ブラザー販売は10月9日、東京都・渋谷のヒカリエホールでプライベートイベント「Brother World JAPAN 2014」を開催した。今年で8年目を迎えたBrother World JAPANでは、同社のビジネス用途向け製品・ソリューションを中心に紹介している。

Brother World Japan 2014 for Business

ブラザー販売 代表取締役社長
片山俊介氏

展示の様子は後述するとして、まず主催者講演の内容を紹介しよう。主催者講演では、ブラザー販売 代表取締役社長、片山氏が登壇。景況感について「消費税増税の影響や、天候不順で『夏物』の売れ行きが芳しくなかったといった不安定材料はあったが、秋になって平年並みに好転してきた」と述べた。

今回のBrother World JAPAN 2014も、昨年に引き続き「for Business」と題して、ビジネス用途向けの製品群を中心としたスタイルを継続。店舗・医療・物流・オフィス向けの提案を、ブラザーとソリューションパートナーが共に展示し、例えばプリンターが様々なシステムとつながるカタチを分かりやすくしている。

続いて営業とマーケティングを担当する、ブラザー販売 取締役の三島氏にバトンタッチ。今後のマーケティングについて具体的な説明があった。

ブラザー販売 取締役 三島勉氏

ブラザーは年末・年度末商戦に対し「ここまできたか、ブラザー!」のキャッチコピーを使用する。また、イメージキャラクターには、歌舞伎役者、六代目・中村勘九郎さんと二代目・中村七之助さんの兄弟を起用した。

中村兄弟が出演する、家庭向けインクジェット複合機「PRIVIO」のCMは、10月9日より放映されている。年末にかけて露出を増やすとともに、年度末商戦にはビジネス向け製品のCMも展開していくという。

今回、中村兄弟は歌舞伎座での公演のため、ビデオメッセージでの登場となった。伝統を守りつつ新しい取り組みに挑戦し続けているところに「両者(編注:中村兄弟とブラザー販売)の姿勢には通じるものがあります」(六代目・中村勘九郎さん)と話した。

なお「兄弟 : ブラザー」と掛けただけでなく、ブラザー本社のある名古屋は中村屋初代の出身地であり、東京都・京橋にあるブラザー東京支社のすぐ近くには、「江戸歌舞伎発祥の地」の記念碑があるなど、ブラザーと中村兄弟のつながりを披露した。

年末・年度末のブラザーイメージキャラクターとして中村兄弟を起用

銀座通りからもよく見えるブラザーのショールーム。現在(2014年10月)はこのような外観

続いて三島氏は、プリンター市場における「ブラザーの価値」をプレゼンテーション。プリンター市場は、1990年代に米国で「SOHO」(Small Office Home Office)というワークスタイルが発生。これを機に、小型プリンター市場が生み出された。

日本でも、1990年代後半からSOHO需要が拡大を始めている。「その中で市場の確立と牽引をしてきた自負がある」(三島氏)。今回のBrother World JAPAN 2014 for Businessでは、A3インクジェット複合機を「コンパクトで速い」、「コンパクトで安い」、「コンパクトで使いやすい」という3つのポイントでアピールするブースを用意していた。

1990年代から生まれた「SOHO」環境に、ちょうど良い大きさと性能のプリンターで市場をリードしてきたブラザー

今後は大きさをそのままに性能アップを図り、ソリューション連携を強める

新製品を多く投入し、あらゆるニーズに応えるという

三島氏は「小型でも印刷能力の高い製品を強化したい」と今後の方向性を語り、そのためにはパートナーとのソリューション提案が欠かせないとした。そこで今回のBrother World JAPAN 2014 for Businessでは、業種別の提案をパートナーとともに実施。今後は「システム推奨機」を増やし、「将来的にはコンパクトプリンターのシステム推奨No.1を目指す」と意気込みを語った。

クラウドとタブレット連携も拡大。NFC対応やWi-Fi Direct接続が可能なプリンターが増えている

今回びBrother World JAPAN 2014 for Businessでは16社のパートナーと協力したソリューション展示を行い、うち11社のブースにはパートナー企業の説明員がいた