TKCは、会計事務所および地方公共団体への情報サービス分野において、数多くの実績を持つ企業だ。小規模企業向けの「e21まいスター」、中小企業向けの「FX2」、中規模・中堅企業向けの「FX4クラウド」と、規模に応じた財務会計システムをラインアップ。さらに上場企業向けには「FX5」と連結会計システム「eCA-DRIVER」を組み合わせることで、連結経営のための効果的な会計システムを実現している。同社の顧客が組織する全国規模の税理士ネットワーク「TKC全国会」は会員数1万人以上と、全国税理士事務所の約30%を占めていることからも、業界における知名度の高さが窺える。

IP電話サービスの通話品質がネックに

そんな同社では、2013年より社員のモバイル環境としてIP電話サービスによる通話とBYODを採用。さらに、外出の多い営業担当者や部門長向けにはモバイルルータとノートPCを配布し、VPN経由で社内システムへのアクセスを可能とした。しかし、ここに来てこうしたモバイル環境にいくつかの課題が生じたのである。

TKC 経営管理本部 システムエンジニアリングセンター IT投資企画部 部長 金森直樹氏

TKC 経営管理本部 システムエンジニアリングセンター IT投資企画部 部長の金森直樹氏は「IP電話サービスの通話品質に、不満の声が上がるようになったのです。都市部はまだしも、特に地方では音声が聞き取りづらかったり、途中で通話が切れてしまったり、そもそもつながらないようなこともありました」と、当時の様子について語る。

また、BYODならではの課題も悩みの種となっていた。通信費に関しては、各社員が明細を見ながら社用通話のみを抜き出して申請していたため、どうしても業務負荷が高くなってしまう。さらに紛失や盗難などのトラブルが発生した際、個人所有の端末であるため容易にリモートワイプを行えない点や、各種SNSの利用制限ができないといった部分も、情報漏えいのリスクを考えれば企業として見過ごせないところだ。

運用管理ポリシーに基づくMDM選定

こうした課題の解決に向け、同社ではスマートフォンの支給および、端末を管理する上で必要なMDMの導入に関する検討をスタートした。端末については、Android端末と比べてアプリ、端末、OSの管理がしやすいことから、iOS搭載のiPhoneに決定した。

一方のMDMに関しては、将来的な展望を鑑みてマルチデバイス・キャリアフリーの製品で選定を開始。運用管理ポリシーに則した機能として、「端末が常に使われているかを監視できる」「未使用状態が72時間を超えた段階で紛失扱いとなり、自動的にメール通知が行われる」「メール通知を見てリモートワイプを早急に実施できる」といった条件がクリアできる製品に絞り込んだ。こうして導入を決めたのが、iOS / Android / Windowsに対応したアイキューブドシステムズのMDM製品「CLOMO MDM」だ。

こうして同社では、2015年7月に1,162台のiPhoneおよびCLOMO MDMを導入。キャリアによるキッティング後、営業担当者および各部門長クラスの社員へと支給した。ノートPCのインターネット接続についても、従来のモバイルルータからiPhoneのテザリング機能に切り替え、社内システムへアクセスしている。

iPhoneの導入に際しては、キャリアが提供している研修ツールの活用に加え、基本的な知識や使い方を学ぶためのワークショップをビデオ会議で実施。さらに「Office 365 ビデオ」にデバイス準備から活用段階まで各種の動画マニュアルをアップロードし、誰もが手軽に学べる環境を構築した。

TKC 経営管理本部 システムエンジニアリングセンター IT投資企画部 課長代理 市川裕洋氏

TKC 経営管理本部 システムエンジニアリングセンター IT投資企画部 課長代理の市川裕洋氏は「スマートフォン自体は使い慣れていても、たとえばAndroidでは一般的な機能の『戻る』ボタンがiPhoneには存在しないなど、操作や設定に関しての疑問、質問が出てきます。そこでワークショップや動画マニュアルを通じて、誰もが早く端末操作に慣れるよう工夫しました」と語る。

セキュリティ面に関しては、端末に証明書を入れることでパブリッククラウドながらセキュアな運用を実現。Office 365との組み合わせにより、通勤・外出時でもメールやスケジュール、研修動画などが閲覧できるようになっている。

「アドレス帳も端末内ではなく、すべてOffice 365へ保存するよう周知徹底しています。端末内にデータを残さないことは情報漏えいリスクの低減だけでなく、リモートワイプ後に発見された端末を迅速かつ簡単に再利用できる状態へ戻せる、といったメリットがあります」(金森氏)

外からでもOffice 365にアクセスが可能。今後もより一層連携強化をはかるとのこと

リモートワイプからアプリまでを単一UIで統合管理

金森氏はCLOMO MDMの利便性について、「場所を問わず、どこからでも同じインターフェースでリアルタイムに操作できるのが魅力ですね」と語る。

IT投資企画部では現在、4名体制でモバイルデバイス関連の管理業務を行っているが、東京本社と栃木本社など離れた場所で作業をする機会は多い。また、緊急時には社外から対応する必要も出てくるだろう。こうした状況下で、端末に依存することなく管理業務ができるCLOMO MDMは、非常に心強い存在といえる。なお、夜間、休日でも盗難・紛失対策に対応できるように、同社ではリモートロック・ワイプ代行サービスである「CLOMO MDM リモートオペレーションサービス(24/365)」を導入している。スタッフには名刺サイズの盗難対応手順書を配布し、盗難・紛失時には同サービスの対応窓口に電話して、リモートワイプの依頼を行うよう指示しているそうだ。

また、アプリの管理が適切かつ容易に行えることも、CLOMO MDMを採用したポイントのひとつだという。CLOMO MDMのオプションサービスである「CLOMO MOBILE APP PORTAL」を利用することで「App Store」の利用を制限しながら、業務用アプリのみリモートでインストールできる。本機能の利用によって、デバイスの展開後に、ユーザーによるSNSをはじめ、業務に不要なアプリの勝手なインストールを抑制しながら、業務用に追加されたアプリを手間なく展開できるようにしている。

さらに「CLOMO MOBILE APP PORTAL」を利用すると、社内専用のアプリポータルサイトも構築できるため、デバイス初期設定時にはユーザー自身にアプリをダウンロードさせる運用も実現できているという。

CLOMO MDMが提供する業務用アプリ専用ポータルサイト

さらに市川氏は、「各種ドキュメントがしっかりと整理されているほか、サポートが充実しているのでスムーズに導入できました」と語る。特にサポート面では、ポリシー設定など難しい部分をフォローするだけでなく、データの扱い方にスポットを当てて解説してくれるなど、導入後の運用管理においても大きな助力となったそうだ。

そのほか「BYODを採用していた当時と比べて、CLOMO MDMの導入後はシステムと社内意識の両面で、統制がとれるようになったと感じています。端末管理の項目こそ増えましたが、CLOMO MDMのおかげで手間はかかりませんし、なにより情報漏えいリスクが抑えられたのは大きいですね。また細かい部分ですが、各項目のドリルダウンで、リアルタイムに詳細情報を確認できるのも助かっています。さらに今後、Windows 10も同様にCLOMO MDMで管理できると聞いているので、Windows 10にアップデートした社内PCもCLOMO MDMで管理することで効率的になります」と、金森氏はCLOMO MDM導入のメリットについて語った。

このように、従来のBYOD環境では実現できなかったセキュアなモバイル環境の構築や、容易かつ細かな設定が可能な管理体制の強化、さらには従業員の業務効率改善など、iPhoneとCLOMO MDMがもたらした効果は非常に大きいといえる。

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関連サイトご紹介

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