株式会社アールワークス ネットワークインテグレーション部 部長 佐藤淳一氏

スピードと柔軟性が求められる昨今のシステム構築。その中で、好きな時に立ち上げることが可能で、かつ変更も容易なパブリッククラウドの存在感は非常に大きなものとなりつつある。

しかし、いかに構築や変更が容易であったとしても、運用に多くの人手と大変な手間が掛かってしまっては、せっかくのメリットも生かせないことになってしまう。

「これからのクラウドは、確実に”運用自動化”の方向へと進んでいくでしょう」と語るのは、株式会社アールワークスの佐藤 淳一氏である。同社は、15年以上にわたり24時間365日のフルマネージドのシステム運用サービスを提供し続けてきた企業だ。

今回、同氏に、クラウドにおいて運用自動化が必要とされる理由と、実際にどのようにして運用自動化を行うかについて解説いただく機会をいただいた。

システムは、「運用」に入ってからが本番

システムを導入する際、真っ先に検討項目として挙がるものは開発コストと期間という点だろう。だがシステムというものは、開発フェーズよりも運用フェーズの方がはるかに長い。つまり売上や利益を上げるためには、運用フェーズに入ってからの段階のことを検討することが、より重要となる。

基本的にシステムは24時間365日の稼働が求められる。この管理運営を人の手で行うと、一般的には8時間3交代制の人員が必要となる。開発フェーズの段階でどれだけクラウドのメリットを生かせていたとしても、運用フェーズでこれだけコストと手間が掛かってしまっては、あまり意味がない。運用フェーズに入ってからの期間の長さを考えると、むしろマイナスとも言えるだろう。 「だからこそ、自動化のシステムを組み入れ、運用コストの最適化を行うことが重要となるのです」(佐藤氏)

開発フェーズよりもはるかに長い運用フェーズで、いかにコストを抑えるかが重要

決まった手順の処理を自動化してエンジニアの負担を軽減

運用にて自動化される処理の例としては、次の2つの例がある。

1.運用で発生する決まった処理
2.障害発生時の手順に従った決まった処理

「システムの監視や障害からの復旧のように、決まった手順に沿った処理は、人よりもむしろシステムの方が得意な分野です。システムに24時間365日のフル稼働を求めるのであれば、むしろ自動化してシステムに任せた方が、安定性が増します。本来、エンジニアの仕事は考えることです。自動化によって負担が減り、生まれた時間を考えることに使う。そうすれば、会社全体の生産性も向上するはずです」(佐藤氏)

運用自動化の例(オートスケール)
アクセス応答速度が低下した場合、自動的にサーバーを追加する(スケールアウト)

運用自動化の例(障害対応)
監視によって障害が検知された場合、自動的に予備のサーバーを起動させる

GMOクラウドALTUSとの連携で運用自動化を啓蒙

アールワークス社では、オープンソースの監視ツールであるPandora FMS(*1)をベースに利用したシステムを用いて、前述した運用における処理の自動化が可能な監視サービス(Pandora FMS Enterprise SaaS)を提供している。また、このサービスはGMOクラウド株式会社が提供するパブリッククラウド「ALTUS(アルタス)」においても利用されている。

ALTUSと連携したサービスをはじめたのは、GMOクラウドに対して、ユーザーから運用自動化についての問い合わせが相次いだこと。また、GMOクラウドのインフラを利用した開発・運用などが可能となる新たなパートナー制度(*2)がスタートしたことなどからだ。

「ALTUSの場合、APIを用いることで、コンソールで操作できることは、ほぼ全て自動化することができます。実際、お客様にお伝えすると、ほとんどの人が”ここまで自動化できるのか”と驚かれます(笑)」(佐藤氏)

中には、この自動化の仕組を利用するためにシステムそのものをALTUSに移行してしまうという例もあったとのことだ。

「ALTUSの場合、物理サーバーはもちろん、他の仮想化基盤上で動作していたサーバーについても容易に移行が可能です。自動化の仕組をご利用いただく前提でVPSサービスからALTUSへのサーバー移行を弊社でお手伝いさせていただいたというような物理サーバー以外からの移行例もあります。 先にも説明しましたが、開発フェーズよりも運用フェーズの方がはるかに長いのですから、自動化の仕組のためにサーバーを移行するという選択肢も、検討に値するものだと考えています」(佐藤氏)

これから先、クラウドを活用するシーンは間違いなく増えていくことだろう。その際、開発段階から、監視・復旧、そして運用の自動化を考慮したシステム設計が必要となる。ALTUSとアールワークス社が提供する自動化の仕組の組みあわせは、その答えの一つとなるはずだ。

なお、アールワークスは「クラウド時代の正しいシステム運用」(編著:アールワークス、発行:インプレスビジネスメディア)も執筆しており、システム運用の本質論から具体的な監視ポイント、Pandora FMSを含むオープンソースを活用した運用の方法などが纏めてある。興味のある方は参考にしていただきたい。

アールワークス ネットワーク中村大氏と佐藤 淳一氏。佐藤氏の手元には、同社が運用ノウハウを纏め上げた書籍「クラウド時代の正しいシステム運用」

*1 Pandora FMS:全世界194ヶ国で使用されているオープンソース監視ツール。なお、アールワークス社が提供するサービス(Pandora FMS Enterprise SaaS)は、スペインArtica社が企業向けに開発した「Pandora FMS Enterprise」を同社が日本語化、ALTUS連携など独自の機能追加も行ってSaaSサービス化したものとなっている。

*2 GMOクラウドパートナー制度:2014年7月より開始された、GMOクラウドのホスティング・クラウドサービスを販売する「セールスパートナー」、GMOクラウドのインフラを使ってWebアプリやゲームなどの開発を行う「アプリケーションパートナー」、構築・保守・運用を行う「ソリューションパートナー」の3種からなる制度。詳細は以下URLにて。

GMOクラウドパートナー制度

http://partner.gmocloud.com

(マイナビニュース広告企画 : 提供 GMOクラウド株式会社)

[PR]提供: