シェフ・料理科学研究家 水島弘史氏

前回、科学的根拠に基づきながら料理を遂行する水島弘史シェフに「究極の目玉焼き」なるものを作成してもらった。塩のみの味つけなのに、しっとり、まったりと味わい深い食感が忘れられず、今度は「至高の目玉焼き」と題して、再度お願いをしてみた。今回の目玉焼きは、ソースで本格的に仕上げるそうだ。さて、どんな味に仕上がるのだろうか?

至高の目玉焼きは、視覚と味覚で楽しむ

「至高の目玉焼き」というテーマをいただきましたが、卵の品質だけを追求してしまうと、それは養鶏場の良し悪しの問題ということになってしまいますよね。ですから、火の通し方に趣向を凝らした面白い目玉焼きをご紹介することにしました。卵白に黄味が埋もれた目玉焼きです。赤ワインのソースと、ポルチーニのクリームソースと、豚バラのベーコンをあわせていきますので、同じ目玉焼きでもちょっと豪華な雰囲気になっていますよ。今回も、手順を守り、温度も計ってくださいね。さあ、作っていきましょう。

写真で見る「ブルゴーニュ地方の目玉焼きの作り方」

【1】卵と塩を準備します。塩は焼き塩を利用 【2】丸セルクルを利用します。クッキングシートをカットしたものをセットしておき、ハケで内側に油をぬっておきます。そのなかに卵をそっと入れていきます。また、別の鍋で90度のお湯を沸かします 【3】卵は60gですから、対重量の0.8%(0.5g)のお塩を振ります。鍋のお湯の温度が85~90度の間(沸騰前)に、セルクルの外側にそっと注いでいきます。高さは、8割程度です。お湯を入れたら、フライパンを弱火で熱しましょう
【4】さあ、フタをしめましょう。状態が見えるようガラス製のフタを使用します。下から焼き、お湯で蒸している状態です 【5】ガラスのフタの上から見ていただいて、膜ができて白っぽくなったら基本的にできあがりです。水気を切ってお皿にのせましょう 【6】セルクルを外し、そっとクッキングシートを外していきます。ここで形が壊れないように注意
【7】ソースは赤ワインと蜂蜜とコショウを入れて煮詰めて作りました。ポルチーニソースは、タマネギとニンニクとマッシュルームと、ポルチーニ(乾燥)を一緒に炒めて、お酒と生クリームを入れてミキサーにかけ冷ましておきます 【8】お皿に置いた卵にコショウをかけ、豚バラ肉を燻製にしたもの、グリーンを盛りつけていきます。豚バラ肉は、市販のベーコンでも代用できます 【9】「ブルゴーニュ地方の目玉焼き」の完成です
トロリとした黄味は、赤ワインソースによく合いますよ

料理のアイデアは日常から

アイデアは、必ずしも調理を行っているときや、食事をしているときだけに浮かんでくるものではありません。私の場合は、NHK教育テレビの『高校講座|生物』などを見ているときに、「生物や化学の世界では、そういう事象が起きているんだ。それって料理にも活かせるかもしれない」みたいに料理のアイデアが浮かぶこともあります。盛りつけなどは、何か面白い造形物があったときや、美術作品を見たときなどに浮かびます。こんな風に料理でできないかな、とかね。

今回は、赤ワインソースを使いましたので名前は「ブルゴーニュ地方の目玉焼き」としました。作り方は簡単ですが、彩りも華やかですので、ホームパーティなどにもおすすめです。味覚も、視覚も十分に楽しんで召し上がってくださいね。

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関連リンク:
「究極の目玉焼き編」はこちら
水島弘史 氏
シェフ・料理科学研究家。1967年福岡県生まれ。
大阪あべの辻調理師専門学校卒業、同校フランス校卒業後ジョルジュブランで研修。帰国後東京恵比寿「ラブレー」に勤務、94年より3年間シェフを務める。2000年7月、恵比寿にフレンチレストラン「サントゥール」を開店。後に「エムズキッチンサントゥール」と改め、2009年4月まで営業。2010年からは麻布十番に場所を移して調理研究家として活躍を開始する。科学的調理理論を取り入れた独自の調理指導法を確立し、大学や企業の研究所への情報提供も行っている。

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