小宮山雄飛氏といえば、音楽グループ「ホフディラン」のヴォーカル・キーボードとして知られる。と同時に、知る人ぞ知る大のEXILIM(エクシリム)ファン。10台以上の歴代機種を現在も保有しており、その1台1台に格別の思い入れがあるという。今回は、そんな小宮山氏を直撃。EXILIMへの思いと写真を撮ることの魅力について、お話を伺った。改めて述べると、EXILIMとはカシオ計算機のデジタルカメラだ。

「ホフディラン」のヴォーカル・キーボード、小宮山雄飛氏

EXILIMで「新しい文化が始まった」

「散歩でも、仕事のツアーでも、カメラは常に持ち歩きます」と語る小宮山氏。どんなもの(被写体)を撮るんですか? という質問に「名所とか名物とか、そういうのじゃない『何でもないもの』。目に入って気になったものを撮るんです」(小宮山氏)。写真を撮り始めたのは、まだフィルムカメラが全盛だった頃。

小宮山氏「旅が好きで、それでカメラを触り始めたんです。コンパクトカメラで気軽にパシャパシャと」

そんなある日、カシオから発売されたばかりのデジタルカメラ、「EXILIM EX-M2」と出会う。EX-M2は、2002年発売。名刺ケースサイズの超薄型コンパクトで鮮烈なデビューを飾った「EX-S1」の後継機だった「EX-S2」のバリエーション機で、MP3録再機能が付いていた。ちなみに、この超薄型のコンセプトが「EXILIM」(EX-SLIM/超スリム)のブランドネームの由来となっている。

小宮山氏「この登場は衝撃的でしたね。胸ポケットから取り出して、撮りたいものをサクサク撮れる。で、要らないと思ったらすぐに消せる。これは新しい文化が始まったと思いました。それがまた、自分の撮影スタイルにピッタリだったんです。MP3の録音機能も、ふと思いついたフレーズを録音するのに使ったりしましたね。EXILIMが自分のライフスタイルにすごくフィットしたんです」

【左】EX-M2の見た目は、EX-S2とほぼ同じ。だが、MP3録再機能付きなので、正面にマイクが設置されている。【右】「名所でも名物でも何でもないものをパシャパシャ撮るのが好きなんです」(小宮山氏)。「EX-M2」(S1、S2シリーズ)には、なんと光学ファインダーがあった。カメラとしての心意気を感じさせる