日本サムスン(以下、サムスン)が販売する「Samsung Portable SSD T1」は、コンパクトで高速、気軽に持ち歩けるポータブルSSD。いわゆる、SSDを採用した外付けストレージだ。

コンパクトで大容量、高速なポータブルSSD「Samsung Portable SSD T1」

外付けディスクというと、一般的なのはHDDを使用したもの。SSDを使ったPortable SSD T1は、高速転送、耐久性などに加え、名刺よりも小さい本体サイズを実現するなど、様々なメリットを備えている。そんなPortable SSD T1を単なるデータ保存だけに使うのはもったいない。ということで今回、同製品の特徴を活かした使い方を紹介したい。

MacBook ProにPortable SSD T1接続して何をする!?

まずはSSDについておさらいしたい。SSD(Solid State Drive)は、フラッシュメモリにデータを記録するストレージである。物理的にディスクが回転し、磁気ヘッドが書き込みを行うHDDとは異なり可動部品がない。そのため、故障に強く、駆動音もしない。外部からの衝撃にも強い*1。さらに、本体の小型化も可能だ。なんといっても最大の特徴は「スピード」だ。SSDは、フラッシュメモリを記録メディアに使う関係上、回転するディスクに記録するHDDと比較し、データ読み書きのスピードが速い*2。ちなみにPortable SSD T1では、このスピードを最大限に活かすためにPCとの接続に、規格上の最大転送速度が5Gbps(500MB/秒)に達するUSB3.0を採用している。対衝撃性能や小型なボディ、高速転送―― これらの性能を備えたSamsung Portable SSD T1は、ポータブルドライブでの利用に最適なのだ。

*1 衝撃:1500g/0.5ms 振動:20G
*2 最大450MB/s(シーケンシャル読み出し、書き込み)

ということで、Portable SSD T1の特徴を十二分に活かすべく、Portable SSD T1にWindowsをインストールし、Mac上で仮想マシンとして駆動させてみた。普段はMacだけしか使わないが、たまにWindowsが必要だという人にお勧めしたい使い方だ。

今回使用した機材は、Portable SSD T1とMacBook Pro Retinaディスプレイ 15インチモデル(Mid 2014)。仮想環境には定番の仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop 10 for Mac」を利用している。

Parallelsのインストール画面。新規仮想マシンの作成画面から用意していたOSをインストールする

事前設定は簡単。Portable SSD T1をMacBook Proに接続したまま、Parallelsをインストール。その後、インストールしたいWindows OS(今回はWindows 8.1)を用意し、インストール作業を行うだけ。途中、保存領域を選択する場面で、接続しておいたPortable SSD T1を選択すればいい。一点挙げるとすれば、インストール中に(もちろん利用中も)Portable SSD T1を取り外したりしないことだけ注意してほしい。

インストール先をPortable SSD T1(画面では「Samsung_T1」)に設定する

インストール前に「作業中にSamsung Portable SSD T1を取り外しをしてしまわないよう」との警告メッセージが出る。これ以外は、通常のWindowsのインストール作業と同じ

インストールが終わったら、そのままWindowsを利用できる。不要なときは、Windowsをシャットダウンして、通常の手順でPortable SSD T1を取り外せばいい。必要になったらまたPortable SSD T1を接続し、Windowsを起動すればいい。

無事にインストールされたWindows 8.1

今回試した使い方であれば、複数のMacにParallelsをインストールしておき、仮想マシン作成時にPortable SSD T1上のWindowsを指定しておけば、同じ環境を複数のMacで利用できる。これは大きなメリットと言えるだろう。

ここで、無事Windowsが使えるようになったわけだが、気になるのは使い勝手だ。もともと、仮想マシンを快適に使うには、けっこうなマシンパワーを必要とする。しかも、今回は内蔵ディスクではなく、外付けディスクにインストールしているので、その辺りがどの程度仮想マシンのパフォーマンスに影響するのだろうか。結果は、次項で紹介したい。