【コラム】

Yet Another 仕事のツール

6 高機能CMS XOOPS(1)導入

鶴田展之  [2004/02/10]

前回はデータベース「MySQL」を便利に使うためのクライアント・インタフェースをいくつか紹介したが、データベースというのはあくまでもデータの「入れ物」である。データベースを使うことは手段であって目的ではない。そこで、今回からしばらく、MySQLの具体的な活用事例を紹介していこう。取り上げるのは、「XOOPS」というシステムだ。

XOOPSは、一言で言えば「Webサイトを簡単に構築・運営できるWebアプリケーション」だ。最近、Webサイトの構築・運営を省力化する「CMS (Contents Management System)」が特に注目を集めているが、XOOPSもその一種だと考えてよい。XOOPSでは、サイトを訪れる閲覧者側はもちろん、サイトの運営者側にも特別なクライアントソフトは必要ない。Webページへの情報の追加やデザインの変更など、全ての作業はWebブラウザから行う。HTMLを書くことなく短時間で高機能なWebサイトを開設でき、なおかつ日々の更新、情報の追加も楽にできる。

XOOPSでは、Webサイトに表示される情報やページのレイアウトなど、様々な情報をMySQLデータベースを使って管理している。つまり、前回紹介したクライアントソフトやODBCドライバと同様なMySQLへのインタフェースの役目を、「Web」が果たしているのだ。これが現在、オープンソース・ソフトウェアの適用分野として最も重要視されている技術であり、中心的に使用される4つのオープンソース・ソフトウェア/Linux/Apache/MySQL/PHPの頭文字をとって"LAMP"と呼ばれている仕組みだ。

具体的には、XOOPSのシステムは図1のように構成される。

図1

XOOPSのシステム概念図

Apacheは言わずと知れた、最もポピュラーなWebサーバである。PHPはApacheモジュールとして動作するスクリプト言語で、MySQLをはじめとする多数のデータベースとの強力な連携機能を持っている。XOOPSを動作させるために、まずは基盤となる"LAMP"の環境を整えよう。例によって詳細な導入手順は割愛するが、1点だけ注意点を上げておきたい。多くのディストリビューションでは、PHPのRPMパッケージで国際化機能「mbstring」がオフになっており、日本語の文字が正しく扱えない。この場合は、PHPのSRPMをリビルドするか、ソースからコンパイルする必要がある。なお、Fedora Core 1にはmbstringを有効にしてビルドされたRPMパッケージが収録されているので、とりあえず試してみるだけならこれがお勧めだ。

LAMP環境が整ったものとして話を進めよう。肝心のXOOPSのインストールだが、こちらは非常に簡単で、慣れれば10分もかからない。ただ、予め必要な作業として、MySQLデータベースを作成しておく。以下の例では、"xoops"という名前でデータベースを作成している。"password"はMySQLのrootユーザのパスワードだ。

$ mysqladmin -uroot -ppassword create xoops

このデータベースに接続可能なユーザを1人作成しておこう。以下の例では"xoops"というユーザが自動的にMySQLに登録される。"identified by"で指定しているのは、xoopsユーザがデータベースに接続する際に必要なパスワードだ。推測されにくいものを使用しよう。

$ mysql -uroot -ppassword xoops
mysql> grant all on xoops.* to xoops@localhost identified by 'password';

なお、これらの作業は前回紹介したNavicatを使っても実行できる。Navicatは試用版もダウンロードできるので、是非試してみて欲しい。

データベースの準備はこれで完了、あとはXOOPSのスクリプト群をインストールする作業だ。ちょうどタイミングよく、2月7日にXOOPSの最新バージョン「2.0.6」がリリースされた。ただ、執筆時点ではちょっとした不具合が出ており修正作業中とのことなので、修正完了のアナウンスが流れてからダウンロードした方が良いだろう。

ダウンロードしたファイルを展開し、"html"ディレクトリの内容をApacheの公開ディレクトリ下にコピーする。あとは以下のようにパーミッションを調整するだけだ。

$ chmod 777 cache
$ chmod 777 templates_c
$ chmod 777 uploads
$ chmod 666 mainfile.php

ブラウザからこのディレクトリに初めてアクセスした時、インストールウィザードが起動して必要な設定をガイドしてくれる。

インストールウィザード

インストールウィザードでの設定が完了したら、安全のためにXOOPSディレクトリ下のinstallディレクトリを削除し、設定ファイルmainfile.phpのパーミッションを変更しておこう。

$ rm -Rf install
$ chmod 644 mainfile.php

これでXOOPSの導入は完了だ。まだなにも機能を設定していない初期状態では簡素な画面しか表示されない。

初期状態の画面

しかし、ひとつひとつモジュールを設定して機能を追加していくことで、驚くほど高機能なWebサイトが短時間で構築できてしまう。次回は本来の目的であるWebサイトの構築をテーマに、XOOPSの持っている機能を一覧してみよう。

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