ナナオのEIZOブランドの液晶ディスプレイ「FlexScan」シリーズや「FORIS」シリーズには、PCからディスプレイの設定を変更できる「ScreenManager Pro for LCD」というツールが提供されている。ここでは、ScreenManager Pro for LCD(DDC/CI)の新バージョンで追加された「EyeCare Filter」機能にスポットを当ててみたい。画面のまぶしさを緩和して見やすくするほか、長時間の使用でも目の負担の軽減がはかれるとても有用な機能だ。

"紙"の雰囲気を画面で再現できる「EyeCare Filter」

ナナオの液晶ディスプレイ「FlexScan EV2335W」でEyeCare Filterを試用

仕事やプライベートを問わず、1日に何時間もPCを使う人は多いと思う。PCの画面は近距離で凝視することが割と長い時間続くので、目の疲れが気になっていないだろうか。目の奥が何となく重かったり、首や肩のコリに悩まされている人は、原因の1つとしてPCの長時間使用による疲れ目を疑ってみるべきだ。これといった自覚症状がなくても、PC使用は目に負担をかけているので、こまめな休憩や目薬といった対策を心がけたい。

もっともよいのはPCを使わないことだが、まず不可能だろう。PCを使いつつも、できるだけ目の負担を軽くできると嬉しいのだが、これを実現できるのが、ナナオの液晶ディスプレイ用ツール、ScreenManager Pro for LCD(DDC/CI) Ver.2.3.0に含まれるEyeCare Filterだ。

EyeCare Filterを簡単にいうと、画面の最前面に半透明のフィルタを表示する機能だ。"表示"というより、"覆う"といったほうが実際のイメージに近いかもしれない。全6種類のフィルタ(模様)を標準で備え、フィルタをかけたときの透過率と明るさも調整できる。また、JPEG形式やPNG形式などの画像ファイルも、オリジナルのフィルタとして使うことが可能だ。

EyeCare Filterの設定。6種類のプリセットフィルタが用意され、オリジナル画像を使うことも可能。フィルタの透過率と明るさも調整できる

フィルタを有効にすることで画面がどうなるかというと、液晶ディスプレイに特有の"何となくギラギラ、ツブツブした感じ"が大幅に緩和される。自然で柔らかな画面表示になり、まぶしさが抑えられるぶん、目の負担も軽くなる。地味な機能なのだが、効果は非常に大きい。

プリセット「画像 1」

プリセット「画像 2」

プリセット「画像 3」

プリセット「画像 4」

プリセット「画像 5」

プリセット「画像 6」

同時に、"紙"の質感や雰囲気を画面で再現できるのも、EyeCare Filterの大きな特徴だ。最近のFlexScanシリーズは「Paper」モードという画面モードを搭載しており、PaperモードとEyeCare Filterを併用することで、より"紙の見え方"に近くなる。

EyeCare Filterが適しているのは、電子書籍の読書、オフィスアプリケーションの作業、ニュースサイト等のWebブラウズ、非アクション系のゲームなどだ。比較的長い時間、集中して画面を眺める用途で、見やすさや疲れ目の軽さを実感する。……次ページ「初音ミクのオリジナルフィルタで心踊らす」