【コラム】
仕事には大抵、「納期」というものが決められている。このコラムにも「締め切り」という名の納期があり、毎週火曜になると、容赦なく担当編集O氏からの催促がメッセンジャーのウィンドウにポップアップする仕組みになっている。
納期というのはつまり、顧客に対して「これこれこういう仕事を、いついつまでに終わらせますよ」という約束である。約束を守らないとどうなるか。当然信用を失い、仕事を切られ、最悪の場合は失職して路頭に迷うハメになるのである。だから我々社会人は、どんなに辛くとも苦しくとも、なんとかして納期を守ろうと努めるわけだ。
が、原稿書きのような個人的な仕事ならば進捗は自らの努力次第だが、企業の仕事というのは、その大半がもっと大規模で複雑なものである。仕事の規模が大きくなれば、比例してプロジェクトを構成する要員の数も増える。人が増えればそれだけ、個々の担当する業務の進捗を厳密に管理する必要が出てくるのは自明なことだろう。
よく、Excelシートをガントチャート的に塗りつぶして進捗管理を行っているのを見かけるのだが、もともと進捗管理向けに設計されていないExcelでは機能的にも限界があり、結局は管理者の自己満足的な作業に堕してしまうケースも多いように思う。やはり、きちんと進捗を管理するためには、専用のツールを使うのが筋であろう。そこで、今回からしばらくの間、プロジェクトの進捗管理というテーマで、いくつかのオープンソース・ソフトウェアを紹介していこうと思う。まず、今回は「GanttProject」を使ってみたい。
GanttProjectは、GPLライセンスの下で配布されているオープンソースの進捗管理ツールで、ちょうどつい最近、2月9日に最新メジャーバージョンの「2.0」がリリースされたばかりだ。開発言語にはJavaが採用されており、Windows、Linux、Mac OS Xなど、幅広いプラットフォーム上で動作する。導入に関しては、Mac OS Xではアプリケーションのアイコンをドラッグ&ドロップしてディスクにコピーするだけ。Windowsでも、付属するインストーラを実行するだけなので非常に簡単だ。
早速、GanttProjectを起動してみよう。「今日のTips」ウィンドウを見てもわかるようにちゃんと日本語化が行われている。メニューも全て日本語表示だ。
まず、新規にプロジェクトを作成する。「プロジェクト(P)」-「新規プロジェクト(N)」を実行し、管理対象となる業務の情報を入力しよう。
プロジェクトが作成できたら、仕事を「タスク」として登録していく。タスクは階層的に登録できるので、「設計」や「プログラミング」といった大区分の下に、細かい作業単位で詳細なタスクを作成可能だ。
一通りタスクを作成したら、それぞれの作業について、作業期間を指定しよう。「Begin Date(開始日)」「End Date(終了日)」を入力するか、ガントチャートの線を直接ドラッグして期間を設定できる。
なお、各タスクには、「先行タスク」が指定できる。あるタスクが、「○○のタスクが完了していないと始められない」という場合には、そのタスクを先行タスクに指定しておく。例えば、「プログラミングは設計が完了してからでないと始められない」という場合には、「プログラミング」の先行タスクに「設計」を指定すればよい。
先行タスクの設定は、各タスクの「プロパティ」ウィンドウを開き、「先行タスク」のタブから行える。
各タスクには担当者をアサインできるが、それには予め担当者を登録しておく必要がある。担当者には、名前、電話番号、メールアドレスに加え、プロジェクトでの役割を登録できる。
タスクへの担当者のアサインは、タスクのプロパティから「担当者」タブで行える。余談だが、一度担当者を登録してしまえば、別のプロジェクトでもこのプロジェクトの担当者をインポートして再利用できるので、何度も同じ名前を登録するような面倒は避けられる。
プロジェクト全体のタスクを登録したら、「View」-「PERT chart」を実行してみよう。ガントチャートと並んでプロジェクト管理で良く利用される「PERT図」の表示、編集ができる。一般的に、進捗状況を視覚的に掴みやすいのがガントチャート、タスク相互の関係や流れを把握しやすいのがPERT図である。
あとは、各担当者から日々報告を受け、適宜進捗を入力していけばよい。「View」-「Chart options」で「Show today as red line」をチェックしておけば、チャート上の「今日」の日付に赤い線が表示される。この線とガントチャートの進捗を比較すれば、予定に対してどの作業がどの程度遅れているか、といったことも瞬時に判断できる。
GanttProjectは、「エクスポート」の機能も豊富だ。PNG/JPEG形式、CSV形式、HTML形式、PDF形式、さらには、Microsoft ProjectのMPX/MSPDI形式でもデータを出力できる。
ただ、試しにHTML形式のエクスポートを行ってみたところ、出力ファイル名にプロジェクトの名前が使われるため、名前にマルチバイト文字を使っているとうまくリンクが張られないという問題があった。プロジェクトの名前には、なるべく英数字だけを使うようにしておいた方が無難だろう。
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