印刷通販で入稿する際の印刷以降の工程に関する疑問を、ビギナーにもわかりやすく解決する連載の第二回。第一回は紙の種類と網点について紹介したが、今回は「製本方式」について紹介する。

製本方式の違いを知りたい!

カタログやパンフレットといった「冊子印刷」では、印刷後の加工として「製本」を行う。この製本には、大きく分けて「中綴じ」と「無線綴じ」という2つの綴じ方がある。一般的には、16ページ程度の印刷物には中綴じ、ページ数が数十ページにもなるようなものは無線綴じが選ばれることが多いようだ。

気になる綴じ方の違いだが、中綴じはその名の通り、見開きページの真ん中を背中から針金で留める、無線綴じは本文の背(ノド)部分を強力な糊を使って固める方法である。無線綴じの場合、表紙を本文にくるむようにして付けるため「クルミ製本」などといわれることもある。昔は糊の強度が弱く、製本後にページが抜け落ちる(落丁という)などのトラブルがあったが、最近ではほとんど見られなくなった。

価格的には中綴じのほうが、無線綴じに比べて若干安価。ただしページ数が多くなったり紙の厚みによっては、中綴じでは綴じられないものがあるので、その場合は無線綴じを選ぶようにしよう。

綴じ方の特徴と長所/短所

製本の種類 製本の方法 メリット デメリット
中綴じ 折り丁を真ん中から開いてページ順に積み重ねて丁合(ページ順を揃えること)し、表紙の背部分から中央の見開きページに向かって針金で綴じる。 表紙と本文を一緒に綴じるので一つの工程で済み、ノド部分も開きやすい。生産速度も速くて安価。 厚い本は綴じられない。ページを積み上げて真ん中で折るため、ページ数が多かったり紙が厚いと中ページの左右寸法が短く仕上げられる「せり出し」が発生する。
無線綴じ 折り丁を積み重ねて背中部分を削る(ミーリング)、あるいは規則的な櫛形にミシン目を入れて(網代)糊を付け、表紙でくるむ。 ページ数が多かったり、紙が厚いため、本そのものに厚みがある場合も綴じられる。 各ページが単独で接着されているため、ページの脱落が起きることがある。特に(上質紙に対して)コート紙の場合、接着力が弱い傾向がある。
中綴じの場合、ページを積み上げて真ん中で折るため、ページ数が多かったり紙が厚いと中ページの左右寸法が短く仕上げられる「せり出し」が発生する。また、小口部分を断裁して仕上げることを「クリープ処理」ともいう
無線綴じの方法。折り丁を積み重ね、背中部分を削って(ミーリング)、表紙でくるむ

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