マウスコンピューターのディスプレイブランド"iiyama"から、27型ノングレア液晶ディスプレイ「ProLite 2783QSU」が登場した。WQHD(2560×1440ドット)という高解像度パネルにAMD FreeSyncテクノロジーを搭載した本機は、ゲーミング用途や、ビジネス用途など幅広いシーンで活用することができそうだ。今回は、FreeSyncをはじめとした本機の魅力について紹介していくことにしよう。

iiyamaブランドの27型WQHD(2560×1440ドット)ワイド液晶ディスプレイ「ProLite B2783QSU」

2560×1440ドット(WQHD)の高精細パネルを搭載

「ProLite B2783QSU」は、現在主流となっている21~24型よりもちょっと大きめの27型を採用した、TN方式のワイド液晶ディスプレイ。パネルサイズが大きくなった分、解像度も定番である1920×1080ドットよりも高精細な2560×1440ドットを採用。デスクトップ領域が拡大することで、日常の作業をより快適に行うことが可能だ。

2560×1440ドットは解像度で表すと約368万画素。約207万画素となる1920×1080ドット(フルHD)のデスクトップ領域と比べると、その広さがよくわかる。現在はより高解像度な3840×2160ドット(4K)、約829万画素のディスプレイも発売されているが、27型ディスプレイでDPIスケーリングなしで表示させると文字やウィンドウのサイズが小さくなりすぎてしまい実用性に欠けるため、2560×1440ドット(WQHD)はちょうど良いサイズといえるだろう。

解像度別にデスクトップ画面にMicrosoft Edgeを開いた様子。左が1920×1080ドット(フルHD)、右が2560×1440ドット(WQHD)

あの目障りなティアリングをカクつきなく消せる!? AMD FreeSyncに対応

本機の大きな魅力が、AMDの「FreeSync」に対応していることだろう。これはGPUとディスプレイのリフレッシュレートを同期することで、画面のちらつきや、映像が引き裂かれたように表示される"ティアリング"を防止することができるテクノロジーだ。

映像が引き裂かれたように表示される"ティアリング"

これまで使われていたちらつきやティアリング防止技術は「V-SYNC」と呼ばれるもので、ディスプレイ側のリフレッシュレートにGPUがタイミングを合わせるという形で行われていた。これにより、フレームレートがディスプレイのリフレッシュレートに達している場合はちらつきやティアリングを解消できたが、GPUの処理能力が足りず、ディスプレイのリフレッシュレートに満たない場合、今度は画面がカクつくという症状が残ってしまう。これを改善するため、FreeSyncは、逆にGPUのフレームレートに対してディスプレイのリフレッシュレートを制御する仕組みだ。FreeSyncについて詳しく知りたい方は、過去の記事を参照してほしい。

あえてTN方式を採用し、応答速度の速さを追求

「ProLite B2783QSU」が、液晶パネルにTN方式を採用しているのは、このFreeSyncをより有効に活用するためといっていいだろう。パネルの特性上、色の再現性や視野角ではIPS方式などに比べ見劣りしてしまうのは確かだが、TN方式には応答速度の速さという変えがたい利点がある。本機はさらに3段階のオーバードライブ回路を搭載することで応答速度1ms(GtoG)を実現した。

オーバードライブ回路をONにすることで、応答速度1ms(GtoG)を実現することができる。ゲームや動画再生時には、残像感が少ないクオリティの高い表示が行える

またACR(Advanced Contrast Ratio)機能でパネルスペック値1000:1のコントラスト比を12,000,000:1にまで改善しており、メリハリのある映像表示が可能となっている。リフレッシュレートは70Hzと2560×1440ドットとしては高めの書き換え頻度を誇っており、特にゲームや動画再生において滑らかな描画でユーザーを楽しませてくれるだろう。

左から、正面、上向き、横振り時のディスプレイの色調変化。TN方式を採用しているため、視野角はあまり広くなく、見え方が変化する