省エネ・省スペースかつ使い勝手も良い大画面ノート「Critea VF-AG」

オフィスの机上を有効に活用できる省スペース性を優先するなら、オフィスのPCであってもノート型を選択するのが王道だろう。本体から延びるケーブルも電源とLANの2本、無線環境なら電源の1本だけで収まるので、デスクの裏側でケーブルがからまることもなく、設置や移動が容易。加えて、ノートPCはデスクトップPCに比べて格段に消費電力が小さく、一定時間ならバッテリー駆動も可能。セキュリティ対策は十分検討する必要はあるが、従業員の自宅などへ、業務環境をそのまま持ち運ぶことも可能なので、災害時などの事業継続策としても有効だ。

17.3型の大画面ディスプレイを搭載し、デスクトップ機に迫る使い勝手を実現した「Critea VF-AG」

一方、画面の大きさはデスクトップPCに比べ限られるため、作業が長時間にわたる場合、ノートPCはユーザーに過大な疲労を強いることにもつながりかねない。客先への訪問が多い営業担当者には、小型軽量のモバイルノートのほうが喜ばれるかもしれないが、オフィスでの事務中心の従業員まで同じ機種で統一するのは得策ではないと考えられる。

その点、今回紹介する「Critea VF-AG」は、ノートPCとしては最大クラスの17.3型ディスプレイ(1920×1080)を搭載しており、キーボードもデスクトップPCと同等のサイズを確保している。画面の小さいノートPCで長時間の作業を続けると、無意識のうちに顔を画面に近づけてしまって姿勢が崩れ、肩や首の疲れや痛みを引き起こすことがある。しかし、比較的デスクトップPCに近いサイズのディスプレイを搭載する本機なら、画面の見づらさが引き起こす疲労を抑えることができる。さらに、表面での光の反射が少ないノングレアタイプの液晶パネルを採用しているので、照明や外光に近い座席でも映り込みが小さく仕事に集中できる。

Excelワークシート上の文字や数字も大きく読みやすいので、目や肩・首などへの負担が小さい

ノングレアタイプの液晶パネル(左)なので、照明や外光などの影響が小さい。同じ場所に設置した光沢タイプの液晶(右)では天井の蛍光灯などが映り込み、作業がしづらくなっている

ディスプレイについてもう少し詳しく見てみると、本機は出荷時、Windowsのテキストサイズが「中(125%)」に設定されている。本機のディスプレイ自体は17型と比較的大型だが、同時に解像度が1920×1080と高精細なため、標準の100%設定だと小さく細かい文字で表示される。これは、1画面中にたくさんの情報を表示できるという点ではメリットが大きいが、小さい文字を読むのが苦手なユーザーは、目の疲れにつながる可能性がある。125%設定なら標準に比べ25%も大きなサイズで文字が表示されるので、快適に作業が行えるだろう。

テキストサイズ設定の違い。125%(左)では1画面に表示できる情報量は限られるが文字は大きく読みやすい。100%(右)だと文字やアイコン類が小さくなり視認性は下がるが、表示可能な情報量は増えるので2つのWebページを左右に並べることもできる

従来はテキストサイズの変更を行うと、ダイアログボックスの表示がウィンドウの外にはみ出すといった不都合が発生することもあったが、現在はOfficeなどの標準的な業務アプリケーションであれば、スクリーンの解像度変更に対応しているので、一般的な事務作業の範囲ではあまり問題は起きないだろう。もちろん、1画面により多くの情報を表示したいというユーザーは、100%表示に設定を変更することも可能だ。

テキストサイズの倍率はコントロールパネルで設定し、再ログインすることで変更が有効になる

CPUはクアッドコアのCore i7-4700MQ(2.40GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.40GHz)を搭載しており、メモリは標準4GB、最大で16GBまで増設が可能。一般的な事務作業はもちろん、資料用の動画編集やデータ分析など、パワーが要求される用途においてもまったく不安のないスペックとなっている。標準構成時の価格はWindows 7 Home Premium/8.1プリインストール時92,980円、Windows 7 Professional/8.1 Proプリインストール時でも98,980円と、1台10万円以内に収まる価格設定も魅力だ。

Core i7を搭載し、CPUとメモリのWindowsエクスペリエンス インデックスは7.6以上と高い

ディスプレイ出力は左右にHDMIとD-Sub 15ピン(アナログRGB)を搭載。SDメモリカードリーダーも備えている

右側面にDVDスーパーマルチドライブを搭載。オプションでブルーレイドライブへの変更も可能

飾りを省いた黒1色で、オフィスでの設置にも違和感のないデザイン

マルチディスプレイ環境もスマートに組める「Slim Magnate IE」

常に何かの情報をモニターしながら仕事をする必要がある、財務指標など多数のデータを同時に開く必要がある、Webサイトの更新などでソースの編集画面と表示結果を並べて表示したい……このような業務で便利なのが、複数の画面を並べて広い作業スペースを確保できるマルチディスプレイ環境だ。実際に使ってみると、文書の編集などを行うメイン画面と、メールや資料などを表示するサブ画面を分けるだけでも非常に便利なことがわかる。マルチディスプレイは特殊な業務に限らず、デスクワーク全般の能率アップに有効といえるだろう。

Slim Magnate IE」は、幅96×奥行き395×高さ330mmというスリムな筐体を採用したデスクトップPCで、ノートPCよりは大きな画面を使いたい、将来的にHDDなどの増設・交換も行いたいが、机上の占有スペースはできる限り抑えたいというユーザーに最適なマシンとなっている。

机上に設置しても邪魔になりにくい「Slim Magnate IE」。比較する物がないとわかりにくいかもしれないが、幅は10cm以下で非常にスリムだ

そして、DVIとD-Sub 15ピン(アナログRGB)の2系統のディスプレイ出力を搭載しており、グラフィックスカードの増設などの手間なく、簡単に2台のマルチディスプレイ環境を構築できるのも特徴だ。実際に23型のフルHDディスプレイを2台接続してみたが、普段PC本体などを撮影している限られた机上スペースでも、本体と2台のディスプレイを横1列に並べることができ、さまざまな情報を同時に表示しても描画性能に問題は感じられなかった。

DVIとアナログの2系統ディスプレイ出力を標準搭載。USBも前面とあわせて合計10ポート(うち2ポートがUSB 3.0)と充実している

23型フルHDディスプレイと横1列に並べたところ

DVIとアナログの両端子にディスプレイを接続するだけで、2枚の画面を認識

CPUはデュアルコアのCore i3-4130(3.40GHz)で、Core i5/i7搭載の高性能機に比べるとスペック的には一段下がるが、Windows XPの時代で主流だったCPUのCore 2 Duoと比べれば、Core i3といえどもCore 2 Duoの最上位モデルに匹敵するか、それを上回るパフォーマンスを備えており、Officeアプリケーションでの一般的な事務作業にはまったく問題ない。また、ロープロファイルサイズのPCI Express x16スロット1本、PCI Express x1スロット2本、PCIスロット1本、USB 2.0×8ポート(前後計)、USB 3.0×2ポートが用意されているので、業務に必要な周辺機器などを接続する余裕も十分に確保されている。

試用機はメモリが4GBのシングルチャネルアクセスだったため5.9となっているが、CPUスコアは7以上と事務作業には十分すぎる値

幅3840ドットの広大な作業スペースを利用可能。CPU内蔵グラフィックス機能でもWebブラウジングやOfficeアプリケーションの動作にはまったく問題ない

ロープロファイルの拡張カードに対応するほか、3.5インチHDDも1基追加できる

価格もWindows 7 Home Premium/8.1をプリインストールする標準構成で54,980円、Windows 7 Professional/8.1 Pro搭載時も60,980円とリーズナブルで、ドスパラで販売されている23型フルHD液晶ディスプレイ2台とあわせて購入しても10万円以内に収められる。また、今回はディスプレイの間をまたいでウィンドウを連続的に表示できるよう、同じサイズのディスプレイを使用したが、片方をサブ画面として使うなら、そちらはもう少し小さいサイズを選び、設置スペースの削減を狙うのもいいだろう。

スタンドが標準添付されるので、縦置きで使用する場合にはこれにセットする

上記の2機種はいずれもOfficeアプリケーションを中心とした事務作業を想定している。事務といっても、もちろん性能的には十分以上のレベルに達しているので、単にWordやExcelで文書の作成をするだけではなく、PowerPointに貼り込む画像の編集なども問題なく行える。

しかし、フルHDを超える高解像度ディスプレイでの仕事や、印刷物やHD映像の制作などのクリエイティブ作業を行うとなると、CPUやメモリに加えてグラフィックス性能も充実させ、より快適な環境を作り上げることが必要になる。次のページではこのようなクリエイティブ用途にも耐えるハイスペックPCを紹介する。