前回は、今実際にどのような人がクラウドソーシングを使って在宅ワークをしているかについてご紹介させていただきました。一昔前までは「在宅ワーク=主婦」がやるというイメージでしたが、最近では学生のお小遣い稼ぎやパート・アルバイトと掛け持ちなど、在宅ワークをする人々も多様化してきています。

では、そのような在宅ワーカーにどのような仕事が依頼されているのでしょうか。今回は現在、在宅ワーカーにどんな仕事が依頼されているのか、またどのような人や会社が依頼主となっているのかをご紹介します。

「部屋掃除」が仕事に! 在宅ワークの種類も多様化

最近では依頼される仕事の種類も多様化しています。クラウドソーシングがまだ認知され始めて間もない頃は、データ入力やライティング、システム開発にデザインなどPCを使わなければできない仕事がほとんどでした。しかし、現在ではお礼状など手書きの代行やアクセサリー製作など、PCを使わない手作業で行う在宅の仕事や、部屋掃除など在宅ではなく外に出て行う仕事など、様々な仕事がクラウドソーシングで依頼されるようになっています。

依頼主は法人だけじゃない! 個人も依頼主に

仕事というと会社のイメージがあるため、その依頼主は会社であると思っている方も多いのではないでしょうか。実際に依頼主の多くは株式会社をはじめとする法人がほとんどですが、最近では個人の依頼主も増えつつあります。

では個人がどのような仕事を依頼しているかというと、その多くは自分が運営しているWEBサイトやECサイト上のサポート業務です。ECサイトを事例にあげますと、販売する商品に関する商品情報リストの作成や、ユーザー対応の代行など様々な業務が在宅ワーカーに依頼されています。このようにこの数年で、WEBサイトやECサイトを始めやすいよう、様々なサービスが登場しており、個人が自ら立ち上げやすい環境が整ってきました。それに伴い、個人が在宅ワーカーに仕事を依頼するケースが増えてきています。

依頼主は年々増加、市場規模は2018年に1,800億円!

クラウドソーシングという言葉が日本で広まりだしたのは2011年頃ですが、近年その市場規模は飛躍的に大きくなっています。矢野経済研究所が発表した「クラウドソーシングサービス市場に関する調査結果 2014」によると、現在の2015年度の市場規模は650億円。3年後の2018年度には1,800億円と、約3倍まで拡大することが予想されています。

市場規模が拡大している一番の理由は、クラウドソーシングを活用する仕事依頼主の増加です。仕事の依頼主からすれば、在宅ワーカーに直接業務を依頼することによって中抜き業者を通さず、より安価に業務を依頼できます。そのため多くの依頼主がそれまで正社員や派遣社員、アルバイトを雇用し依頼していた仕事を、クラウドソーシングを活用して在宅ワーカーに直接依頼するように変わってきています。

今後もクラウドソーシングでできる仕事の種類はますます多様化していきますので、あなたのやりたい仕事や、スキルで手軽に行える仕事がクラウドソーシングで簡単に見つかるようになっていくと考えられます。

(※写真画像は本文とは関係ありません)

<著者プロフィール>

田中偉嗣(たなか たけつぐ)

株式会社うるる シュフティ事業部 部長。2006年早稲田大学卒業。新卒でベンチャー支援事業を行う企業でファイナンシャルアドバイザー、営業部長などを行う。その後、2009年に新卒で入社した企業より事業譲渡を受け独立。パートナーズ株式会社 代表取締役に就任。2010年株式会社うるる入社。2011年にシュフティ事業部長に就任し、その後主婦向けクラウドソーシング「シュフティ」事業部を牽引。毎月一回在宅ワーカーにインタビューを行うなど、在宅ワーカーの動向に詳しい。