【コラム】

Yet Another 仕事のツール

85 OpenOffce.org 2.0「Base」を使ってみる

    鶴田展之  [2005/11/01]

    今回は久々にデスクトップ方面の話題でお届けしたい。既に広く報道されている通り、Microsoft Officeにも対抗しうる数少ないオフィススイート「OpenOffice.org」のバージョン2.0がリリースされた。今回のメジャーアップグレードのYetAnotherな目玉は、なんといっても新しく追加されたデータベースアプリケーション「Base」だろう。

    OpenOffice.orgに限らず、これまでMicrosoft Office以外のオフィススイートがどうしても普及に至らなかった要因のひとつには、「Accessのようなデータベースアプリケーションがない」ことが挙げられるではないだろうか。もちろん、オープンソースの世界にはPostgreSQLやMySQLといった優れたデータベースがある。とはいえ、技術者ではない一般のユーザがこれらのデータベースを日常的に扱えるようにするには、使い勝手の良いGUIツールを別途用意しなければならないだろう。最近はpgAdminIIIやMySQL Administratorなどのツールも充実してきたが、ExcelやWordとの緊密な連携という点では、Officeの一部として統合されたAccessに敵わない。

    そういった意味では、オープンソースの活用によってライセンスコストを低減したい企業にとって、「Base」はまさに待望のアプリケーションである。早速、Windowsデスクトップ上で試してみよう。

    OpenOffice.org 2.0をインストールし、「Base」を起動すると、「データベースウィザード」の画面が表示される。

    ここでは「新規データベースの作成」、既存のデータベースファイルを「開く」、そして既存のデータベースに「接続」の3つの手順が選択できる。前者2つは、Baseが採用するデータベースエンジン「HSQLDB」のデータベースを利用する。HSQLDBは100% Pure Javaで開発されたリレーショナルデータベースで、軽量で扱いやすいことから最近人気を集めている。後者は、外部データベースとしてOracle、MySQL、PostgreSQLなどのリレーショナルデータベースはもちろんのこと、MozillaやOutlookのアドレス帳、LDAPディレクトリもサポートする。ODBCやJDBC等、接続に使用する技術もユーザが選択できるので、非常に多彩なデータソースにアクセス可能だ。

    まずは、HSQLDB形式のデータベースをひとつ作成してみよう。ウィザードに従ってデータベースを作ると、Accessライクなインターフェースが表示される。

    画面のデザインは異なるが、テーブル、クエリー、フォーム、レポートといった要素や、テーブルの作成時にデザイン表示とウィザードが選択できるのもAccessと同じである。つまり、Baseの基本的な機能は、HSQLDBにAccessライクなインターフェースを被せたものとも考えられるだろう。

    次は、外部データベースへの接続を試してみよう。接続先にはPostgreSQLを使用する。OpenOffice.orgにはPostgreSQLへの接続用ドライバは含まれていないので、まずこちらから「postgresql-sdbc-driver」を入手する。これは「SDBC(Star Database Connectivity)」と呼ばれるデータアクセス抽象化レイヤに対応するドライバで、OpenOffice.orgのコンポーネント技術「UNO(Universal Network Objects)」を利用するものだ。ダウンロードしたファイルは「postgresql-sdbc-0.6.2.zip」と、ZIPアーカイブ形式になっているが、これを展開する必要はない。コマンドプロンプトから、OpenOffice.orgのunopkgコマンドを使ってそのまま導入するだけだ。

    C:\Program Files\OpenOffice.org 2.0\program> unopkg add postgresql-sdbc-0.6.2.zip

    ドライバが追加できたら、OpenOffice.orgを再起動する。単にアプリケーションを終了するだけでなく、タスクトレイに常駐している「クイック起動」も終了しよう。再び「Base」を起動すると、接続先データベースの選択肢として「postgresql」が追加されているはずだ。あとはウィザードに導かれるまま、接続設定を行えばよい。「2.接続の設定」では、「host=localhost dbname=testdb」のように、データベースを特定する接続文字列を入力する。

    接続に成功すれば、BaseからリモートのPostgreSQLサーバ上のデータを閲覧・編集できる。

    さらに、接続したデータベースをOpenOffice.orgに登録しておけば、表計算「Calc」の「データパイロット」機能等と連携するのも容易だ。

    まだ少ししか試していないので、安定性や実際の業務にどの程度有効かまでを判断するのは難しいが、動作は軽快だし、インターフェースもかなりわかりやすい。流石にAccessと同等とまではいかないかもしれないが、「Base」が加わったことでOpenOffice.orgの魅力が大きく増したのは確かだ。

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