有限会社アルプスPPS 代表取締役社長・永田 淳氏

2011年5月にサービスをスタートした印刷通販サイト「アルプスPPS」。2012年5月にハイデルベルグ製8色UVオフセット印刷機も新たに導入し、納期の短縮に取り組むなど積極的な顧客サービスを展開している。そのアルプスPPSが掲げるスローガンが「印刷コンシェルジュ」。すでに都営地下鉄管内ではドアステッカー広告が展開されているので、ハイデルベルグの印刷機を使ったビジュアルの広告を見たことがある人もいるだろう。

そこでこの「印刷コンシェルジュ」を掲げた具体的な目的について、アルプスPPSの代表取締役社長・永田 淳氏にお話を伺った。

お客様一人一人が求める"印刷のコンシェルジュ"を目指す

アルプスPPSのスローガンは「まごころ印刷」──これは、同社が設立されたころからのキャッチコピーである。「発注者と印刷会社の顔がお互いに見えない印刷通販だからこそ、お客様の要望をできるだけ汲んで、安心してアルプスPPSを利用してもらいたい」と、営業時間は24時間/年中無休、21時過ぎまでのコールセンター対応もいとわないという顧客主体のサービスを展開してきた。

アルプスPPSのサービス内容を印刷サンプルとして一つにまとめたセット。印刷通販サービスでは重要な宣伝ツールで、印刷発注前にこうしたサンプルが入手できれば、印刷の色や仕上がりをイメージすることができる

「印刷通販サービスをスタートして1年ちょっと。ようやくプロユーザーの方々に当社のことを知っていただけるようになりました。もちろん、まだ当社をご存じないお客様も多くいらっしゃいます。そうした方々に、我々は"印刷コンシェルジュ"として、できるだけ要望を実現できるサービスを心掛けます、とお伝えしたいのです」(永田氏)。

「コンシェルジュ」という言葉には、ホテル業界で宿泊客の要望に応える職種、というイメージを持つ人が多いだろう。その語源はフランス語(さらにさかのぼるとラテン語)にあり、元々はアパルトマンの管理人のことだったようだ。しかし現在では、コンシェルジュという職種の解釈が大きく拡がり、「顧客が求める要望や案内、サービスを一手に引き受ける人」のような意味でとらえられている。

アルプスPPSが掲げる「印刷コンシェルジュ」もまさにその内容を指し、印刷に関して疑問や要望は一手に引き受ける会社を目指すという意思表示である。

「クリエイティブ業界の方であれば、印刷物を作ることはそれほど敷居の高いことではないかもしれません。一方で、ビジネスユーザーの方々やコンシューマーの方々の中には、"印刷物を必要としているけれど、どうすればいいかわからない"という人も多いでしょう。印刷会社はお堅い、敷居が高いと思われているマイナスイメージを、どうにかして払拭したいんですね。そのためには、まずは私たちがお客様の目線に立って、目的に合う結果が導けるように対話させていただくことが重要だと考えています。そして、問い合わせいただいた内容には迅速に対応する。お客様を電話口でなるべくお待たせしないようにする。そんな一つ一つの行動が、"印刷コンシェルジュ"として(印刷通販サービスの中でも)後発になる我々ができることだと思います」(永田氏)。

たとえ高い印刷知識があっても説明がわかりにくければ意味がない。アルプスPPSのサービスは初心者目線に立った説明を心掛けることから始まる