「クリエイターならMac」というのは、昔からある定説だ。真偽はともかくとして、実際のところMacを愛用するクリエイターは多い。最近はWindowsの制作環境もだいぶ整ってきてはいるが、さまざまな理由(個人的なものであれ、社内外的なものであれ)から、制作現場ではMacが使われ続けている。

クリエイティブな作業でMacを使うことにこだわる人は多いが、液晶ディスプレイについてはどうだろうか。実際のところ解像度やIPSパネルであることに注目することはあっても、映像の見やすさや目の疲れにくさ、用途に応じた運用方法にまで気を配ることは少ないだろう。液晶ディスプレイはユーザーがもっとも長時間利用するデバイスであり、本来ならもっとも気を使うべきものだ。特に色や形状にこだわるクリエイティブな職業の人こそ、多面的に液晶ディスプレイを選ぶ必要がある。そこでおすすめしたいのが、ベンキューの23.8型液晶ディスプレイ「BL2420PT」だ。

2,560×1,440ドットのWQHD表示に対応する23.8型液晶ディスプレイ「BL2420PT」

解像度は2,560×1,440ドットのWQHD表示が可能で、液晶にはIPSパネル( ベンキューでは「AHVAパネル」と呼称している)を採用。sRGBカバー率は100%と色域が広く、色の表示に関しては問題ない。さらに眼精疲労を軽減する「フリッカーフリー」や「ブルーライト軽減モード」に対応しているため、ディスプレイを長時間見続けることが多い業務にも適している。また映像編集やCAD/CAM向けなどの画質モードが用意されるなど、さまざまな用途で活用できる。まさにクリエイター向けの液晶ディスプレイなのだ。

今回はこの「BL2420PT」を実際にMacで利用した感想をお届けしよう。プロ・アマ問わず、制作活動向けの液晶ディスプレイを探している人はぜひ参考にしていただきたい。

視野角が広く色鮮やか!

まずは「BL2420PT」を映像面から見ていこう。液晶パネルはIPS(AHVA)方式で発色は非常に鮮やかだ。sRGBカバー率は100%と色域が広く、一般的な液晶ディスプレイに比べて高い色再現性を実現している。液晶表面は光沢を押さえるノングレア加工が施されているため、光の映り込みがほとんど感じられない。光沢のあるグレアパネルでは光の映り込みで目が疲れることもあるが、非光沢の「BL2420PT」なら目が疲れにくく長時間の作業にも向いている。

2,560×1,440ドットのIPS(AHVA)パネルを採用。高精細で発色に優れるとともに、非光沢のノングレア仕様であるため目が疲れにくというメリットがある

実際の映像を見て驚いたのが、視野角の広さだ。一般的な液晶ディスプレイのなかには、極端に斜めから見るとコントラストがガクッと落ちるものもある。だが「BL2420PT」は視野角が非常に広く、横方向から眺めてもコントラストが高いままで色がほとんど変わらないのだ。カタログ上では左右の視野角は178度とされているが、体感的にはほぼ真横でもちゃんと見えると言っていいかもしれない。

液晶ディスプレイを横方向から眺めても、色調がほとんど変わらない