【コラム】

Yet Another 仕事のツール

5 MySQLデータベースを使う

    鶴田展之  [2004/02/03]

    オープンソース・ソフトウェアを仕事のツールとして実際に使用することを考えた時、まず真っ先に候補に挙がるのが「データベース」だろう。WordやExcelはプリンストールされていることが多いのでフリーウェア感覚で使えるが、Accessは別途購入しなければ使えない。かといって、あまり膨大なデータをExcelで処理するのも非効率だ。

    インターネットとの親和性の問題もある。データベースに蓄積したデータを、現在のインターネット中心の環境で効率的に活用するには、WWWと連携させるのが便利だ。ブラウザからデータベースのデータを操作できれば、管理コストやライセンスコストを極めて小さくできる。しかし、WWW-DB連携のシステムを構築しようと思った時に、基本的にパーソナルなデーターベースであるAccessではパフォーマンスや機能がちょっと心許ない。Microsoft SQL ServerやOracleではコストがかかりすぎるし、管理にも相当なスキルが要求される。ハードウェア・スペックへの要求も半端ではないので、気軽に導入できるようなものではないだろう。

    お金をかけずに気楽に使えて、しかもパーソナルな用途から本格的なシステム構築まで幅広くカバーできる……そんなデータベースを探していくと、現状では自ずと答えが2つに絞られてくる。「MySQL」と「PostgreSQL」、どちらも高い人気を誇るオープンソースのデータベースだ。今回はまずMySQLを使ってみよう。

    MySQLはLinuxでもWindowsでも、そしてMac OS Xでも動作し、高速な検索を特徴としている。開発元のMySQL ABのサイト及び国内の代理店であるソフトエージェンシーのサイトからソースコードや各プラットフォーム向けのバイナリがダウンロードできるほか、ほとんどのLinuxディストリビューションではあらかじめ配布に含まれている。

    導入手順の解説はネット上にたくさんあるので省略するが、WindowsでもLinuxでも全く難しいことはない。とりあえずソフトエージェンシーが公開しているマニュアルの和訳を参考にすると良いだろう。

    はじめてMySQLを触るという人は、まずWindows版を使ってみることをお勧めする。Setupプログラムを実行するだけなので、簡単にインストールできるだろう。LinuxでもRPMを使えばコマンド一発で導入は完了する。

    さて、導入に成功したものとして話を進めよう。

    全てGUIで操作できるAccessのような親切なソフトと違って、MySQLに標準で付属するインタフェースは、素っ気ないコマンドライン・ユーティリティ「mysql」だけだ。しかし、いきなりSQL言語で命令を入力して使わねばならないというのは、初心者にはいささかムリがありすぎる。そこで、まずはGUIでMySQLを操作できるフリーウェア「かねやんMySQLAdmin」を使ってみよう。

    データベースの操作は、大きく分けて「データ定義」に関するものと「データ操作」のためのものがある。データベースの作成やテーブルの作成、権限の管理などは前者、データの検索、登録、更新、削除の処理が後者だ。かねやんMySQLAdminでは、主に「データ定義」の操作をエクスプローラライクなGUI上で行える。

    かねやんMySQLAdmin

    多少の対価を支払うつもりがあるなら、シェアウェアの「PremiumSoft Navicat」など、非常に便利なソフトウェアがある。Navicatでは、データ定義からデータ操作まで、MySQLの一通りの作業をGUIで行える。

    Accessそっくりのインタフェースからワークシート感覚でデータの追加や変更が行え、「クエリ」や「レポート」も作成できる。動作も驚くほど軽快だ。また、データインポート機能を使えば、AccessデータベースやExcelファイルからMySQLデータベースへのデータ移行も簡単に行える。

    Navicat

    既にAccessを使っているなら、AccessをフロントエンドにしてMySQLを使うこともできる。MySQL ABのサイトからMySQL用ODBCドライバをダウンロードしてインストールしてみよう。AccessからリンクしたMySQLのテーブルは、Accessのテーブルとほぼ同じように扱える。ODBCドライバが間に入る分、多少パフォーマンスが犠牲になるが、個人的な利用に限れば特に気にはならないだろう。(Access 2000/MyODBC 3.51.06のWindows Installerで動作を確認)

    さて、最初にも述べたが、MySQLの真骨頂はWWWとの連携にある。特に、Linux/Apache/MySQL/PHPによるWWW-DB連携は、それぞれの頭文字をとって「LAMPプラットフォーム」と呼ばれ、オープンソース・ソフトウェア屈指の成功例とされている。次回からは、LAMPによるWebアプリケーションの最高傑作、「XOOPS」を紹介していくことにしよう。

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