【特別企画】

歴史とともに振り返るSamsung SSDの進化(後編) - V-NAND、そしてM.2 SSDの登場

1 3次元構造のNANDフラッシュ「V-NAND」登場

加賀章喜  [2015/11/27]
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日本サムスンは、2015年にSSDの新製品「NVMe SSD 950 PRO」を発売する。そこに至るまでの技術の進化と変遷を振り返りつつ、歴史をたどる本企画。前回は2012年のリテール市場への参入とそのインパクト、そしてTLCの採用により大きな波を起こした2013年についてみてきた。後編となる本稿では、2014年のV-NAND採用から、2015年現在までの状況までを追っていきたい。

振り返る2014年~7月:V-NANDを採用した「Samsung SSD 850 PRO」登場~

2014年7月、サムスンは「Samsung SSD 850 PRO」(以下、SSD 850 PRO)を発表した。2012年9月に発売された「Samsung SSD 840 PRO」(以下、SSD 840 PRO)の正式な後継となるモデルだ。約2年ぶりのハイエンド製品刷新となったSSD 850 PROで注目される点は、やはりパフォーマンス。「Samsung SSD 830」から脈々と受け継がれてきた処理能力がさらに磨きをかけられており、SATA3というインターフェースの限界を感じるほどの速度を実現したモデルとなる。

「Samsung SSD 850 PRO」

このSSD 850 PROの速度の秘密は、新たに「V-NAND」という3次元構造のNANDフラッシュが採用されたことにある。従来のNANDフラッシュメモリの構造はメモリセルを平面構造(2D)で面積あたりのセル数を増やすというのがメモリの大容量化の進化になっていた。だが、面積あたりのセルの数を増やすとエラーが起こりやすくなってしまう問題点が発生した。そこでメモリセルを平面構造(2D)から円筒型に変え、垂直方向に複数積み重ねる(3D)ことで、更なる高密度化を実現したのが3次元構造のNANDフラッシュである。この技術により、プロセスルールを微細化せずとも大容量を実現できる見通しが立つと共に、従来であれば必要だった作業が不要になったことで書き換え完了までのステップは大幅に少なくなり書き換え速度が約2倍にまで向上した。

さらに、この技術ではCTF方式のセルを採用しており、従来のNANDフラッシュメモリは面積あたりのセル数が増えるほど、ひとつのセルの大きさは小さくなり、セルの耐久性も低下するが、V-NANDは面積あたりのセル数は変えないため従来のNANDフラッシュメモリと比べて2倍以上の耐久性を実現しているそうだ。このことから書き込み速度、耐久性も大きく向上していることがわかる。またSSD 850 PROの保証期間は最大5年間からなんと10年間に伸びた。こういった耐久性、信頼性が従来製品に比べて向上していることも更なるユーザーの支持を得る結果につながった。

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振り返る2014年~12月: V-NAND搭載メインストリームモデル「Samsung SSD 850 EVO」~

SSD 850 PROに続き、「Samsung SSD 850」ファミリーのメインストリームモデルとして発売されたのが、「Samsung SSD 850 EVO」(以下、SSD 850 EVO)だ。こちらの製品もSSD 850 PRO同様にV-NANDを採用。つまりPROとEVOの違いは「Samsung SSD 840」ファミリー同様、基本的にメモリセルの記録方式となる。ハイエンド向けとなるSSD 850 PROは、1つのメモリセルに2bitのデータを記録する「MLC」(Multi Level Cell)、メインストリーム向けとなるSSD 850 EVOは、3bitのデータを記録する「TLC」(Triple Level Cell)が採用されている。

「Samsung SSD 850 EVO」

V-NANDを採用したことで、SSD 850 EVOも非常に高い性能を有していた。ベンチマークによってはSSD 850 PROを上回る場合もあった。このベンチマーク結果についてここでは詳しく記述しないが、気になる方はマイナビニュース別稿を参照してほしい。SSD 850 EVO はTLC方式を採用しながらも、V-NANDのおかげで寿命はさらに延びており、SSD 850 EVOの保証期間は最大3年間から5年間へと変更された。こうして、 SSD 850 EVOは瞬く間に一般向けSSDの定番製品となり、BCNの2014年年間ランキングでは、日本サムスンはSSDメーカー首位に立った。

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その後、このV-NAND技術を用いたSSDは容量を増加させ、2015年8月には「Samsung SSD 850」ファミリーに2TBモデルが追加される。さらにノートPCやNUCといったコンパクトPCにも取り付けられるよう、M.2/mSATAフォームファクタを採用した「Samsung SSD 850 EVO M.2」シリーズや「Samsung SSD 850 EVO mSATA」シリーズなどの発売も開始された。また高密度化によって小型・大容量化が実現されたポータブルSSD「Samsung Portable SSD T1」なども発売され、Samsung SSDの活用方法はより広がっていくことになる。

「Samsung SSD 850 EVO M.2」

「Samsung SSD 850 EVO mSATA」

「Samsung Portable SSD T1」

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インデックス

目次
(1) 3次元構造のNANDフラッシュ「V-NAND」登場
(2) SATAの制限を超えるNVMe M.2の「NVMe SSD 950 PRO」

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