データ通信カードも不要で、ケーブルもいらない――WiMAXパソコンは、スタイリッシュにいつでもどこでも、高速なインターネットでWebブラウジングを楽しめる。2011年6月に100万契約を突破した高速ワイヤレスブロードバンドの「UQ WiMAX」だが、WiMAX Speed Wi-Fi対応ルーターと並んで、このWiMAXを内蔵したノートPC「WiMAXパソコン」が注目を集めている。

本稿では、富士通の「LIFEBOOK SH76/D」を使ってWiMAXパソコンの魅力をお伝えする。

今回、WiMAXパソコンの魅力をお伝えするのに使用した「LIFEBOOK SH76/D」。

WiMAXの特長と魅力

WiMAXは下り最大40Mbps上り最大10Mbpsの高速ワイヤレスブロードバンド(通信速度は規格上の最大値)。自宅はもちろん、外出先や移動中など、いつでもどこでも高速インターネットを利用できるという利便性が特長。大容量ファイルの送受信や動画のストリーミング再生なども途切れることなくスムーズに行え、ストレスを感じることがない。また、WiMAXでは3G回線で行われているようなデータ通信量によって通信速度の制限を行う帯域制限がないので、好きなだけインターネットが楽しめる。さらに、プロトコル制限もないので、利用できないサイトやアプリもない。

WiMAX通信モジュールと機器追加オプション

試用機の「LIFEBOOK SH76/D」のパームレスト部には、WiMAX内蔵を表すシールが貼ってある。

新型のWiMAX内蔵PCが採用しているWiMAX通信モジュールはインテル(R) Centrino(R) Wireless-N + WiMAX6150。従来のインテル(R) Centrino(R) Wireless-N + WiMAX6250内蔵PCが2つのアンテナのうち片方を使って通信していたのに対し、インテル(R) Centrino(R) Wireless-N + WiMAX6150内蔵PCには2つのアンテナのうち、電波状態がよいアンテナをダイナミックに選択して利用するTransmit Antenna Selection(TAS)という機能が追加されている。従来のWiMAX通信モジュールでも充分に高速インターネットが利用できるが、TAS機能を備えたインテル(R) Centrino(R) Wireless-N + WiMAX6150では、家の中や高速移動中の通信環境での接続性・通信性能が向上している。

電波状態が良いアンテナを選択して利用する「TAS」機能の追加により、上り(送信)/受信(下り)の通信性能がバランスよく設計されているイメージ。

なおWiMAX内蔵PCのアンテナは、小型のデータ通信端末よりも大型のものが採用されている。さらに、金属による電波干渉を考慮した設計を採用したことで、受信感度がよく、安定した通信が行える

加えて、料金が格安なのもWiMAXの魅力だ。1年契約の「UQ Flat 年間パスポート」ならずっと月額3,880円と他のモバイル通信と比べてもかなりお得。引っ越したばかりの人やインターネット環境の導入を考えている新入生・新入社員の人などには、工事不要、配線不要というのも嬉しい利用エリアも充実していて、政令指定都市では実人口カバー率が95%以上、東名阪主要都市では99%以上となっていて安心だ。

また、海外のWiMAXサービス事業者と連携して提供する「WORLD WiMAX」が利用できる点も特長だ。WORLD WiMAXは、日本国内で利用しているWiMAX内蔵PCを使って、全米71都市、韓国25都市でWiMAXサービスが利用できるというもの(2011年1月時点)。米国での利用は現在、無料で利用できる(2011年6月時点)。手続きや接続設定も簡単なので、ビジネスはもちろん、レジャーの際も便利に利用することが可能だ。提供エリアについても順次拡大予定とのこと。今後、ますます便利なサービスになるだろう。

さらにWiMAXでは1つの契約で複数のWiMAX機器を使い分けることができる「WiMAX機器追加オプション」を利用するのもよいだろう。このサービスは、通常の利用料に加えて、1台追加につき月額200円支払うことで、WiMAX内蔵PCとWiMAX Speed Wi-Fiといった2つ以上のWiMAX機器を最大3台までひとつの契約回線で利用できるというもの。自身が持っているWiMAX機器をTPOに応じて使い分けることが可能だ。