学習専用機とスマートデバイス、それぞれのよさを活かした開発

―― この時代になるとスマホが登場しますが、影響はいかがでした?

大島氏「EX-wordの柱は、学生向けモデルと社会人向けモデルです。スマホの普及によって、社会人向けモデルの売れ行きには影響がありましたが、学生向けモデルはほとんど変わっていません。

EX-wordは今も学校で推薦販売され、学生は毎日使ってくれています。やはり、軸足は高校生を中心とした学生向けですから。『知る、聞く、学ぶに、歓びを』の想いで、何でもできるスマートデバイスとは違う学習専用機として、これからも展開していこうと思っています」

―― 根幹を大事にして続けてきた甲斐がありましたね。

大島氏「正直スマホはすばらしいものです。EX-wordの収録コンテンツも、アプリで追加しようと思えばできるはず。ただ電子辞書は、最初から"使う人"を決めてつくっている製品です。この層に向けてこの勉強をするために……と、パッケージ化されているわけです。そこが、今後の差別化のうえで最大のポイントになっていくでしょうね」

上田氏「電子辞書では、電池の持ちと、開いてすぐ調べられる軽快さも有利なところですね。ほんの少しの差ですが、毎日使う物だとそこが利いてくるんです。私たちはスマホと戦うつもりはなく、スマホはスマホ、専用機は専用機として、それぞれのよさを大事にしていきたいと思っています」

―― そして、先ごろ2016年の最新モデルが発売されました。

英語学習の進みを確認できる「English Training Gym」

大島氏「Yシリーズですね。最大の特徴は『English Training Gym』の搭載です。ボキャブラリーといったカテゴリごとに、最終学習日や進捗状況を確認できるページなどを追加しました」

上田氏「また、メニューからコンテンツを選べるのはもちろん、自分の強化したいカテゴリからも内容を選べるようにもなりました。英語学習のコンテンツをたくさん収録しても、どう使えばいいかわからないというご意見をいただいたことがきっかけです」

―― 確かに、盛りだくさんすぎて迷ってしまいますもんね。

「English Training Gym」のトップ画面

上田氏「コンテンツも5個や10個から始まり、今は100個以上も普通ですが、多すぎて結局どれがいいの? となってしまいます。それなら、どう学習すればいいかがわかる形にすればいいのではと、情報を活用してもらいやすくしたのです」

大島氏「英語学習って、日本人の中だけでもすごく面白いんですよ。世代もセグメントもスキルも目的も違いますから。今回は第一弾でしたが、まだまだやりようがあると思いました。今まで英語を勉強しなかった人も、今後は勉強する社会になっていくでしょうから、学習のパートナーとして選んでもらえるようになりたいですね」