博報堂アイ・スタジオが開発した人が触れることで野菜がしゃべるという店頭プロモーションツール「トーカブル・ベジタブル」。社会課題のひとつとして“食”への関心が高まる昨今、生産者の“生の声”を使うことで、安全性などの情報を新たな形で発信できるというこのツールを体験できるイベントが、8月30日に「青山ファーマーズマーケット」にて開催された。

イベントは都市型市場「青山ファーマーズマーケット」で開催

約500人が野菜との楽しいコミュニケーションを体験

本イベントは、しゃべる野菜「トーカブル・ベジタブル」を使い、野菜の魅力・野菜を作った生産者の想いを伝えることを目的とし開催されたもの。「青山ファーマーズマーケット」に訪れた親子連れや買い物途中の人など、約500人が「トーカブル・ベジタブル」を体験した。

また、本イベントでは、食と農業、暮らしと環境をまるごと考えるという新たな考え方「ホールフード」を提唱するタカコナカムラ氏が監修したオリジナルレシピとフードも無料で提供。用意されていた300食が配布完了し、「トーカブル・ベジタブル」とともに、野菜や“食”の魅力を伝えた。

しゃべる野菜に子供は興味津々

イベントで無料提供されたオリジナルフード

本イベントについて、「食」の問題に詳しい農業ビジネスアドバイザー・岩崎吉隆氏は「低い食料自給率や農家の高齢化などにより、衰退産業の代表格と見られる日本の農業ですが、本来はこの狭い国土で、高品質な農産物を作れる技術は、世界からも高く評価されています。そんな日本の農業従事者たちの想い、誇りを、身近にそして楽しく伝えてくれるトーカブル・ベジタブルは画期的なツールだと考えます」とコメント。

さらに、ツールの今後については「これが日本中の野菜売り場に展開されれば、生産者の個性や農の魅力が直接最終消費者に伝わり、共感が生まれ、私たちが提唱する“農あるライフスタイル”の実現に一歩近づくと考えます」と語った。

ほか、イベントで使用された野菜を提供したコラボ農家のバグラスファーマーズ代表・吉岡和彦氏は、今回の試みに関して「“生活者の皆様に生産者の想いを伝えたい”という博報堂アイ・スタジオの目的意識に賛同し、今回の試みに協力させていただきました。デジタルテクノロジーの最先端にいる博報堂アイ・スタジオの皆様が、私たち農家が持つ課題に注目していただいていることも、非常に嬉しいことでした 」と話す。

続いて、「トーカブル・ベジタブルは、子どもたちが楽しく野菜の声を聴いている姿が印象的でした。我々農業従事者は子どもたちの未来のことを想って日々頑張っているので、楽しみながら野菜に親しんでもらえたこと、生産者の想いに耳を傾けてもらえたことに、大きな意義を感じています」と述べた。

なぜ野菜をしゃべらせたのか? 開発者が語る企画意図と今後の展望

画期的なプロモーションツールと呼べる「トーカブル・ベジタブル」はなぜ生まれたのか。開発者の公文悠人氏にお話を伺った。

博報堂アイ・スタジオの公文悠人氏

――「トーカブル・ベジタブル」を開発するに至ったきっかけを教えてください

きっかけは、生産者の声を紙媒体ではなく、もっとダイレクトに伝えられるようにしたいと思ったからです。紙のような文字ベースのものだと、誰がどのような想いで作ったのかといった、“生産者の声”が伝わりづらいと思うんです。そこで、もっと直感的に伝えられる手段として“生産者の声”に着目し、触っただけで音声が流れ、生産者の想いを伝えられる「トーカブル・ベジタブル」というプロモーションツールを博報堂のスダラボと共同開発しました。このツールを使ったプロモーションを、2014年の9月から2015年2月に、札幌市の生産食材店「HUGマート」にて実際に行いました。この結果、売上を250%増できたことに加え、普段野菜コーナーに目を止めないような子供さんが楽しんでいる姿を見られたという成果が得られました。

――WEBサイトの企画制作やシステム開発を行う博報堂アイ・スタジオさんが、紙やWEBでの間接的なプロモーションではなく、“声”で伝えるという、直接的な形のプロモーションツールを開発されたことに驚きました。なぜこのツールを農業系の分野で活用しようという発想に至ったのですか?

私たちは、テクノロジーの力でクライアント企業の課題や社会の課題に対してイノベーションをおこして新しい価値を提供しているのですが、「新しいコミュニケーションが必要とされているところは?」と考えた時に、生産者の生の声を届けるということでパッと思いついたのが“食”の課題であり、「野菜」だったからです。東日本大震災の東北の風評被害を含め“食”に関する情報に、消費者の方が敏感になっていると感じました。その問題をデジタルコミュニケーションで解決できないかというのが、農業系の分野で活用しようと思ったきっかけになりました。

――食の不安を払拭させたいという思いから「トーカブル・ベジタブル」を開発したということですね。このツールの仕組みを教えてください

簡単にいいますと、スマートフォンのタッチパネルと同じ技術です。「トーカブル・ベジタブル」の場合は、野菜に人が触れることによって、電気的な変化を検知するセンサー部分が人の微弱な電流を感知し、音声を発するという仕組みになっています。そのため、この仕組みは野菜でなくとも、電流を通すものなら応用することができるんです。例えば缶などでも応用可能ですよ。

――野菜以外にも応用することができるんですね!! では、最後にこの技術をこれからどう展開していきたいのかを教えていただいてもよろしいでしょうか?

今後はさらに汎用性があるものに仕上げて、野菜以外のものにも展開し、スーパーなど生活者の身近なところで普段から見かけるツールにしていきたいです。技術的な面でいえばもっと“対話”ができるような仕組みに改良していきたいですね。自然に頭に入ってくるようなコミュニケーションが取れるツールにしていきたいです。

また、食に限らず社会の課題に対して当社のテクノロジー力でイノベーションを起し、新たな価値を創出していきたいと考えています。

(マイナビニュース広告企画 提供:博報堂アイ・スタジオ)

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