「ドラゴンクエスト」が1986年に発売されてから、今年で30周年を迎える。父母から子、そして孫と3世代にもわたるプレイヤーを虜にしてきたドラゴンクエストシリーズに、オンラインゲーム「ドラゴンクエストX 」Wii版が登場したのが、2012年8月のこと。今年でサービス開始から4年目となるにも関わらず、ドラゴンクエストXの世界「アストルティア」はいまも多くの冒険者で溢れている。

2013年9月にはWindows版も発売され、他の機種よりもちょっときれいなグラフィックで遊ぶことができるなど、ゲームが好きな方に人気が高い。そんな、PCでドラゴンクエストXを遊びたいファンに向け、PCメーカー各社は推奨ゲーミングPCを販売している。そのうちの一社が、Tsukumo(ツクモ)が展開するゲーミングPCブランド「G-GEAR」だ。今回は、ドラゴンクエストのプロデューサーであるスクウェア・エニックスの齊藤陽介氏と、ツクモを運営するProject Whiteの森 秀範氏にお話を伺うことができたので、その模様をお伝えしていこう。

株式会社スクウェア・エニックス ドラゴンクエスト プロデューサー 齊藤 陽介 氏

株式会社Project White(TSUKUMO) G-GEAR開発責任者 森秀範氏

ドラゴンクエストが好きな人たちが集まれる場所を目指して

マイナビニュース:ドラゴンクエストは、これまでオフラインゲームとして一人で遊ぶタイトルでした。そのドラゴンクエストがオンラインゲームとして発売されることになったきっかけは、どのような点にあったのでしょうか

齊藤氏:ドラゴンクエストシリーズの生みの親である堀井雄二さんと、「ドラゴンクエストって、学校の教室でコミュニケーションツールになっていましたよね」という話をしたんですよ。みなさんも子供のころに学校で「あるアイテムをとったよ」とか、「外壁の周りを歩けるんだぜ」とか、ワイワイ話題にしてましたよね。そのコミュニケーションをゲームの中で実現できたら、もっと面白い広がりが生まれると思ったんです。ドラゴンクエストXは、コミュニケーション手段の延長としての考えで生まれたわけですね。「ドラゴンクエストが好きな人たちが、いつでも集まれる場所」というのがドラゴンクエストXの1つのテーマであり、「アストルティア」がその場所です。

マイナビニュース:ドラゴンクエストXは、どのようなゲームを目指して開発されているのでしょうか

齊藤氏:ドラゴンクエストが好きな人の中には当然「僕はとても強くなって強敵を倒したい! 」という要望を持つ人がいるでしょう。一方で「私はそんなに強くならなくてもいいから、キレイな服を着てキレイなお家に住みたい」という人や、中には「世界の平和なんか興味ないよ、カジノ王に俺はなる! 」という人もいるわけですね。ドラゴンクエストを好きな人にとっての憩いの場と成り得るのは、このようなさまざまなベクトルの遊び方ができる世界だと思いますし、そういった遊び方を全方位でできるコンテンツを提供していかなければならないと考えています。

ドラゴンクエストXは着実に進化し、バージョンは3に達しました。ここにきて、ようやくコンテンツの全方位体制が整ったかなと思います。これからは、個々のコンテンツに厚みを出していく時期ですね。とてもありがたいことに、皆さんにはすごく前のめりに遊んでいただいているので、コンテンツの消費はものすごく速く、開発は大変です(笑)。しかし同時に、ちょっとしたきっかけを提案すれば、プレイヤーは自由な発想で遊びを作り出してくれるんです。かくれんぼを行いやすくする帽子や、たるやつぼになれる"しぐさ"などは、そういう発想で生まれたものですね。さまざまな遊び方ができる世界で、プレイヤーご自身で楽しめるコンテンツを見つけてほしいと思います。