OA機器が社会に浸透した昨今、テクノストレスに悩む人は少なくない。中でもVDT症候群に関しては、程度の差こそあれ多くの人が経験したことがあるだろう。VDT症候群とは、コンピュータディスプレイなどの表示機器(Visual Display Terminal)を用いた作業を長時間行うことによって、心身に生じる様々な症状を指す。眼精疲労、首や肩のコリなどが代表的だろうか。

とはいえ、どれくらいの時間、ディスプレイに向かっている人にVDT症候群の症状が出ており、どの程度の負担になっているのかは杳(よう)としている。そこでマイナビニュースでは、デスクワーク業務の読者に限定して、疲れ目・肩こりに関するアンケートを実施してみた。

まずはデスクワークの作業においてディスプレイと接する時間だが、Q2の結果を見ると3時間以上使用している人が大半を占めている。この辺りは、現在のOA事情を考えれば至極当然といるだろう。

Q2. 1日に平均してどのくらい「ディスプレイと接するデスクワーク」を行っていますか?

さらに本題であるQ3「疲れ目を感じますか?」とQ6「肩こりを感じますか?」の結果に目を向けると、多くの人が疲れ目や肩こりといった不調を感じているようだ。すべてがOA機器のせいとはいないものの、7割前後の人が不調を訴えているとなれば、無視できる因果ともいい難い。もともとデスクワークは目、腰、肩、首に影響が出やすいが、OA機器の導入が一層の拍車をかけたといったところだろうか。

Q3. デスクワークにおいて、疲れ目を感じていますか?

Q6. デスクワークにおいて、肩こりを感じていますか?

次に「これらの症状が作業従事者や業務に与える影響は?」という問い(自由回答)を投げかけたところ、集中力や作業効率の低下という答えが大半を占めた。ただ、その程度は様々だ。軽めの人だと・・・

・疲れ目は、ドライアイなのでこまめに目薬を差せば気にならない。 肩こりは常に感じているので休みの日まで耐えて仕事をする。
・途中で体操の時間があり、まだそこまでひどく影響はないと考えている。
・そんなに疲れ目で困っていない。たまに疲れを感じるが業務にさほど影響してはいない。

このように、まだ余力が見られるコメントが添えられており、自身にも業務にもさして影響を及ぼしていないと思われる。その一方で、症状が重い人のコメントはといえば・・・

・痛みがあり画面を見続けられない。シップを貼っても追い付かない。
・肩こりで頭が痛くなったりで鎮痛剤が手放せないです。
・帰りには肩が痛くてしかたないですね。
・肩こりがひどくて、手にまで痛みが出てしまい、キーボードを打つのがつらい。

と、実に痛ましい。恐らくは集中力を維持するのにも苦労しているのではないだろうか。また、痛みには耐えられたとしても、業務上で思わぬミスを招きかねないコメントも見受けられた。

・細かい計算をしている時など、肩こりが気になって気が散り間違えてしまうことがある。
・目がかすむと数字を追えず困っている。
・疲れてくると見えにくくなるので、数字の間違いなどミスにつながってしまう。
・目が疲れすぎてかすんで見えない…「8」と「6」が微妙。

一覧性を重視する表計算シートなどは、どうしてもフォントを小さくしがちだが、文字の視認性が落ちれば、それだけ集中力も必要になる。そして、集中を続ければ目の負担も増す。まさに悪循環だ。集中を切らすのは避けたいだろうが、やはり作業の合間に適度な休憩を挟むべきだろう。

次の問いは「疲れ目、肩こりへの対策」と「最も効果があると感じた対策」というものだが、両方の問いに対する回答として多数を占めたのは、疲れ目がマッサージと点眼薬、肩こりはストレッチと湿布薬という方法だった。

Q7. 肩こり対策として行っていることを教えてください。

Q8. 肩こり対策で最も効果があったと感じたことを教えてください

確かにいずれの方法もわりと手軽に行える上に、対症療法なので効果を感じやすい。作業を滞りなく終えるための手法としては、悪くないと思う。ただ、問題は根源の解消あるいは軽減につながっていないことだ。対症療法の常で、慢性化と症状の悪化につながる可能性もある。同時に根源の解消にも着手するのがベストだろう。

この場合の根源とはディスプレイを指す。

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