すぐにお金をおろしたい、振り込みをしなければいけない……そんな不意の状況で活躍するコンビニATM。実はさまざまな工夫が盛り込まれていることはご存知だろうか? 操作性や画面の見やすさはもちろん、利用者への気遣いまで、そのアイデアはさまざまだ。今回は、コンビニATMの中でもセブン銀行ATMの秘密を紹介しよう。

「もっと見やすい画面が欲しい!」だれもが使えるデザインの工夫

みなさんはATMの画面をまじまじと比較したことはあるだろうか。日常的に利用していても、ATMのデザインなんてそれほど意識していない方が多いのではないかと思う。そんななにげなく使っているATM画面だが、セブン銀行は画面のデザインによって利用時間や間違いの回数が大きく変わることを突き止めた。その結果行われたのが、画面デザインのリニューアルだ。

セブン銀行は一般的な銀行と異なりATMサービスを主とする銀行だ。ATMが銀行の顔となるため、デザインは最重要項目として常に研究が繰り返されている

新しい取引画面での課題は、「"次へ"ボタンがすぐに見つからない」「金額が見づらい」「いまどんな取引をしているのかわからない」などの従来のATM画面から受ける不満点の解消だ。金額表示の仕方やボタンの位置、現在の取引内容の表示の仕方などに工夫を施し、幾度ものATMモニター評価を繰り返した結果、現在のデザインへと大幅に変更された。

分かりやすさの違いは比べるとすぐにわかる。フォントの大きさや表示位置、表示方法や情報の選別など、変更項目は多岐に情報の選別など、変更項目は多岐にわたっている

「ATMで出てくる明細がわかりにくい!」~一行一項目の明細票

ATM本体の画面デザインだけでなく、明細票にもデザイン変更の手は及んだ。特徴は並び順を変更し、“取引内容”や“金額”を一番上に表示していること、一行には一つの項目の情報だけを表示していることだ。言われてみれば、たしかにATMを使ったときに一番知りたいのは金額や残高。もちろん、電子マネーnanacoや海外発行カードの取引などでもこの方針は同様。動画で比較すると「確かにわかりやすい!」と頷いてしまうのがこの新明細票だ。

一般的な出金明細票といえば機械的に数字が並んだ左のイメージだが、現在のセブン銀行ATMの明細票は右のようになっている。