【特別企画】

コミュニケーションから消費の潮目を読む - DNP「生活者潮流」が映す新たなマーケティング

 

大日本印刷 C&I事業部 コンサルティング本部 マーケティングインサイト・ラボ 室長 福井正子氏

マスメディアからインターネット、そしてスマートフォンの時代へと、生活者とメディアの関わり方は常に変化を続けている。必然的に、ビジネスにもそれに合わせた変化が求められるが、多様化・複雑化の中で何を追えばよいのか、企業にとって大きな課題となっている。

大日本印刷(以下、DNP)が2001年から取り組む「メディアバリュー研究」では、メディア(媒体)・チャネル(流通業態)・商品カテゴリーの3つの視点から生活者を定点観測し、その変化を見続けている。このプロジェクトに基づく活動が発展してきたことを背景に、2015年「生活者の変化の兆しをとらえる、DNPのマーケティング情報サイト 生活者潮流」をオープンし、より積極的な情報提供を始めているという。その運営を担当する同社C&I事業部 コンサルティング本部 マーケティングインサイト・ラボで室長を務める福井正子氏にお話を伺った。

暮らしを変える、メディアの進化

「メディアバリュー研究」とは、生活者と情報との関わり方や購買行動の変化を継続的に調査・分析するプロジェクトだ。同社では従来より、商業印刷やパッケージ印刷などに関連して、企業のマーケティング課題に応じた製品・サービスに対する生活者調査~アウトプットを受託していた。

「インターネットの利用率が伸びた2000年頃、ネット利用に関する調査は数多く行われていましたが、印刷会社としてはチラシやカタログまで含めた多様なメディアと生活者の関わりがどう変わっていくかを調べることが大事ではないかと考え、2001年から研究を始めました」(福井氏)

同年のインターネットの利用率は約4割で、9割以上の人が接触するメディアはテレビ、雑誌、新聞、折り込みチラシの4種類あった。その後、インターネットの利用目的が多様化し、携帯電話、ソーシャル系サービスの利用が広まるにつれテレビの利用率が一時的に下降するなど、研究の中から様々な傾向を捉えてきた。

研究10年目を迎えた2011年には、それまでの成果を総括し「生活者へのパワーシフト」、「マスメディアを起点としない購入プロセスが広がる」と分析した。しかし近年は生活者が情報に対して受動的になる傾向が見え始めているという。

「スマートフォンは、溢れている情報の中から自分に合った情報を選別してくれる、"何となく使うフィルター"という役割へ変化している。さらに、スマートフォンの普及を経て、生活者の情報との関わり方が非常に変わってきていると感じます」(福井氏)

DNPメディアバリュー研究「メディア利用率の推移」。数字にすることで見えてくるものもある。詳しくはこちら

「情報接触スタイル」は、日常生活で利用するメディアの組み合わせで捉える生活者分類。2010年以降の分析が公開されている。詳しくはこちら

各情報接触スタイルによって日常の購買行動に異なる傾向がある。例えば、マスメディア派はスーパーを利用することが多く、PC中心派はECをよく利用し、一方でスマホコミュニケーション派はどちらもあまり利用しない、などだ。福井氏らは、この情報接触スタイルの変化を継続的に捉えており、その知見からマーケティングに新たなテーマを見出した。

「商品カテゴリーに対して関心が高い人はそのカテゴリーに関わる情報をたくさん入手して商品を選んでおり、商品の選び方にも異なる傾向があるということが見えてきました。ならば、そのことをマーケティングの評価軸に活用できないか、という考えから生まれたのが『ブランドキズナ・マーケティング』です」(福井氏)

生活者と企業の関係とマーケティングの変化

マーケティングにおいて大きな課題の1つは、企業が生活者にどうリーチしていくかというところだ。メディアとの接触が多様化し、さらにスマートフォンの浸透で情報の選択がパーソナル化した今、多数の意見に合わせて売り出し、利益を上げたくても、効率のよい多数派が存在しない。そこで重要になるのが継続的なファンを捉えることだ。

「検索行動をはじめ、情報との能動的な関わりが定着したことによって、生活者の情報収集や購買行動は常に新しいものを求めるだけでなく、好きなものを追うという傾向が見られました。そこで、これからは「ブランド」という生活者と企業をつなぐキーが大事になるのではと考えました」(福井氏)

ユーザー調査の結果、多数派の選択肢ではなく少数派の強い共感を得た商品が成功するケースもある。だが、その判断が常に正解とは限らない。では、回答のどこを見て何を選べば良いのか。

「ブランドキズナ・マーケティングでは、仮説設計から調査実施だけでなく、ブランド育成に向けた課題抽出や価値の整理などのコンサルティングサービスまでを行っています。生活者目線でブランドを再評価するプロセスにおいては、DNPの様々なカテゴリーで調査・研究を行ってきた経験を活かしています」(福井氏)

DNPメディアバリュー研究「生活者と情報との関係」。捉えどころなく見える現在も、そこへ至る変化のポイントがあった

近年、同社が新しく注目しているのがギフト・コミュニケーションの分野だ。伝統的な贈答の習慣とは別に、SNSの軽いやり取りの延長で日常的にリアルにモノを贈り合う行動が、コミュニケーションの一つとして存在しているのではないか? そんな仮説から調査を始め、それを裏付ける結果が得られているという。

お祝い・ねぎらい・自分ごほうびといったちょっとした"ギフト行動"が、安さではなく「選んで買う」「喜んで買う」市場を作り、"シェア"というコミュニケーション形態とも深く関係している。同社の研究から、行動の観察が市場の発見に結びついた事例と言えるだろう。この研究は現在、小売・メーカーなどからも注目されているという。

日々移り変わるライフスタイルを見つめて

「生活者の変化がマーケティングも変える。変わらなくてはならない」と、福井氏は語る。それは体系立てられた学問としてではなく、日々移り変わり、企業によって見るべきポイントも異なる生きた情報との付合いだ。だからこそ、情報を提供する"場"を作り、継続して伝える必要がある。そうした想いから作られたのが「生活者潮流」だ。

「調査・研究で得られた情報から必要なエッセンスをどう抽出するか。自分たちの軸を持った上でそれをどう伝えるのか。実践を繰り返す中でいろいろと見えてきた気がします」(福井氏)

生活者潮流は、女性の年代別コンビニ利用動向、電力小売り自由化に向けた意識、お正月の食卓スタイルなど、生活に密着したテーマから様々な角度でライフスタイルを読み解き、マーケティング担当者の情報源としてだけでなく、読み物としても楽しめる内容となっている。福井氏は今後、執筆陣の幅を広げたり、マーケティング関連の研究者・実務家へのインタビューや対談など、ますます内容の充実を図っていきたいと語る。

(マイナビニュース広告企画:提供 大日本印刷)

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