年の瀬迫る昨今、年末年始の休暇を利用して里帰りや旅行などを計画している人も多いのではないだろうか。一方でその移動に伴う道路渋滞も年末年始の風物詩だが、これを緩和するために、ドライブ情報のポータルサイト「ドラぷら」などを通じて、様々な情報を発信しているのが東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)。

そんな同社には、「渋滞予報士」という、日本でただ1人しかいない肩書きの職業が存在する。現在は4代目となる加藤寛道さんが務めている。テレビの情報番組などで時々見掛けるおなじみの存在だが、今回は歴代の渋滞予報士の方々にお集まりいただき、渋滞予測の方法や裏話、渋滞を避けるためのポイントなどを伺った。

――平成18年からスタートした渋滞予報士ですが、代々渋滞予報そのものをレベルアップしていくために、それぞれが新たな取り組みをされてきたのですか?

石橋:過去3年の同時期の渋滞データの重ねあわせで予測するという基本的な手法は変わってないですね。

原山:ただ私の代の時には「休日特別割引」(※1)が導入されましたので、過去の実績は使えないため、直近の交通量から今後の交通量を予測して渋滞予測を行っていました。割引制度が変わったり、新たに高速道路が開通して、目的地までの経路が複数できて選択肢が持てるようになると、過去の実績によれないので、その場合は交通量を把握して予測を行っていました。

(※1)平成21年3月28日~平成23年6月19日の期間に行なった土日祝日20時~24時まで高速道路の利用料金が上限1,000円となる特別割引

加藤:ここ最近ですと、消費増税により料金が変わった時に交通量が大きく変わりましたね。また、最近は首都圏の圏央道がどんどん開通してネットワーク化(※2)されてきているので、距離と都市の人口によって交通量がある程度予測できる「重力モデル」というのも活かしながら予測しています。

(※2)目的地までのルートの多様化

――これからの年末年始のシーズンにかけて、渋滞予測以外に、高速道路の利用者の方々に大事な情報はありますか?

渋滞予報士4代目の加藤寛道さん

加藤:冬なので気象によって交通状況も左右されると思いますので、気象情報は必ずチェックしてほしいですね。

石橋:渋滞予報は天候の影響を除いて、事故がない前提で行っているんです。

前島:先ほどから話している3年の渋滞実績の重ねあわせについても、天候の影響や事故の影響を除外するために、渋滞、天候や事故のデータも併せて参考にするようにしています。

――皆さんがメディアで渋滞予測を発表することで、渋滞が緩和するということもあるのでしょうか?

前島:渋滞予測をお客さまに参考にしていただいて、行く時間をずらしていただくことで渋滞緩和になる場合もありますが、他の緩和対策もあわせて行っています。例えば"サグ部"と呼ばれる下り坂から上り坂に変わる部分で、渋滞につながる速度低下をしないように案内標識を設置したり、付加車線を設置するなども行っています。

――道路ネットワークが整備されたことで、従来のルートのほうが距離は近くても渋滞のために、少し遠回りになる新しいルートのほうが早く目的地に到着するというケースもあるのでしょうか?

石橋:ありますね。例えば練馬~高崎間の関越道ルートと東北道+北関東道ルート、東京~郡山の東北道ルートと常磐道ルートがその一例です。

前島:実際に走行調査して、東北道よりも常磐道のほうが早く行けたことを確認した上で、その結果をホームページに掲載しています。

加藤:迂回ルート案内はHPのほか、サービスエリアなどの休憩施設でも掲示しています。今年の10月31日に圏央道の桶川北本~白岡菖蒲が開通したことで関越道と東北道が行き来できるようにもなりました。同じ目的地でも通れるルートが多様になってきていますので、交通状況に応じて様々なルートを選ぶことができるということを認知していただくことが重要だと思っています。

―― 一般論として渋滞を避けるための秘訣を教えて下さい。

加藤:単純ですが"時間をずらす"というのが一番です。1時間ずらすだけでも随分と変わります。渋滞予測を見て、早め早めの行動を取るのもよいですが、後ろにずらすのもアリだと思います。あとは、渋滞予報だけでなく、あわせて現在の交通状況を確認していただくことですね。

――今年の年末年始の渋滞予測で例年との違いはありますか?

加藤:年末年始の渋滞は、年明けから仕事始めまでの間に下り線、上り線のピークがきますが、来年の仕事始めは1月4日となる人が多く、実質動けるのが元旦を除く2日、3日になりますので、そこに集中するというのが1つの傾向です。動きとしては、後ろの休みが短くなったので、例えば関越道を通ってスキーに行かれる方は少なくなるのかなと。また、圏央道が東北道につながったことに加え、常磐道が全通したというのが去年と異なる点。常磐道がつながったことで東北道の渋滞は全体的に減るものの、圏央道が東北道までつながったことで、この付近の渋滞の増減は±ゼロになるのではないかと予測しています。つまり、東北道の渋滞は羽生付近は例年並み、那須付近ではそれほどでもなさそうというのがざっくりとした今年の特徴です。ピークは1月2日に来ます!

――ありがとうございました。

なお、ドライブ情報のポータルサイト「ドラぷら」では、渋滞予測はもちろん、リアルタイムの渋滞・規制情報から今後の規制予定をはじめ、ルート検索や高速料金、割引情報、サービスエリアやオススメのドライブコースなどの情報が満載。年末年始のお出掛けの際には、ブックマークをして、快適なドライブを楽しんでみてほしい。

歴代の渋滞予報士が集合。左から4代目 加藤寛道さん、3代目 石橋弘之さん、2代目 原山哲郎さん、初代 前島一幸さん

ちなみに、ドライブ情報のポータルサイト「ドラぷら」では本記事に合わせて、「渋滞予報士がゆく~!!」と題したコラムを公開中。渋滞の原因やその緩和策などについてもより詳しく紹介されているので、気になる人はチェックしてみては?

(マイナビニュース広告企画:提供 東日本高速道路株式会社)

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