PCゲーム、特に最新タイトルを楽しみたいユーザーにとって、現世代のGeForce GTX 700シリーズ搭載グラフィックスカードは、間違いなく買い時といえる。それはなぜかというと、GPUでいえば28nmプロセス世代となり性能や消費電力、静音性が改善され、グラフィックスAPIではDirectXがバージョン11で落ち着いており、ゲームタイトル側もむやみに重くなることがないといった、いくつかの重要なポイントが、ちょうど重なっているためだ。

一方で、実際に製品を選ぶとなると難しいというか迷いが生じる。製品数の少ないCPUや、チップを追加することで差別化できるマザーボードと異なり、グラフィックスカードはあくまでGPUチップをベースに、グラフィックス出力機能に特化しているため、他のパーツと比べると、より深い部分で比較しなければならない。

そこで今回は、なかなか難しいグラフィックスカード選びで、これを選べば「満足すること間違いなし」という製品の候補として、ASUSTek Computer(ASUS)の3製品を紹介していこう。

ASUSのGeForce 700シリーズ搭載カード。左から「GTX760-DC2OC-2GD5」「GTX770-DC2OC-2GD5」「GTX780-DC2OC-3GD5」

今回紹介するのはGeForce 7シリーズを搭載する3製品。「GTX760-DC2OC-2GD5」「GTX770-DC2OC-2GD5」「GTX780-DC2OC-3GD5」の3製品はそれぞれGeForce GTX 760 / 770 / 780を搭載するグラフィックスカードだ。

GeForce GTX 760 / 770 / 780は、2013年5月と6月に相次いで発表した最新GPUで、いずれもKeplerアーキテクチャを採用する。GeForce GTX 780はスーパーコンピュータ向けのNVIDIA Tesla K20Xやコンシューマ向けGPUのフラグシップ「GeForce GTX TITAN」と同じGK110コアをベースとした製品。一方のGeForce GTX 760 / 770は、従来のGeForce 600シリーズにおけるハイエンドモデルと同様のGK104コアを採用している。各モデルのリファレンススペックは以下にまとめる。

■各モデルのリファレンススペックを比較
モデル GeForce GTX 760 GeForce GTX 770 GeForce GTX 780
ベースコア GK104 GK110
製造プロセス 28nm
トランジスタ数 35.4億個 71億個
GPC数 3 or 4基 4基 4 or 5基
SMX数 6基 8基 12基
CUDAコア数 1152基 1536基 2304基
ROP数 32基 48基
テクスチャユニット数 96基 128基 192基
GPUベースクロック 980MHz 1046MHz 863MHz
GPUブーストクロック 1033MHz 1085MHz 900MHz
メモリクロック 6008MHz 7010MHz 6008MHz
メモリタイプ 2GB GDDR5(256bit接続) 2GB or 4GB GDDR5(256bit接続) 3GB GDDR5(384bit接続)
TDP 170W 230W 250W
補助電源ピン 6ピン×2 8ピン×1、6ピン×1
出力端子 DL DVI×2、DisplayPort×1、HDMI×1

価格的にはおよそ、30,000円台半ば~80,000円台後半となるため、いわゆるアッパーミドル~ハイエンドと呼ばれるセグメントの製品となる。ゲームメーカーは、およそアッパーミドルの製品に向けてタイトルを開発するため、標準~高画質設定で、現在主流のフルHD(1,920×1,080ドット)解像度でゲームを楽しみたいというならアッパーミドルクラス以上の製品を選んでおくと良いわけだ。

GTX760-DC2OC-2GD5の補助電源は8ピン1基。リファレンスデザインでは6ピン2基だが、計算上、どちらも150Wの供給が可能だ。ケーブルが1本なぶん、配線はカンタン。GTX770-DC2OC-2GD5とGTX780-DC2OC-3GD5はどちらも8ピン+6ピン。2本で225Wの供給が可能で、これにPCI Expressバスからの75Wが加わるとトータルで300Wまで供給できることになる

出力端子は全て同一で、DisplayPort、HDMI、DVI-I、DVI-Dの4系統。どれも通常端子なので、D-Sub 15ピンアナログ出力を使いたい、という場合でなければ変換アダプタ無しに利用できる。GeForceが標準サポートしている4画面出力も利用できるほか、DVI端子を120Hz・144Hz対応のゲーミングモニタに接続すれば、それら高速リフレッシュ表示が利用できる

ASUSのGeForce 700シリーズ搭載グラフィックスカードはユニークな製品といえる。そしてそれが、CPUやマザーボードと比べて選びにくいと思われがちなグラフィックスカードにおいて、重要な製品選びのポイントでもある。今回は、そんなポイントを順に説明しながら、ひとつひとつその効果を検証し、数値として紹介していこう。

次のページ:ASUSTek製グラフィックスカードのオススメポイント

(C) 2013 NVIDIA Corporation。無断複製・頒布を禁ず。 NVIDIA、NVIDIAのロゴ、GeForce GTXのロゴ、GeForce、Kepler、SLI、TXAA、PhysX、FXAA、3D Vision、3D Vision SurroundおよびCUDAは、米国およびその他の国における登録商標および/または商標です。OpenCLは、Khronos Group Inc に対して使用許諾されたApple Inc.の商標です。その他の社名および製品名は、それぞれ該当する企業の商標である場合があります。