転職は次のステップへと歩を進めるキャリアアップの重要な転機。新しい職場への希望と期待に胸が膨らむ一方で幾ばくかの不安も抱え、必然的に自分の人生の「今まで」と「これから」を考える時期でもあるだろう。そんな時、新しい職場に通いだす前にできた時間を利用して、いっそのこと思い切って日本を飛び出し、異国の地でそこに生きる人々に交じり、彼らの息吹を肌で感じてみる、というのも一考だ。ありきたりな観光では得られない貴重な体験に遭遇できるかもしれない。社会人になるとこのような機会でもない限り、まとまった時間を確保するのは至難の業だ。

欧米諸国その他の国では感じられない体験を東南アジアで

時間ができたらおススメしたいのが、東南アジア。急激な発展を遂げている東南アジアの国々が持つエネルギーが刺激となり、これからの日本、そして世界の変容やその中で生きる自分の在り方について考えさせられることだろう。

多くの車が行き交う大通り

東南アジア諸国連合ASEANは加盟10カ国の総人口が6億人を超え、中国に続き成長が期待される地域として注目を集める。今年4月にIMFから発表された2015年の予測GDPは約2兆5千億USドル。すでに日本のGDPの60%に達し、その差は年々縮まりつつある。

街を行き交う生活者たち

海外のブランドショップが軒を連ねるモダンな街並み

そんな経済成長目覚ましい東南アジア諸国では、海外から多くの企業が進出するに伴って都市の近代化が進み、高層ビルや大型商業施設が建ち並ぶようになった。一方、居住エリアに目を移すと、食べ物や生活雑貨を売る屋台の間を行き交う人々や路地を駆け抜ける子供たちの姿など、日本の高度成長期さながらのどこか懐かしい風景が存在している。

ワット・ポーの涅槃仏は、長さ46m×高さ15mと巨大

ここで代表的な国をいくつか見てみよう。経済的、地理的にも東南アジア諸国の中心的役割を担うのが、タイ王国。インドシナ半島の中央に位置し、交通の要衝となっていることから人や物が集まり、その成長のスピードは目を見張るものがある。寺院や宮殿、史跡などの歴史的建造物から自然豊かなビーチリゾート、屋台のB級グルメから優雅な雰囲気のレストランで味わう宮廷タイ料理、むせ返るような熱気のナイトライフなど、豊富な観光資源に加え、“微笑の国”と呼ばれる親しみやすい国民性で知られ、観光客からの人気も高い。

川沿いに点在する寺院や宮殿

ショッピングセンターやオフィスビルの間を走る高架鉄道

バンコクを歩くと中心部には大規模なショッピングセンターやオフィスビルが建ち並び、高架鉄道がモダンな街並みを演出している。また、大都会の喧騒を感じながらタイ式マッサージやスパに足を運べば、気軽にそして安価に日常と旅の疲れを癒してくれる。夜になると色とりどりの電飾が街に輝き、陽気なタイ人や世界各国からの旅行者たちの、思い思いの夜の始まりだ。。この街が放つエネルギーは、かつての日本も確かに持っていただろう人々の熱気とパワーを連想させる。


リバーフロントのナイトマーケット「アジアティーク」。観光客向けなので簡単に買い物ができる

バンコクのマーケットも必見のスポットだ。市内に点在するマーケットは、観光客をメインにしている場所もあるが、基本的にはバンコク市民が生活必需品を購入する場所であり、運が良ければ掘り出し物のアジアン雑貨やアンティークなアイテムなどがゲットできる。もちろん、観光客とみるや定価の倍額ほどの値段を提示してくることもあるので、値段交渉は覚悟しなければならない。