海外クラウドの勢力が日本のクラウド市場を席巻している。そのような現状に一石を投じる革新的なサーバータイプが、純国産のクラウドサービスであるニフティクラウドから登場した。

「高品質」、「ハイパフォーマンス」、「使い勝手の良さ」に抜群の定評がある同サービスであるが、これまでは高級な印象があった。一方、新サーバータイプ「Type-e」は従来のサービスと同等の品質が担保されながら、従来比最大73%OFFという攻めの価格設定となっている。「Type-e」の登場は、クラウド業界に新しい流れをもたらすのか。

早速、新サーバータイプ登場の背景をニフティに取材した。

満を持して登場! コストパフォーマンスの高さにこだわった「Type-e」

クラウド事業部クラウドマーケティング部の渡邊太郎氏

国産クラウドサービスとして、3000件以上の利用実績のあるニフティクラウド。外資ベンダーのクラウドサービスと比べて、サーバーの基本性能や可用性が頭抜けていることが大きなウリだ。ニフティクラウドはそもそも、オンラインゲームのような高いパフォーマンスと可用性、俊敏性が必要なエンターテインメント領域で圧倒的な支持を受けてきた経緯がある。そうした厳しいユーザーの要望に応え続けてきた結果が、「高品質」「高信頼」という特徴につながっているわけだ。

当然のことながら、これらの特徴はエンタープライズ用途でも生きてくる。有名なクラウドサービスを利用してみて、「性能を出すためのチューニングが大変」といった苦い経験を持ったIT担当者は少なくないはずだ。そうしたユーザーから支持を受けるかたちで、エンタープライズでの利用を急速に伸ばすことになったのだ。

今回取材したのは、クラウド事業部クラウドマーケティング部課長の渡邊太郎氏。ニフティクラウドの商品企画やサービス提供に深く関わる、中心人物の一人だ。実際、渡邊氏は、「2010年8月時点では受注件数に占めるエンタープライズ用途の割合は19%でしたが、2014年8月時点では67%に達しています」と説明する。ニフティクラウドは、2010年1月のスタートから4年余りで、企業の重要システムでも利用することができる高性能かつ高信頼のクラウドという評価を固めてきたというわけだ。

とはいえ、企業システムには、必ずしも高いCPU性能が必要ない領域も存在する。たとえば、利用者を限定したWebサイトや、開発サーバーなどだ。これまで、そういった用途でニフティクラウドを利用する場合は、一律にスペックの高いサーバーでの運用を余儀なくされていた。結果として、リソースが使い切れなかったり、オーバースペックになったりといったムダも生まれていた。

「品質はそのままで、もっとコストパフォーマンスの良いサーバーが欲しい。そんな声を多くいただいていました。そこで、提供を開始したのが新サーバータイプType-eなのです」(渡邊氏)

ポイントは、従来タイプとの違いがCPU性能だけであるということ。低価格にもかかわらず、メモリ容量やネットワーク帯域、品質などに差はないという。このサーバータイプの登場でニフティクラウドがいったいどう変わるのか、渡邊氏に詳しく解説してもらおう。

品質はそのままに圧倒的な低コストを実現! なぜできたのか

Type-eは全14種類。これまで提供してきたハイスペックなサーバータイプに、価格と性能が異なった新しいタイプが追加される。

全34のサーバータイプから、システム要件に合わせ、組み合わせて使うことが可能

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たとえば、従来のminiは、1vCPUメモリ0.5GBで月額4800円だが、e-miniは、1vCPUメモリ0.5GBのまま、月額2210円となる(ちなみに2210は”ニフティ”にかけている?)。従来の約47%と、小規模な利用にもフィットするリーズナブルな価格に設定されている。また、large32は、4vCPUメモリ32GBで月額14万2700円だが、e-large32は、4vCPUメモリ32GBのまま、月額3万8000円になる。実に従来の27%の価格だ。なお、従量プランについても同様、大幅な低価格化を実現している。

こうしてみると、サーバーの運用コストが圧倒的に下がることがおわかりいただけるだろう。最近では、単なる低価格なサーバーというものであれば驚きを感じない方もいるかもしれない。だが、ニフティクラウドの新サーバータイプは、それとは一線を画すものだ。渡邊氏は、こう説明する。

「Type-eは、CPU性能を低く設定しているだけで、そのほかの、仮想CPU数やメモリ容量、ディスク容量などはType-hと同一です。Type-hで標準提供している自動フェイルオーバー(HA機能)や月間稼働率99.99%というSLA、24時間365日のサポートもそのまま提供します。ネットワーク転送量も10TBまで無料です。低い品質のものを低い価格で提供するのでなく、高品質のまま低価格で提供していることが大きな特徴です」(同氏)

標準機能として提供される自動フェイルオーバー(HA機能)とは、物理ホストに障害が発生したときに、ある物理ホスト上に展開されていたサーバーが自動で別の物理ホスト上に移動する機能(※サーバーは自動で再起動される)のこと。また、月間稼働率99.99%というSLAについては、今年に入って一度も100%を割ったことがない。SLAを高レベルに定めているだけにとどまらず、守り抜いている実績もニフティクラウドの大きな強みであるといえよう。

なぜ、高品質を維持したまま、低価格で提供できるのか。渡邊氏によると、その理由は、自社利用の経験にあるという。ニフティクラウドはVMware環境で構築されているが、ニフティはサービス提供に先駆けて、VMwareの仮想化環境を社内で使いこなしてきた実績がある。

「どうすれば効率よく安定的に環境を提供できるかで長く苦労してきました。社内にはその運用ノウハウを持った仮想化基盤運用の達人がたくさんいます。そうした実績に裏付けられた価格体系なのです」(同氏)

2つのタイプを組み合わせて、ビジネスに柔軟性を!

それぞれのタイプをどう使い分けたらいいだろうか。渡邊氏は「Type-hは性能重視のハイスペックタイプ、Type-eはコスト重視の汎用タイプという用途で考えるのがいいでしょう」とアドバイスする。

たとえば、高速データベース処理や動画配信サイトといった大容量データを扱うシステムや、クラウド化を検討している基幹システムなど、性能が要件になる場合ではType-hの利用が望ましい。

一方、フロントのWeb用途や開発環境といった手軽にサーバーを利用したいケースや、コストを抑えて社内システムを構築したいといったケース、キャンペーンサイトなど短期間利用するWebサイトを低コストで構築したいといったケース、さらには負荷が見積もりやすいバッチを実行するといったケースには、Type-eの利用をおすすめしたい。

2つのタイプを組み合わせることで更なるメリットも

また、それぞれを単独で使うだけでなく、2つのタイプを組み合わせることもできる。渡邊氏はこう話す。

「選択肢が増えたことでよりかゆいところに手が届くようになりました。たとえば、2つのタイプを組み合わせて、フロント処理はType-e、データベース処理はType-hなどで構成してコストパフォーマンスを最適化できます。また、スケールアップ、スケールアウトも自由自在ですので、最初はType-eで構築して様子を見ながらType-hに移行するといったことや、繁忙期はType-h、閑散期はType-eといった使い分けも可能です。DRサイトにおいて普段はType-eで維持しておき、有事の際にはType-hに切り替えて正規サイト同様の運用を続けるといった活用法も考えられます」(同氏)

クラウドサービスで、こうした複数タイプのサーバーを組み合わせた構成をつくると、スケールアウトにともなってメモリやディスクI/O、ネットワーク帯域が足りなくなったり、データ転送量が上限に達して追加料金を求められたりといったボトルネックが生じやすい。それを乗り越えるために、各社のサービスに精通して、調整の勘所を知っているスペシャリストが必要になることもある。スキルを持った人材を確保できないユーザーにとっては、なかなか頭の痛い問題だ。

その点、ニフティクラウドにはそういった「ボトルネックがない」ので運用負荷が小さい。繰り返しになるが、Type-eは、もともと高性能なサーバーとしてチューニングされてきたサーバーを、構成はそのままにCPU性能だけをおさえたサーバータイプだ。不足してもそれをスケールアップやスケールアウトさせるため、本来のスペックに戻るだけにすぎないというわけだ。このことは、エンジニアや運用者にとって、大きなインパクトをもたらすだろう。

渡邊氏は、新サーバータイプのパフォーマンスに自信を見せる

「ボトルネックがないということは、エンジニアや運用者が特殊なノウハウを身につけなくてもよいということです。負荷が軽減できることで、ビジネス部門とのコミュニケーションもとりやすくなるはずです。クラウドによって作業負荷を下げ、IT部門が価値創造作業に貢献できるようにしていきたい。それが、ニフティクラウドが最終的に目指すところです」(同氏)

Type-eの登場で、ユーザーはコストパフォーマンスの高い、リーズナブルなシステムを採用できるようになる。これまで、ニフティクラウドは高性能を求める企業に高レベルのサービスを届け続け、着実に実績と高い評価を積み上げてきた。そんなニフティクラウドがこの価格帯でも勝負を仕掛けてきたことは、クラウド業界にとっても、ユーザーにとってもインパクトのあることであろう。

ユーザーにとっての具体的なインパクトは、どのようなものか。次回は、競合サービスとの価格比較や、用途に応じた効果的な使い方、事例を詳しく紹介していく予定だ。

なお、ニフティクラウドでは10月1日より、7万円分まで自由に使えるキャンペーンを実施している。渡邊氏曰く「法人だけでなく個人事業主の方にも是非ご活用いただきたい」とのことだ。約10分で申込が可能なので、ぜひ今すぐお試しいただきたい。

■「Type-e」料金
名称 vCPU メモリ 月額
(税抜)
従量
(起動)
従量
(停止)
e-mini 1vCPU 0.5GB \2,210 \4 \3
e-small 1vCPU 1GB \5,200 \9 \5
e-small2 1vCPU 2GB \8,700 \15 \5
e-small4 1vCPU 4GB \9,500 \16 \5
e-small8 1vCPU 8GB \17,500 \31 \6
e-medium 2vCPU 2GB \9,500 \16 \5
e-medium4 2vCPU 4GB \15,000 \26 \6
e-medium8 2vCPU 8GB \21,000 \37 \7
e-medium16 2vCPU 16GB \27,500 \48 \7
e-large 4vCPU 4GB \21,000 \37 \7
e-large8 4vCPU 8GB \25,000 \43 \7
e-large16 4vCPU 16GB \35,000 \61 \8
e-large24 4vCPU 24GB \36,300 \63 \8
e-large32 4vCPU 32GB \38,000 \66 \8
10月1日より最大7万円分まで自由に使えるキャンペーンを実施しています。(詳細はこちらから
この機会に是非、ご利用ください。

(マイナビニュース広告企画)

[PR]提供:ニフティクラウド