【コラム】

Yet Another 仕事のツール

104 超高機能CMS TYPO3を使いこなしてみよう(1)

    鶴田展之  [2006/04/11]

    ここしばらく1回読みきり形式で小粒だが役立つソフトウェアを紹介してきたが、今回からは久しぶりに、数回を費やして大物のソフトウェアを紹介していきたいと思う。当コラムでは、これまでもXOOPSやPloneなど様々なCMSを取り上げてきたが、今回から扱うのも高機能なCMSである。ドイツで開発され、特に欧州圏で非常に高い人気を集める「TYPO3 」だ。

    TYPO3はPHP、MySQLによって実装されている、当コラムでもお馴染みのいわゆるLAMPアプリケーションだ。日本ではまだあまり普及していないが、昨年末に「TYPO3 Japan 」が設立されるなど、今後のブレイクが大きく期待される状況である。今から覚えておくとちょっとおいしい、旬のソフトウェアといえるだろう。ちなみにTYPO3 Japan2月に開催されたNET & COM 2006にも出展していたので、当日会場でデモを目にされた方も多いかもしれない。

    さて、そのTYPO3だが、これまで当コラムで扱ってきたような「簡単に導入できます」「簡単にWebサイトが作れます」的なシステムとは、はっきりと一線を画している。TYPO3のWebサイトにも「TYPO3 is a very huge and capable system and it cannot be fully learned in a week!」と書かれているが、極めて大規模で高機能であるが故に、中身を理解するにはそれ相応の努力を必要とするのである。ただ、一度理解してしまえば、CMSとしての機能は高価な商用アプリケーションにも劣らない。機能リストを見れば、一般的なWebサイトの構築、運営に必要なほとんどの機能が揃っていることがわかるだろう。リッチテキストエディタによるコンテンツのWISIWYG編集、パフォーマンスに大きく影響するキャッシング、SEO対策に影響するURLのリライティングなど、痒いところに手が届く便利な機能が盛りだくさんだ。

    さらに、TYPO3で特筆すべきは、拡張性とデザインにおける自由度の高さである。

    TYPO3のエクステンション・リポジトリには、TYPO3の機能を拡張する1300以上(!)の外部モジュールが登録されている。もちろん、その中で実際に有用なものがいくつあるかは実際に使ってみなければわからないし、サイトによっても異なることだろう。しかし、拡張機能の多さは、そのソフトウェアの開発コミュニティの規模の大きさを測る指標として見ることも可能だ。これだけ多くの開発者がコミュニティに参加しているTYPO3は、将来性の面でも有望と考えられるのである。

    デザイン面では、TYPO3には強力なテンプレート機能が実装されている。テンプレートはMacromedia Dreamweaver等のオーサリングツールとの親和性が考慮されており、CMSの導入によってWebデザイナが新たな技能を求められるといった負担を極力排除するよう設計されている。また、テンプレートを制御する「TypoScript」言語や「TemplaVoila」と呼ばれるXMLベースのテンプレートウィザードなど、技術を習得すればいろいろ便利になりそうな機能もある。

    実のところを言えば、筆者もTYPO3に関しては調査を始めたばかりで、まだそれほど詳しいわけではない。だからといってこれまで紹介してきたソフトウェアに詳しいかと言えばそんなこともないのだが、TYPO3は2~3日触って記事を書けるほどシンプルなものではない。そんなわけで筆者としても多少不安はあるのだが、読者の皆さんと一緒にこの新しいCMSの機能をひとつひとつ探っていければ、と考える次第である。

    幸いTYPO3のコミュニティでは、入門の敷居を下げるための努力もきちんと行われている。Windows、Mac OS X、Linuxそれぞれに向けて、インストーラ形式の導入パッケージが整備されているのだ。例えば、WindowsやMac OS X向けパッケージには「XAMPP」が同梱されており、PHPやMySQLのセットアップに頭を悩ますことなく、TYPO3を使い始めることができる。さっそく次回からはこれらの入門用パッケージを導入するところからはじめてみようと思うので楽しみにして欲しい。

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