性能優先の次世代パーツか、値頃感のある現行世代パーツか!?
今年も夏休みが間近に迫ってきた。休暇を利用してゲームを堪能できるチャンスを前に、ゲーミングPCの買い替えを検討している人も多いことだろう。さて、ゲーミングPCを購入する際にもっとも迷う項目のひとつがグラフィック機能の選択。ゲームを快適にプレイするにあたって、その性能がもっとも影響するうえ、購入価格に占める比重も大きいからだ。もっとも陥りやすいジレンマが、最新のグラフィックボードにするか、一世代前のハイエンドをチョイスするかだ。最新のハイエンドパーツの処理能力が高いのは当たり前だが、旧世代のパーツはお買い得な値段で提供されていることが多いため、場合によってはそちらを選んだ方がお得な買い物ができることもある。最終的には懐具合や消費電力も含めたコストパフォーマンスを考えて、製品を選択することになるだろう。
というわけで今回は、老舗PCショップ「ツクモ」からリリースされているプライベートブランドPC「G-GEAR」からパーツをお借りして検証を行うことにした。G-GEARで選択できるグラフィックボードのうち、アッパーミドル~ハイレンジの新旧グラフィックスカード4製品を一気に比較してみようと思う。ベースとなるPCは「G-GEAR GA7J-E42/S2」と「G-GEAR GA7J-F42/S2」をベースにカスタマイズした製品だ。このクラスはまさにゲーミングPCの激戦区。十分に考えて、自分に合った製品を見つけ出してほしい。
グラフィックボードの性能を活かすG-GEAR
まずは検証を行うPCを確認しておこう。本機は、インテルの最新CPUである“Ivy Bridge”の「Core i7-3770 プロセッサー」を搭載した一台だ。SandyBridgeからさらに処理能力が向上し、同時に最大消費電力を抑えることに成功しており、ゲームにおいてもその能力を発揮してくれるだろう。温度が上がりやすい夏というだけでなく、電気代の値上げも検討されている昨今にふさわしいCPUとなっている。
チップセットにはインテルH77 Expressを採用。SATA3.0対応ポートやネイティブサポートされたUSB3.0ポートで高速なデータ転送が期待できる。また、PCI Express 3.0に対応しているため、対応したグラフィックボードではデータ転送速度向上も期待できそうだ。搭載メモリは、4GB×2枚の8GB。7シリーズチップセットから正式対応となった高速なPC3-12800(DDR3-1600)を採用している。
ストレージはBTOカスタマイズが行われている。通常モデルではHDDのところ、本機ではBTOでSSDに変更されている。SSDはOSの起動のみならず、ゲームにおいてもロード時間を体感できるほど短縮してくれる。ここ数カ月で価格が手頃になって、購入ハードルが下がっているため、BTOカスタマイズの際はぜひ検討してほしい。電源はTopower製の500W(最大出力550W)を採用。省電力化プログラム「80PLUS Bronze」を取得しているため、消費電力の軽減効果も期待できそうだ。そして、これらのハードウェアを収めるケースには、定評のあるG-GEARオリジナルミドルタワーケース「62R3」が採用されている。
スリムな印象を受ける「G-GEAR GA7J-F42/S2(カスタマイズモデル)」の背面。拡張スロットにはグラフィックボードのみ設置されており、使用しない内蔵グラフィック端子は養生テープで塞ぐなどユーザーフレンドリーな工夫がなされている |
カバーを付けたままの左側面。広いパッシブダクトが特徴的で、CPUとグラフィックボードにフレッシュなエアが届きやすいようになっている |
左側面のカバーを開け、グラフィックボードを取りはずした様子。ケーブル類はまとめられており、すっきりとした印象を受ける。通気性もよさそうだ |
左図がNVIDIA GeForce GTX670を搭載したリアパネルの様子、右図がAMD Radeon HD 7850を搭載したリアパネルの様子。両モデルともケース内部の排熱は、背面の12cmファンで行われる。H77からネイティブ対応となったUSB3.0端子もみえる |