ビジネスの現場で使われるプリンターというと、レーザープリンターのイメージが強いかもしれない。しかし現在、小規模オフィスを中心にビジネスインクジェットプリンターの採用例が増えている。その中でも魅力的なモデルをリリースし続けているブラザーが、A3サイズや大量プリントへの需要に応えたモデル3種を発売する。

ビジネスの要求に応える新モデル3種が登場

ビジネス向けのインクジェット複合機は、この10年で順調に市場を拡大している。特にファクス機能やADFを搭載した高性能な複合機は、小規模なオフィスでメインプリンターとして採用されることが増えているようだ。一番のポイントは、大型のレーザープリンターや複合機と比較して導入コストが安価で、消費電力が小さいというコストメリットだろう。

家庭向けの機器とは違い、大量給紙のできるトレイや大容量のインクを採用しているため、ビジネスの現場でも不足はない。また、家電量販店など身近でサプライが購入できるというのも、小規模オフィスに向いている部分だろう。

こうした事情から近年導入例が増えているビジネスインクジェットプリンターだが、この市場で大きな評価を得ているのがブラザーだ。コンパクトながらA3プリントにまで対応しているコストパフォーマンスの高さが一番の魅力で、更に、電話子機までついた複合機は、小規模オフィスや店舗に必要な機能が1台にまとまってくれることもあり人気がある。

そのブラザーが、さらにラインアップを拡充する形で3つのビジネスインクジェット複合機を投入した。給紙トレイが1段でプリント・スキャン・ファクスといった複合機の基本機能を押さえた「MFC-J5620CDW」と、これに電話子機を加えた「MFC-J5820DN」、そして給紙トレイが2段の「MFC-J5720CDW」だ。いずれもA3プリントに対応し、従来機種と比較してさらにビジネスの現場で活躍できる仕様となっている。

2段給紙モデルや電話子機付モデルなど用途に応じて選択できる3モデルを発売

大量給紙やランニングコストの低減、A3プリント対応など新モデルの魅力を「MFC-J5720CDW」で解説

新モデル3種に共通して強化されたのが、大量プリントや低ランニングコストへの対応だ。様々な用紙ニーズに合わせて選べる多目的トレイを標準搭載し、2段給紙トレイを採用しているMFC-J5720CDWでは最大581枚のA4用紙を給紙できる。さらにカラーは標準の2倍、ブラックは標準の4倍容量を持つ大容量インク対応となっている。

用紙トレイには1段あたり最大250枚の用紙がセットできる。A4でもA3でもセットできるから、「MFC-J5720CDW」の場合は1段ごとにサイズを変更しておけば両サイズともよく使うというオフィスには便利だろう。さらに、普段は閉じている多目的トレイを開けば、こちらにもA4なら80枚まで、A3なら5枚まで用紙をセットできる。この給紙能力はかなりの魅力だ。

MFC-J5720CDWは2段のカセットを備えることで多彩な給紙や大量給紙に対応

多目的トレイを開けばA4なら80枚まで、A3なら5枚までセットできる

1枚ずつ給紙する手差しトレイも搭載

A3プリントや、A3サイズへの拡大コピーをよく利用する環境で、毎回手差しトレイ等から数枚ずつ給紙するのは面倒だが、標準カセットに最大250枚までセットできるようになったことでより利用しやすくなった。図面やポスター、店頭POP等の大判プリントを多用するシーンでは特に活躍してくれるはずだ。

カセット1段には最大250枚までの用紙がセットでき、A3サイズも収納可能だ

大容量のインクは、頻繁なインク交換という煩わしさを解消してくれることはもちろん、ランニングコストを引き下げてくれる。A4文書1枚あたりカラー約6.1円、モノクロ約1.4円という低ランニングコストを実現。写真プリントよりはドキュメントプリントの多いビジネス用途では、このブラックインクの容量増加はかなり効いてくるポイントだろう。

標準の4倍の容量を持つ大容量ブラックインクを採用

実際に「MFC-J5720CDW」を見てみると、本体サイズに対して各機能の能力がかなり高いことが実感できる。給紙トレイが2段モデルなので、高さが308mmあるが、幅490mm×奥行き345mmと設置面積はそれほど大きくない。A3用紙を一回り大きくしたという程度なのに、A3用紙がプリントできてしまうのは驚きだ。

A3プリント対応なのにコンパクトなボディサイズ

ADFは、なんと50枚もセット可能。自動的に両面を読み取ってくれるため、100ページ程度のものなら一気にデータ化してしまえるわけだ。もちろん、プリンターを使用していない時はADF部をコンパクトに収納することができる。

MFC-J5720CDWはADFに最大50枚をセットできる

インクカートリッジはブラザーのモデルらしく、前側からセットできる。ブラックのインクは目に見えて大きく、これなら大量印刷も問題ないだろうという安心感があった。

用紙はもちろんインクカートリッジのセットも前側から行うのは大容量インク対応になっても同じだ

操作部はカラータッチパネルで、アイコン等がわかりやすく表示される。スキャンしたものをWordやExcel、PowerPointドキュメントに変換できる「スキャン to Office 文書」や、データ化したものを直接メール送信する「簡単E-mail送信」、赤線で囲った部分だけを取り出してスキャンする「手書きトリミングスキャン/コピー」といったPCレスで紙書類の情報を上手に扱えるクラウドを活用した機能は健在だ。

カラータッチパネル搭載で操作がしやすく、PCレスで利用できる機能も多彩

さらにファクス機能で受信したものをEvernoteやDropboxといったクラウドサービスに転送する「ファクスクラウド転送」機能も魅力的だ。紙で受け取っても最終的にもう一度デジタル化してメール送信するなどしていたユーザーなら、これを利用するだけで無駄がなくなる。タブレットやスマートフォンからファクス内容を閲覧することも簡単にできるから、外出先で迅速に対応したい場合にも活躍してくれるだろう。

受け取ったFAXをクラウドサービスに自動転送する「ファクスクラウド転送」は簡単な設定で利用可能だ