【コラム】

Yet Another 仕事のツール

70 OpenSolarisをビルドしてみる(2)

    鶴田展之  [2005/06/28]

    前回に引き続き、今回はOpenSolarisのビルド、そしてビルドしたカーネル等のインストールまでを行ってみる。前回の手順で開発ツール群やソースコード等が揃っていれば、あとの作業は簡単だ。まず、ビルドの環境を正しく設定するために、環境記述ファイル「opensolaris.sh」を編集する。設定が必要なのは、以下の3つのパラメータだ。

    • GATE : ワークスペースのトップレベルを指定する。本コラムの例では「testws」だ。
    • CODEMGR_WS : ワークスペースへのパスを指定する。本コラムの例では「/exports/testws」となる。
    • STAFFER : ビルドを実行するユーザアカウントを指定する。今回はrootで作業しているので、そのままrootと指定する。

    あとは、OpenSolarisのソースコードを配置したワークスペースをカレントディレクトリとし、「onbld」ツールに含まれる「nightly」コマンド(/opt/onbld/bin/nightly)を、環境記述ファイルを指定して実行するだけである。

    # cd /exports/testws
    # nightly ./opensolaris.sh

    「nightly」は、その名の通り、毎夜その日の変更を取り込んだテスト用のビルド、つまり"nightly snapshot"を生成するためのツールだ。あらかじめopensolaris.shとして、ビルドに必要な情報をまとめておくことで、nightlyのようなコマンド一発で、常に同じ設定に基づいたビルドが作成できるわけだ。

    nightlyコマンドを実行したら、ビルドが完了するまでひたすら待つのみだ。OS、しかも「Solaris」をソースからコンパイルするのだから、時間はかかって当然。最新のハードウェアでも2~3時間かかることは覚悟しておこう。ちょっと古めのハードウェアを使うなら、マシンの前で待っているのも無駄なので、ほったらかして眠ってしまおう。"nightly"というのは、つまりはそういうことである。もし、Solarisがインターネットにメールを送出できる設定になっていれば、nightlyコマンドの完了時に$MAILTO環境変数で設定されたアドレス宛に、通知メールをとばすことも可能だ。

    さて、長時間にわたるビルドが終わったら、OSの核となる「カーネル」や、動作に最低限必要なライブラリ、コマンド等が、実行可能な形で生成される。が、あくまでも実行可能なだけであって、実際に次回からこのカーネルで起動するわけではない。そこで、OpenSolarisの起動をテストしてみるためには、生成したプログラムをインストールする作業が必要となる。ここからの作業は、OpenSolarisの開発者向けリファレンスマニュアルに詳しい解説がある。「1.3.4 Upgrading to the Latest Bits」、及び「5.3 Using BFU to Install ON」の章が、インストール方法の詳細だ。

    インストールは、onbldに含まれる「bfu」コマンドで行う。ちなみにbfuは、「The Blindingly Fast Upgrade (直訳すると目もくらむほど高速なアップグレード)」を意味するらしい。本当に目がくらむか、試してみよう。まず、以下のように3つの環境変数をセットする。

    # export FASTFS=/opt/onbld/bin/i386/fastfs
    # export BFULD=/opt/onbld/bin/i386/bfuld
    # export GZIPBIN=/usr/bin/gzip

    あとはbfuコマンドにnightlyが生成した実行ファイル群の場所を教えてあげるだけだ。

    # bfu /exports/testws/archives/i386/nightly

    目がくらむ…… ほどではないが、インストールはすぐに完了する。再起動すれば、ビルドされたOpenSolarisの新しいカーネルで起動するはずだ。

    # reboot

    「OSのビルド」というと、なにやら非常に難しそうなイメージが浮かぶが、OpenSolarisの場合は、さすがに実績あるSolarisだけあって、各種ツールがきちんと整備されている印象だ。Linuxなどに多少触れた経験があれば、容易に最新のSolarisの動作を試してみることができるだろう。

    OpenSolarisの開発は、正式なSolarisの次期リリース「Nevada」に繋がっていく。当面、2週間毎に最新のソースコードが公開される予定とのことなので、OSに興味のある方は、Solarisがコミュニティの力でどう変わっていくかを追いかけてみても面白いのではないだろうか。

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