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3次元構造のフラッシュメモリ、サムスンの「3D V-NAND」ってどんな技術? - VICTOくんが解説

 

日本サムスン(以下、サムスン)が販売する最新SSD「850 PRO」「850 EVO」「ポータブルSSD T1」。これらの製品には、コンシューマ向けSSDとしては初となる3次元構造のNANDフラッシュメモリ「3D V-NAND」が採用されています。この3D V-NANDは従来のNANDと比べて、どういった違いやメリットがあるのでしょうか? 「VICTOくん」が、わかりやすく解説をします。

VICTOくん

今回、「3D V-NAND」を紹介してくれるのは、サムスンのオフィシャルキャラクター「VICTO」のイラスト版 VICTOくん。


イメージビデオはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=hYxwHkLNNY8&feature=youtu.be

そもそもNANDって何?

3D V-NANDの紹介の前に、まずはNANDフラッシュメモリについて簡単にまとめましょう。

そもそもNANDフラッシュメモリってなに?

VICTOくん : NANDフラッシュメモリはSSDのデータ記録に使われている部品。「セル」と呼ばれる部分にデータを保存します。つまり、このセルがSSD大容量化のカギを握っています。

「セル」はどうすれば、大容量化ができるの?

VICTOくん :これまで、面積あたりのセル数を増やすというのが、NANDフラッシュメモリの進化になっていました。初期のNANDフラッシュメモリと比べて最新のものは、同じ面積に配置するセルの数が格段に増えているのです。セルの数が増えれば記憶できる容量も増え、そのまま大容量化につながるのです。

じゃあ、どんどんセルを増やせばいいんだね!

VICTOくん :残念ながら、そううまくはいきません。面積あたりのセルの数を増やすと、当然セルとセルの間隔も狭くなります。すると、隣接するセル同士で電気的な干渉が発生しやすくなり、エラーが起こりやすくなってしまうのです。みなさんが保存したり読み出したりするデータが、突然壊れてしまったら困りますよね?

ああ、それはすごく困るかも……

VICTOくん :そうなんです。エラーが起こることで、信頼性が落ちてしまう上、性能も大きく低下してしまうのです。平面上にセル数を増やす従来の方法では、NANDフラッシュメモリの大容量化はほぼ限界に達しているというのが、業界でほぼ一致した見解となっています。

じゃあ、もうこれ以上の大容量化は期待できないの?

VICTOくん : 安心してください。NANDフラッシュメモリの大容量化の有力な解決策として登場したのが「3次元NAND」というものです。NANDフラッシュメモリを製造する各メーカーが実現に向けて研究を進めていますが、業界に先駆けて量産を開始したのがサムスンの「3D V-NAND」なのです。

3D V-NANDはどこがすごいの??

NANDフラッシュメモリについて簡単に説明したところで、ここからは3D V-NANDの特徴について、解説していきましょう。

3D V-NANDってどういう技術なの?

VICTOくん : 3D V-NANDは、2次元(平面)にセルを配置する従来のNANDと違い、垂直方向にもセルを積み重ねた構造を持ちます。垂直方向にセルを重ねることによって、セル同士の間隔を広く取れるようになり、干渉を回避しながら大容量化することができるのです。

それだったらサムスンだけじゃなく、他のメーカーも簡単に製品化できるんじゃないの?

VICTOくん : 実はそれが難しいんです。巨額の投資と長期間の研究で、「材料」「構造」「集積」この3つを革新させたサムスンだからこそ、3D V-NANDを誕生させることができたんです。

もうちょっと詳しく……

VICTOくん : まず材料の革新ですが、大容量化のカギになる「セル」について。垂直にするには、その素材自体を変える必要があります。サムスンでは、従来のセル構造「浮遊ゲート」に換わる新たなセルとして開発した「CTF(Charge Trap Flash)」という、SiN(窒化シリコン)素材を採用した技術を採用しています。

難しい言葉ばかりでよく分からないけれど、とにかく素材を変えるには技術自体も変えなければならなかったということだね。

VICTOくん : そのとおりです。続いて構造の革新。3D V-NANDでは、「チャネルホール」と呼ばれる柱を用意し、その柱にドーナツ形のセルを積み重ねていく、という構造になっています。2013年に量産が開始された第1世代の3D V-NANDでは24層、2014年9月に発売されたSamsung SSD 850 PROで採用されている第2世代の3D V-NANDでは32層と、セルを積み重ねる数が増えており、常に技術革新しているのです。

32層も?? すごい! どういう技術でそれを実現しているの?

VICTOくん : この3次元にセルを積み重ねる製造技術が、3つめの革新となるのです。3D V-NANDでは、シリコンウエハーと呼ばれる材料に対して、何度も特殊な光をあて、それを繰り返すことでセルを積み上げているのです。他社に先駆けて3D V-NANDの量産化に成功しているのも、進んだ製造技術をサムスンが有しているからなのです。

3D V-NANDで、なにが実現できるのか

ここまでは、技術的な解説をしてきましたが、ここからはユーザーの皆さんにとってのメリットをご紹介しましょう。

3D V-NANDで何が変わるの?

VICTOくん :最も大きなメリットは大容量SSDの登場です。現在、2017年頃を目途に100層にまで積層を高めるように計画が進行していますが、これにより、SSDの大容量化が今後一気に進み、HDDを圧倒的に上回る容量のSSDも作れることになるのです。

へえ、SSDはなんとなく「容量が足りない」というイメージがあるけど、3D V-NANDを使えば、2TBや4TBのSSDというのも、夢じゃないんだね。

VICTOくん : そのとおりです。容量だけじゃなく、速度でもメリットがあるのです。3D V-NANDは面積あたりのセル数に余裕を持たせて設計されるので、セル間の干渉がほとんど発生しません。従来のNANDフラッシュメモリで必要となる「エラーを訂正するプロセス」などの作業が不要。書き換え完了までのステップは大幅に少なくなり、従来のNANDフラッシュメモリを搭載したSSDに比べ、書き換え速度が約2倍にまで向上するのです。

2倍! それはすごい! でもそれで本当にデータは安全に保存されるの?

VICTOくん :3D V-NANDで耐久性も大きく向上しています。先述したように、3D V-NANDではCTF方式のセルを採用していますが、これは従来の浮遊ゲート方式のセルと比べて2~10倍の耐久性があるのです。また、NANDフラッシュメモリは面積あたりのセル数が増える(≒小さくなる)ほどセルの耐久性も低下します。ですが3D V-NANDは、面積あたりのセル数は変えないため、この点でも耐久性が高まるのです。3D V-NANDは従来のNANDフラッシュメモリと比べて2倍以上の耐久性を実現しているといわれています。

耐久性も向上するんだ、いいことづくめだね! ……ちなみに他にもなにかあるの?

VICTOくん :他には、消費電力を抑えるというメリットもあります。先ほど説明しましたが、NANDフラッシュメモリではエラー訂正が不可欠となり、その過程でそれなりの電力が消費されてしまいます。対して3D V-NANDでは、シンプルで少ないステップで書き換えが行えるため、消費電力も大幅に抑えられるのです。実際に、3D V-NANDは従来のNANDフラッシュメモリと比べて46%も消費電力が抑えられています。

3D V-NANDが今後のNANDフラッシュの主流へ

3D V-NANDがすごいというのはわかりました。どういう製品に使われているのですか?

VICTOくん:現在3D V-NANDは、Samsung SSD 850 PROと850 EVOに使われています。また、新発売したポータブルSSD T1にも、もちろん採用されています。大容量化、耐久性、高速性、省電力すべてを解決してくれるのが、サムスンが次世代NANDフラッシュの主流として開発した3D V-NANDテクノロジーです。

そうなんだ! 3D V-NANDとサムスン製SSDからは今後も目が離せないね。

イラスト:寺崎 愛

(マイナビニュース広告企画)

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