丸ノ内ホテルは、ネットギアのギガビットスイッチを導入し、客室におけるインターネット接続サービスの品質を大きく向上させたという。そこで、総支配人室 ITコンシェルジュの若林友樹氏に、導入の経緯や導入の成果についてお話を伺った。

丸ノ内ホテル

丸ノ内ホテル

日本の表玄関である東京駅・丸の内北口前に丸ノ内ホテルはございます。都会のオアシスとしてやすらぎあふれるモダンな空間を演出し、お客様一人一人に心あたたまるおもてなしをご提供いたします。

海外ビジネスマンが好んで利用するワケ

丸ノ内ホテルは、東京駅の表玄関・丸の内北口正面に位置し、ビジネスや観光にとって絶好のロケーションといえる。同ホテルが現在の場所に移って今年12周年を迎えるが、国内のみならず、海外からの旅行客が頻繁に利用する定番ホテルとなっている。人気の秘密は立地だけではない。特に海外からのビジネスマンの間で評価が高いのが「優れたインターネット接続環境」だ。

同ホテルは12年前、移転に合わせて全客室からのインターネット接続を無料で提供した。ホテルのインターネット接続サービスがまだ有料で提供されていた時代だ。提供した帯域は光回線の100Mbpsと当時としては最速で、しかも安定していた。その評判が宿泊した客から口コミで広がり、インターネットを使いこなす海外からのビジネス客が急増。インターネット接続に対するさまざまな要望に柔軟に対応してくれるホテルとしての評価を固めていった。

丸ノ内ホテルのITサービスについて、若林氏は、「お客様がご自分の部屋でインターネットを使おうと思うのは当たり前のことだと思います。この場所でリニューアルオープンしたときも、そうした考えでインターネットを整備しました。それは今でも変わっていません」と話す。

同氏は、丸ノ内ホテルが提供するITサービスの総責任者で、リニューアル以降、一貫して丸ノ内ホテルのITを指揮して来た。そんな若林氏が顧客サービスをさらに充実させるために今夏取り組んだのが、館内のネットワーク機器のリプレースと全客室への高速Wi-Fiの完備だ。導入したのは、ネットギアのギガビット/PoE対応のL2スイッチ「GS728TP」など約20台のネットワーク機器だ。

ギガビット24ポート L2+ スマートスイッチ(PoE+給電タイプ)の「GS728TP」

顧客ニーズに対応するためネットワーク機器をリプレース

今回のネットワークのリプレースは、機器導入からすでに12年が経過したことがきっかけだが、背景には、顧客の利用するインターネット環境が多様化し、広帯域化の必要に迫られた点もある。若林氏は、次のように話す。

「まず、お客様が持ち込むデバイスの数が増えました。以前はPCだけというケースがほとんどでしたが、いまは、PC、スマートフォン、タブレットなどデバイスを複数お持ちになることもめずらしくありません。客室は、9階から17階までで205室ありますが、多い時は400台の機器がネットワークに同時につながっている状況です」

特に、ここ1~2年は顕著で、ピークタイムになると速度が遅くなることが目立つようになったという。ピークタイムは午前2時から4時頃。米国のビジネスタイムにあたる時間だ。

また、顧客のニーズは多岐に渡るため、マニュアルを整備することも難しかった。その都度、リクエストを聞いて要件を整理し、若林氏の指示のもと、コマンドを理解できるスタッフが設定を行っていたという。

しかも、チェックインの前日に、こうした希望を伝えられることも少なくない。そうした要望に対して、できるかできないかをその場で判断して回答する必要がある。さらに、実際に要望に沿った環境を当日までに迅速に提供しなければならない。

若林氏は、「VLANを切り直したり、IPsecやファイアウォールの設定を変更したりといった作業は、これまでコマンドを利用し、手作業で行ってきました。チェックイン前日にいただいたリクエストにもとづいて設定していくのですが、中には時間がかかるケースも出てきます。これまでリクエストに応えられなかったことはないですが、今後もミスや遅れが起こらないとは言い切れない状況でした」と、機器のリプレースが必要になった背景を説明する。

誰でも直観的に使えるWeb管理画面が決め手に

若林氏はこうした課題を解決するために、いくつか心当たりのメーカーの製品をピックアップした上で、KSG国際産業技術に相談。そのやりとりのなかで、ネットギアの製品が選択肢に挙がってきた。

「実はそれまでネットギアさんがL2スイッチを手がけていることを知りませんでした。詳しく調べてみると、コストパフォーマンスが高く、我々の要件を満たす製品であることがわかりました」と若林氏。

採用の決め手になったのは、ネットワークの専門知識がなくても、WebベースのUIでネットワークの設定ができることだ。

「管理画面を見て、誰でもすぐに動かすことができると直感しました。ネットワーク機器というと、ベンダーごとに異なるコマンドや知識が必要で、教育にも時間がかかります。これなら、短時間で慣れることができ、お客さまのリクエストにも今まで以上に早く応えられると思いました」

これまでのネットワークの変更作業は、Configをファイルに保存してアップロードする作業だけでも1~2時間かかっていた。Webベースの新しいUIを使うことで、こうした作業が不要になり、十数分で済むようになった。何より「Web画面なので、設定ミスが起きにくいという安心感が大きい」(若林氏)という。

リプレース作業はスムーズに進んだ。2月くらいから構想を練り、5月までに製品選定を終了。7月から工事を開始し、8月にはすべて完了した。機器の設定も、すぐに理解できたという。

「ネットワーク用語がわかっていれば、マニアルを見ずに設定できると思います。実際、私もマニュアルを開く必要すらありませんでした」と若林氏。

突発的なリクエストにも俊敏に対応

ネットワークは、既存の光回線はそのまま残し、スイッチだけをリプレースした格好だ。以前にくらべて導入する機器の台数は減り、スイッチ自体のスループット性能が高いことから、通信速度は格段に上昇した。

丸の内ホテルに導入された「GS728TP」のネットワーク構成

若林氏は導入効果について、「ピーク時に回線が遅くなるということも起こらず、無線を使って快適にインターネットが利用できる環境になりました。VLANの設定などもWeb画面を使って簡単に変更できますので、お客様のリクエストにも応えやすくなりました」と話す。

突発的なリクエストついては、これまで、ネットワークのコマンドを理解しているスタッフが行っており、若林氏が電話などで指示をしてコマンドを打って設定していた。現在は、コマンドを知らないスタッフでも、Web画面から操作して、ネットワークの変更ができるようになったという。

また、Web画面を通して、利用状況などがリアルタイムに把握できるので、ネットワーク全体の管理がしやすくなったこともメリットだという。

今後は、PoEの活用も検討している。ネットギアのスイッチはPoEに対応しているため、無線のアクセスポイントに電源を供給することで、設置する場所の幅を広げることができる。今回は見送ったものの、無線機器のリプレースに合わせて導入を検討するという。

最後に若林氏は、「品質には何ら問題はなく、とても満足しています。これからに期待しています」と、ネットギア製品の今後の展開に期待を寄せた。

(マイナビニュース広告企画 : 提供 ネットギアジャパン)

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