PCを長く使い続けるうえで、重要なのが基本スペックと拡張性だ。この度、新たに登場したエプソンダイレクト「Endeavor MR6000」は、どちらの点も余裕を持ってクリアしているといえるだろう。納得の基本スペック、そして充実の拡張性。使えるミニタワー「Endeavor MR6000」の詳細を見ていきたい。

コンパクトなボディに将来性まで見据えた余裕の拡張性!

エプソンダイレクト「Endeavor MR6000(以下MR6000)」は、ハイパフォーマンスをコンパクトなボディに詰め込んだミニタワーPCだ。ポジション的にはスリムタイプPC、Endeavor MR3500の兄弟機となるのだが、「ミニ」といってもタワーケースのため拡張性が十分確保されている点が、MR3500との大きな違いになっている。

今回試用したMR6000の基本的な構成。Core 2 Quad Q9400(2.66GHz)、メモリ2GB、チップセット内蔵ビデオ機能という構成だ 初回起動時に表示される初期設定ツール。初心者に優しく便利なユーティリティである

そんなMR6000だが、机上に設置することも可能な幅179mm、奥行き396mm、高さ368mm(突起部を除く)という省スペースサイズに収まっている。このミニタワーボディに3.5インチHDDを最大3台、5.25インチ光学ドライブを最大2台も搭載できる。

ケース自体は、エプソンダイレクトの従来のMTシリーズのものをベースにしており、HDDを搭載するシャドウベイ部分のHDDスウィングアクセス機構も継承している。これはシャドウベイのフレームが90度回転することで、楽にHDDの脱着が行えるというものだ。また同時に作業スペースが拡がるので、マザーボードへのアクセス、特にメモリソケットへのアクセスが容易に行えるというメリットもある。

MR6000の内部。試用機はビデオカードなし(基本構成)だったので、内部は広々として見える
ドライブベイは、5.25インチドライブベイが2基、3.5インチシャドウベイが3基用意されている。3.5インチシャドウベイはHDDスウィングアクセスによりHDDの脱着、交換が簡単に行える。また、メモリソケットへのアクセスも容易になる

このほか外観から気がつくのは、本体前面にメモリカードリーダー/ライター、各種I/Oポートが組み込まれている点だ。SDカードに関してはSDHCにも対応し、コンパクトフラッシュ、マルチメディアカード、メモリースティック、スマートメディアなども扱える。前面のI/OポートはUSB2.0ポートが3つ用意され、さらにサウンド入出力も行える。

光学ドライブが収まるドライブベイ2基には、その両方にドアが用意されていて、フロントベゼルの色を気にせずドライブを搭載できる。すっきりとしたデザインの造りの本体ケースといえる。

前面パネルに標準搭載されたマルチカードリーダー/ライターは、SDHCはもちろん、CFカードやメモリースティックなどに対応する。フロッピーディスクドライブより、こちらのほうが今となっては使い道が多いだろう 前面パネルのI/Oポート。USB2.0ポートが前面に3つあるのが便利だ

Core 2 Quadにも対応し、ハイパフォーマンスを実現

MR6000に採用されているマザーボードはMicro ATXタイプで、G45 Express + ICH10Rというチップセット構成だ。CPUに関しては基本構成モデルにCeleron 430(1.8GHz)を搭載し、BTOでCore 2 Quad Q9650(3GHz)まで選択できる。Core 2 Quad Q9650はハイエンド系のCore 2 Quadとして、高い人気とパフォーマンスを誇っている。もちろんコストパフォーマンスを重視しCore 2 Duoを選ぶことも可能だ。

高性能なCPUを搭載する際に気がかりになるのは、本体ケース内部の空調だ。同機種では92mm角の電動ファンを背面に1基装備し、電源ユニットの電動ファンと併せて、内部の空調を行っている。また、CPUクーラもサードパーティ製の高性能なものを搭載して高性能CPUに対応している。それでも静音性はしっかり確保されており、カタログスペックでは待機動作時の騒音値は31dBとのこと(ささやき声程度と思ってほしい)。

背面に空調用の92mm角電動ファンが取り付けられている

メモリは、DDR2から進化したPC3-8500(DDR3-1066)を、4本のメモリソケットに最大4GBまで搭載可能だ(使用可能な容量は約3GB)。また、メモリを同容量2枚セットで搭載した場合はデュアルチャネルとなり、さらなるパフォーマンスの向上が期待できる。

ビデオ機能に関してはチップセット内蔵のグラフィックス・メディア・アクセラレータ X4500HDが基本構成。ちなみに、これはチップセット内蔵のビデオ機能としては2D、3D共に高いパフォーマンスを誇っている。特にEndeavor MT7900と比較して、3Dグラフィック機能の性能向上は目覚ましく、かなりヘビーなゲームでも余裕で対応してくれる。

MR6000の対応メモリはDDR3。4つのメモリソケットで最大4GBを搭載可能だ。もちろんデュアルチャネル対応 エクスペリエンス インデックスの値は、非常に優秀だ。とくに「ゲーム用グラフィックス」の「4.2」に注目。これでも不満を感じた時は、ビデオカードの導入を考えればいい

また、同機種にはPCI Express x16スロットが1基、PCIスロットが2基、そしてPCI Express x1スロットが1基用意されている。このため別途、ビデオカードを搭載することも可能だし、BTOオプションとしてもNVIDIA GeForce 9500GTなどが用意されている。なお、特筆すべきなのは光学ドライブを1台のみ搭載する場合は、いわゆるフルサイズのPCIカードを増設できる点だ。光学ドライブを2台搭載する場合は230mmまでだが、1台の場合は312mmのPCIカードが利用できる。

なお300Wの電源ユニットは、80PLUSの認証を取っており、電力効率の高さで省電力を実現している点にも好感が持てる。