気が付けば日本のSIMフリースマートフォン市場でシェアトップグループに付けるほど存在感を増しているファーウェイ。ライカのカメラを搭載したP10/P9やMate9は日本だけではなく海外でも人気のモデルだ。そのファーウェイは新機種ばかりではなく、既存モデルのバリエーションを展開するなど海外では着々と製品ラインナップを増強中だ。9月にドイツで行われた展示会、IFA2017でもそんな「日本未発売の新モデル」をいくつか見つけることができた。

最新モデルを並べるIFA2017のファーウェイブース

現在のフラッグシップモデルであるP10 Plusを、中国の著名デザイナーとコラボレーションしたモデルが「P10 Plus Limited Edition Designed by Lan Yu」である。本体背面はセラミック素材を採用し、淡いグリーンに仕上げている。P10シリーズにはグリーンモデルもあるが、金属ボディーの同モデルとはイメージは大きく異なっている。上品かつ繊細な印象だ。

デザイナーとコラボしたP10 Plusの限定モデル

また蘇州地域の伝統工芸である刺繍仕上げの専用カバーも3枚付属。エレガントかつアーティスティックなセットに仕上げている。パッケージも布張りに刺繍が入った限定品だ。中国メーカーとしてグローバル展開を行っているファーウェイが、あえて母国の中国らしさを最新モデルと融合させた意欲的な限定モデルで、これは日本でもぜひ展開してほしい一品だ。

セラミック製のボディー、色は上品なライトグリーン

専用のパッケージも伝統工芸の刺繍が施される

サブブランドで展開中のhonorにも、新しい色が登場している。honorの最上位モデル「honor 9」は、P10とスペックはほとんど変わらないにも関わらず価格を大幅に抑えた製品だ。Kirin960オクタコア2.4GHz、5.15インチフルHDディスプレイ、リア2,000万+1,200万画素カメラ、フロント800万画素カメラなどP10とスペックはほとんど変わらない。逆にP10にはないRAM6GBモデルがhonor 9には存在する。そのhonor 9に、ミントグリーンの新色が登場している

日本未発売のhonor 9にもグリーン系のカラー

背面側は角のエッジ部分をカットしたデザインで持ちやすく、P10とはテイストの異なるデザインはより若い世代をターゲットにできるだろう。honor 9の日本展開は行われていないが、もし販売するのならこのミントグリーンモデルを投入してほしいものだ。

P10とはデザインも大きく異なる

さてファーウェイの今の強さは、フラッグシップモデルに加えてスペックを若干落とした「Lite」モデルも同時に投入していることだろう。カメラ画質などは及ばないものの、ハイエンド製品と同じシリーズのモデルは価格の安さに加えて使っていて安心感もある。日本でも過去に「P8 Lite」や「P9 Lite」などが販売され、いずれもヒット商品となっている。そんな人気モデルが海外では2017年モデルとして改めて投入されているのだ。例えばドイツではVodafoneから「P8 Lite」の2017年版となる「P8 Lite(2017)」が販売されている。

Vodafoneが展示していたP8 Liteの2017年モデル

P8 Liteは5インチHDディスプレイにKirin620オクタコア1.2GHz、RAM2GB、ROM16GB、メイン1,300万+フロント500万画素カメラのミッドレンジ機だった。背面デザインは今のP10の流れの元祖ともいえる、フラットなボディーの左上にカメラを搭載していた。しかしP8 Lite(2017)は全体を丸みのあるデザインに変更、5.2インチフルHDディスプレイ、RAMも3GBに強化した。背面デザインもカメラ周りはすっきりとした仕上げとし、指紋認証センサーを搭載するなど大きく変えている。ヒット作だったP8 Liteの生まれ変わりとのことで、ミッドレンジクラスの製品を求めるヨーロッパのユーザーに人気だという。

P8 Liteとは背面のデザインが大きく異なる

同様のリバイバルモデルとして登場したのが「Y6(2017)」だ。「Y6」は日本でも発売になり1万円台のお手軽価格機ながらもバランスの良い性能で人気モデルだった。そのY6をブラッシュアップした製品がY6(2017)である。

Y6も2017年に再びよみがえった。Y6(2017)はマイナーチェンジモデルと言える

Y6は万人向けともいえるデザインだったが、Y6(2017)は背面中央に配置された大きいカメラのレンズや、よりカーブを強めたデザインにしたことによりカジュアル感を強めている。CPU周りはY6のSnapdragon210からMT6737Tに変更しコストを下げる一方、カメラは800万+200万画素から1,300万+500万画素と、高性能に。SNSにアップする写真も綺麗に撮ることができる。

低価格モデルらしいデザインともいえるY6(2017)の背面仕上げ

日本でもMVNO向けにファーウェイの低価格モデルはよく売れている。この2つの2017年モデルあたりは日本向けに出しても十分受け入れられるだろう。海外モデルを続々と日本に投入しているファーウェイだけに、今回紹介した4つの製品が日本で販売される可能性も十分ありそうだ。