2月17日、"Broadwell"こと第5世代Intel Coreプロセッサを搭載した GIGABYTEの小型PCベアボーン「BRIX」の新モデルが発表された。ラインナップは、Core i7-5500Uを搭載した「GB-BXi7-5500」、Core i5-5200Uの「GB-BXi5-5200」、Core i3-5010Uの「GB-BXi3-5010」の3製品。いずれの製品もパスケースを少々大きくした程度という極小サイズを実現しており、PCとは思えないその大きさを活かせば、いままでにない用途に利用できるだろう。

今回、最上位モデルである「GB-BXi7-5500」をお借りすることができた。小型PCベアボーン「BRIX」は、どのような用途に利用するのが良いのだろうか。「GB-BXi7-5500」を組み立てながら考えていこう。

"Broadwell"Intel Core i7-5500Uを搭載した小型PCベアボーン「BRIX」の最新モデル「GB-BXi7-5500」

メモリ、ストレージ、OSを組み込めばすぐに利用できる「BRIX」

「BRIX」は、小型のケースにCPUとマザーボード、無線LANカードが内蔵されたPCベアボーンキットだ。キットに内蔵されていないパーツはメモリとストレージになり、これらを追加してOSをインストールすることで1台のPCとして完成する。今回試用する「GB-BXi7-5500」で利用できるメモリは、DDR3L SO-DIMM×2枚(最大16GB)。ただし動作電圧1.35Vに対応した製品でなくてはならないため、購入の際は対応メモリリストをよく確認しておきたい。またストレージ用の拡張スロットはmSATA×1基。2.5インチSSDやHDDを流用できないため、こちらも新たに調達することになる可能性が高いだろう。というわけで今回用意したものは「GB-BXi7-5500」のパッケージ、CFD ElixirのDDR3L-12800 CL11 4GB×2枚、CrucialのM550 256GB mSATA SSDの3製品となる。

今回用意した3製品。左からGIGABYTEの「GB-BXi7-5500」、Crucialの「M550 256GB mSATA SSD」、CFD Elixirの「DDR3L-12800 CL11 4GB×2」となる

まずは本体のディテールを確認しよう。本体サイズは33.9×107.6×114.4mmと、平置きした際の設置面積はCDケースよりもずっと小さい。幅はほぼ名刺入れやパスケースなどと同じくらいで、手のひらにすっぽりと収まってしまう。ケース天板は光沢のある黒い樹脂姓のカバーが取り付けられており、銀色の電源ボタンのほか、NFCリーダーが取り付けられている(ドライバをインストールすればWindows上からNFCデバイスとして認識される)。ケース底面や四方はスチール製で、左右には排熱用のスリットが設けられている。当然インターフェースに利用できるスペースも多くないが、それでもフロントにはヘッドフォン/マイク兼用端子とUSB3.0×2を、リアにはUSB3.0×2、ギガビットLAN端子、mini DisplayPort、HDMI、ケンジントンポート、そして電源プラグを搭載しており、不足を感じない。

光沢のある黒いプラスチック製のカバーが取り付けられた天面。中央にはNFCリーダーが内蔵されている

天面以外はスチール製となっており、底面も同様だ。左右側面には排熱用のスリットも確認できる

本体前面にはUSB3.0×2と、ヘッドフォン/マイク共有端子を備えている

本体背面はUSB3.0×2、ギガビットLAN、mini DisplayPort、HDMI、ケンジントンポート、電源プラグという構成だ

メモリやストレージを搭載するためには、一度ケースを開ける必要がある。裏ぶたは底面4隅のゴム足の中からネジで止められているため、こちらの4本を外し、底面に設けられた丸い持ち手を掴んで裏ぶたを外そう。内部に確認できるのはメモリスロット×2と、mSATAスロット×1、m.2スロットに取り付けられた無線LANカードだ。またCPUはマザーボード裏面に実装されており、ケース背面へ向けて排熱用のファンが取り付けられていることがわかる。

底面4隅にあるゴム足のネジを外すと、内部にアクセスできる。裏蓋を取り外すときは丸い持ち手を利用しよう

裏ぶたを開けた本体内部の様子。メモリスロットやmSATAスロット、M.2スロットの他にもいくつかの端子が確認できる

マザーボード背面の様子。CPUとチップセットを冷却するためのファンが取り付けられており、熱は本体背面に排気される

搭載されたCPU、Intel Core i7-5500Uのコア

メモリは、端子をスロットに斜めから挿し込んで下方向に降ろすと、金属製のノッチによって固定される方式。mSATAスロットは、固定用のネジを一度外し、mSATA SSDをスロットに挿してから再度ネジ止めすることで設置できる。無線LANカードはインテル製の「3160NGW」となり、IEEE802.11ac(デュアルバンド)およびBlueTooth4.0に対応、最大433Mbpsで通信可能だ。

CFD Elixirの「DDR3L-12800 CL11 4GB×2」(左)。スロットに斜めから挿し込み、下方向に倒すと、金属製のノッチにより固定される(右)

Crucialの「M550 256GB mSATA SSD」(左)。初めに固定用金具のネジを外し、スロットにSSDを斜めから挿し込んで方向に倒したのち、SSDを挟み込むように外したネジを取り付ける(右)

m.2スロットに取り付けられた無線LANカードはインテル製の「3160NGW」。IEEE802.11acとBlueTooth4.0に対応し、通信速度は最大433Mbps

メモリとストレージを組み込み、裏ぶたを再び閉めたらひとまず完成となる。ACアダプタを繋ぎ、OSをインストールしてドライバーを入れるだけですぐにでも利用可能だ。今回はWindows8.1を実際にインストールした。

メモリとストレージ両方を組み込んだところ。通常利用であれば、あとは裏ぶたを閉じれば完成だ

電源アダプタは19V/3.42A、65Wという仕様になっている。そこらのノートPCよりもはるかに低い消費電力で動作する

付属するドライバーディスクと、VESAマウントに本体を取り付けるための金具。この金具を利用し、液晶ディスプレイの裏に設置も可能