野に入れています。今の延長線上の技術で、開発を行っていきたいと思います。

高村氏:情報が少なくて大変な部分もありますが、そういった状況で対応していくのも技術力だと考えています。

青木氏:モバイルでしか体験できない機能というのもWindows 10では多数実装されました。例えばスマートデバイスをモニターに繋ぐだけでPCのように使える「Continuum(コンティニアム)」などは大きな特徴の一つです。ぜひ多くの方にお使いいただきたいです。またMobiConenectとどのように連携していくのか非常に楽しみです。

──お互いに期待することとしてはどんなことがあるでしょうか

日本マイクロソフト
田鶴大輔氏

田鶴氏:MobiConnectにおけるAzure Active Directoryへの対応を強化してもらえると、我々からお客様へ提案する時にも推薦しやすいですね。相互に連携することによって、日本のお客様の痒いところに手が届く仕組みが提供できると思います。

青木氏:MobiConnectはすでに多くのお客様に採用されているサービスですので、日本のお客様とマイクロソフトを繋ぐ存在としてとても重要なパートナーだと思っています。

山田氏:お客様の声をマイクロソフトに伝える役割もしたいですね。今後は更にタブレットやクラウドがキーワードになってくると思うので、OSやデバイスの利便性を高めていただき、そこへ我々としてもついていきたいと思っています。

※1:Open Mobile Alliance-Device Managementの略。モバイル関連のアプリケーションの標準化を推進する組織「Open Mobole Alliance」が策定したデバイス管理(Device Management)機能。

※2:インヴェンティット プレスリリース「iOS向け新VPPと、国内MDM初のWindows 10 MDMワイプに対応」
http://www.mobi-connect.net/news/detail.php?id=115

※3:Microsoft Intune
https://www.microsoft.com/ja-jp/server-cloud/products-Microsoft-Intune.aspx?WT.srch=1&WT.mc_ID=SEM_jHjUAPFU

※4:「Azure Active Directory とは」
https://azure.microsoft.com/ja-jp/documentation/articles/active-directory-whatis/

※5:Enterprise Mobility Suite
https://www.microsoft.com/ja-jp/server-cloud/products-Enterprise-Mobility-Suite.aspx?WT.srch=1&WT.mc_ID=SEM_jHjUAPFU

(マイナビニュース広告企画:提供 インヴェンティット)

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