【コラム】

海外モバイルトピックス

118 海外モバイルトピックス 第118回 WeChat Payのスマホ支払い受け取りを、フリーマーケットでやってみた

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中国では個人商店や屋台など小規模な店舗でもモバイルペイメントが使われている。Alipay(アリペイ)とWeChat Pay(ウィーチャットペイ)は個人間でお金をやり取りするように、お店の支払いに使うことができるのだ。しかし実は個人でも簡単にお金の受け取り、つまりお店のように支払いを受けることができるのである。

個人でもQRコードを使ってWeChat Payの支払いを受けてみた

中国のモバイルペイメントの普及が一気に進んだのは導入と使い方が簡単だからだ。店舗側は支払い専用のQRコードを表示し、客側はそれを読み取り代金を入力すれば送金が完了する。たとえば中国のタクシーに乗ってWeChat Payで支払いたいと言えば、運転手は自分のスマートフォンのWeChatアカウントのQRコードを表示してくれるので、それをこちらが自分のスマートフォンで読み取ればよいのだ。

中国・アモイのタクシーに乗車。運転手のスマホのQRコードを、自分のスマホで読み取る

個人間送金のように簡単に支払いのできるWeChat Pay。ならば自分が受け取り側として使うことも出来るのではないだろうかと考えた。ちょうど2017年8月12日に東京・新橋で開催された「ガジェットフリマ 2017夏 with メイカーズフリマ出張版」(ガジェットフリマ2017夏)に筆者は出店し、普段海外取材時に各国で買い集めたモバイルグッズの不要物を放出することにしていた。そこでこのガジェットフリマでWeChat Payでの支払いを受け付けてみることにしたのだ。

ガジェットフリマ2017夏に出展。ジャーナリスト仲間のAyano*氏と同じブースで不用品を放出した

実は他のブースでもWeChat Payなどモバイルペイメントを受け付けている出店者がいらっしゃったが、どうせやるならば本物っぽくしたい、ということでQRコードを紙に印刷してそれを掲示してみることにした。なおWeChatの加入方法やマイウォレットの開通方法はネットに様々な情報があるのでここでは割愛する。QRコードは自分のマイウォレットからクイックペイ→ベンダーに支払い画面の一番下の「お金を受け取る」→QRコードが表示されるので「画像を保存」とする。ダウンロードされた画像を印刷すれば準備はOKだ。

中国の個人商店。QRコードが張り出されている。スマホで読めば決済できるのだ

ガジェットフリマの当日は、このQRコードを100円ショップで買った黒板に貼り付けて、自分のブースに設置。SNSで「現金以外にWeChat Payでも支払い可能」と宣伝も行なった。受け取りは中国元となるし、支払う側ももちろん中国元を自分のWeChat Payのアカウントに入れておく必要がある。

マイウォレットからお金を受けとるQRコードを表示し、画像をダウンロード

果たして日本でWeChat Payを使ってくれる人はいるだろうかと心配していたが、開場してから1時間ほどすると中国人の女性の方が来店。「WeChat Payが使えるの?」とQRコードを見るとすぐに気が付いたようで、「なら買います」とその場ですぐに出店物を購入してくれた。当初は1つだけ買う予定が、WeChat Payが使えるなら、ということで「他に何かないかな」と、もう1つを購入してくれた。日本円を持っていなくてもその場で買えるのは便利なのだろう。WeChat PayのQRコードを表示しておくと、中国の人の購入意欲は高まるようだ。

第一号のお客さんは中国からの方だった

その後は普通に日本人のお客さんが来てくれたが、支払い時に「WeChat Payを使ってみたい」と申し出てくれる方がちらほらと現れた。普段中国で使っているのではなく、記事などを読んで今後のためにWeChatアカウントを開設し、WeChat Payへ中国元を入金。それをテストで使ってみたかったということだった。なお出店物は日本円で値付けしていたが、フリーマーケットゆえに中国元への変換レートは適当に設定。1,000円で60元などにして支払いをしてもらった。

みなさん、初めてということでQRコードのスキャン画面をどう出すか、というところで四苦八苦されていたが、それは筆者も同じこと。最初は慣れるまで誰もが悩むところだ。マイウォレットから支払い画面を出すと思いきや、通常のチャット画面でQRコードを読み取るだけで支払いが出来るのだ。実際の流れは以下の通り。

1.商品を購入
2.WeChatを起ち上げる
3.画面右上の「+」をタップし「QRコードのスキャン」
4.印刷しているQRコードをスキャンする
5.こちらから金額を伝えるのでその額を入金
6.パスワードを入力
7.送金完了
8.こちらのWeChatにサービス通知が届く

友達を追加するように、QRコードを読み取る

支払金額を入力(口頭でお互い確認)。通貨単位は円ではなく元。続けてパスワードを入力

送金完了。記録も残る

なおQRコードは印刷しなくとも、こちらのスマートフォンの画面にQRコードを表示しておき、それをお客さんのスマートフォンで読み取っても良い。だが印刷したQRコードを表示しておけば遠目にもWeChat Payが使えることがわかる。今回中国のお客さんもそれを見たからこそ買ってくれたのだ。

実際に使ってみると、個人間送金のようにお互いが友人なる必要は無く、WeChatアカウントさえ持っていれば簡単に送金ができるのはとても簡単だ。お釣りの準備やものの受け渡しなどに時間を取られる必要もない。

筆者は実際に中国のとある町で大雨が降ってきたので売店にかけこんだところ、店先にQRコードと一緒に傘が並べられており、自分で好きなものを取ってQRを読み込み支払いを行ったことがある。この間、店員はちらりとこちらを一瞬見たものの対応は何もせず、筆者が支払った時に自分のWeChatの通知音が鳴って通知を見たあとは、また別の客の対応をしていた。来客の対応をほとんどしなくてもよいのだ。

中国・杭州のとある売店で。モバイルペイメントのおかげで店員に声をかけることすら不要だった

もちろんセキュリティー面などの課題はあるだろうが、QRコードを使ったモバイルペイメントの「低コスト」「簡便」というメリットは大きい。中国でモバイルペイメントの利用が急激に普及した背景にはいろいろな要因がある。普段自分で中国へ行ったときに支払いに利用しその利便性を実感していたが、受け取る側もやってみることで、両者にメリットがあることを今回は十二分に体感することが出来た。

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インデックス

連載目次
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第121回 日本に参入したBLUのスマホをアメリカで見てきた
第120回 アメリカでは早くもGalaxy Note8の予約が開始! 家電店には実機が並ぶ
第119回 ZenFone 4 Selfie Proを世界最速購入! ASUS発表会で即売会を実施
第118回 海外モバイルトピックス 第118回 WeChat Payのスマホ支払い受け取りを、フリーマーケットでやってみた
第117回 夏の海外旅行中もスマホが使える、グローバル対応モバイルルーターが便利
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第115回 ライカカメラのスマホにも負けない、ファーウェイの新型モデルがスゴイ
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第112回 360度カメラやプロジェクター内蔵! 中国最新の面白スマートフォン
第111回 Tシャツデザインをスマホで変更できる「Super T」はファッションとITの融合製品
第110回 合体式スマホの先を行く「サンドイッチ構造」スマホが登場
第109回 生まれ変わったHTCを感じさせる「HTC U11」に大きな期待
第108回 Tシャツやカバンや財布も作る、スマホメーカーのファン獲得作戦
第107回 ガラホ人気は日本だけじゃない? 海外でも増えるガラホたち
第106回 スマートフォンのカメラ競争、次はフロントカメラになる
第105回 ニューヨークのアマゾンロッカーを使い、海外スマホのケースを買ってみた
第104回 1契約で世界中で通信できる、香港キャリアが「神」プランの提供開始
第103回 フロントカメラが2,100万画素! 次のステージに進んだスマホのカメラ画質競争
第102回 1日800円で全世界対応!次の海外旅行に持っていきたいモバイルルーターが便利
第101回 プロジェクターやカメラグリップが装着できる、合体式スマホが次々と登場
第100回 ポストiPhoneを狙う新興メーカー、スマートフォンの歴史10年を振り返る
第99回 Huawei新製品「P9/P9 Plus」発表会フォトレポート
第98回 情報をリアルタイムに点字表示できる、世界初の点字対応スマートウォッチがまもなく発売
第97回 1台のスマホで2つのLineを使いたい! 海外ではデュアルWeChatスマホが登場
第96回 空気清浄機や浄水器も売る、脱スマホメーカーを目指すシャオミ
第95回 2015年秋冬のスマートウォッチは丸形がトレンド
第94回 指先2本サイズの超小型なスマホが登場
第93回 スワロフスキーで装飾した本気の女子スマホ「Sugar」に注目
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第91回 日本のSIMロック解除にアジア周辺国が注目する理由
第90回 これからの旅行はスマートに! スマホで管理できるスーツケースが登場
第89回 日本人も便利になる!訪日客プリペイドSIM自販機が続々登場
第88回 八百屋や雑貨屋でも買える! スペインの格安SIM売り場の現状
第87回 ブランド時計が続々参入、2015年はスマートウォッチブームがやってくる?
第86回 世界に広がるガラホ?折り畳み型スマホがアジアで人気
第85回 来年はバレンタインチョコも"印刷"する時代がやってくる
第84回 先進国をターゲットに入れた中国新興メーカーのシャオミ
第83回 SIMフリースマホの国香港、海外用プリペイドSIMの販売が活発化
第82回 Facebookが無料? ソーシャルSIMの時代がやってくる
第81回 韓国で復活するデータ定額
第80回 出揃った中国各事業者のLTEサービス
第79回 スマートフォンシェア3位入りを目指すZTEの最新戦略
第78回 2014年はライフログ系スマートウォッチが熱くなる
第77回 中国で4G免許が交付、2014年は4G普及が一気に進む
第76回 台湾のLTE免許が6社に確定、競争激化で再編も
第75回 ライバルはFirefox OS-Nokiaの新端末に注目
第74回 パナソニックの「家電スマホ」はインドで成功するか
第73回 いよいよ始まる中国のTD-LTEサービス
第72回 Windows Phoneが中南米でシェア2位に浮上
第71回 価格下落が世界のスマホ需要を後押し
第70回 いよいよ出てきたFirefox OSスマホ
第69回 ミッドレンジモデルも魅力のSamsungの2013年春の陣
第68回 日本からも注目したいHuaweiの最新モデル
第67回 得意分野で勝負するシャープの海外戦略
第66回 パナソニックも海外市場から撤退
第65回 TD-LTE端末市場で一気に増す日本のプレゼンス
第64回 アジアで加熱する「5インチスマホ」競争
第63回 全社がLTE開始、競争が激化する香港
第62回 LTEで変わる韓国の業界勢力図
第61回 大きく変わる世界のメーカー勢力図、今年後半の動きを探る(後編)
第60回 大きく変わる世界のメーカー勢力図、今年後半の動きを探る(前編)
第59回 Vodafoneとドコモらが提携、一気に広がる国際提携
第58回 韓国でグローバル対応LTEスマートフォンが登場 - 日本への投入も期待
第57回 香港でも7000円台!! - HP TouchPad販売のドタバタ劇
第56回 韓国で全事業者が4Gを開始 - 月額料はパッケージ制、データ定額廃止の方向へ
第55回 「繋ぎ」には勿体無い、MeeGo OS搭載のNokia N9
第54回 世界の端末メーカーの勢力図が大激変
第53回 アジアで転売されるiPad 2、その現場を見た
第52回 ドコモのSIMロック解除、中国で大歓迎
第51回 2011年は低価格スマートフォンが流行に
第50回 2010年はMotorolaの復活に注目
第49回 AppleもNokiaも脅かす「その他」勢力が増大
第48回 気がつけば海外メーカーばかりな日本のスマートフォン
第47回 この冬はオール"フルタッチ"、本気で反撃に出るNokia
第46回 香港でiPadが発売、SIMロックフリー&単体販売
第45回 海外でも広がる「海外パケットし放題」サービス
第44回 発売開始前なのに何故!? - iPadが大量販売されている香港
第43回 海外も日本も同料金でデータ通信-日本通信がサービス開始予定
第42回 実用化が始まった太陽電池搭載ケータイ
第41回 Nokia、業績回復も今後が勝負 -急がれる「フルタッチ」端末の強化
第40回 「簡単ケータイ」が海外でも流行に
第39回 2009年の海外端末市場を振り返る
第38回 LGの「新チョコレート」がスゴイ - 21:9ディスプレイ搭載の「LG BL40」
第37回 いよいよ中国でもiPhoneを発売 - 出だしは不調?
第36回 WiMAX/Wi-Fi/W-CDMAに対応した「3W」端末がSamsungから登場
第35回 Nokiaが3G対応ミニノート「Booklet 3G」発表 - ノートPC市場参入の狙いとは
第34回 OEMメーカーのAltekが携帯内蔵デジカメ発表 - 将来Flickrケータイもでる?
第33回 中国にも3Gの時代がやってきた!! - 各社のサービスや戦略を紹介
第32回 iPhone 3G Sへの買い替えでiPhone 3Gが中古市場に登場?
第31回 機能性とデザインを追及した「ケータイストラップ」は日本に根付くか?
第30回 新型iPhone対抗端末? - Nokiaのフラッグシップ端末「N97」がいよいよ登場
第29回 アプリのメーカー直接配信時代がやってくる
第28回 海外メーカーが韓国市場にスマートフォンで参入開始
第27回 終焉を迎える中国のPHS、残した功績は大
第26回 滑り出し好調なNokiaのタッチUI端末「5800 XpressMusic」 - iPhone超えも?
第25回 中国で売れ筋の携帯機種は? - Nokiaが圧倒的人気の中シャープも健闘
第24回 "Appleの理論"が通じない香港、iPhoneの単体販売を開始
第23回 iPhoneを脅かす存在になるか? Nokia 5800 XpressMusicが登場
第22回 日本向けOMNIAの姉妹品? 韓国でHaptic 2が発売開始
第21回 パケット通信+無線LAN定額がトレンドの香港
第20回 販売国の増えるiPhone、注目市場の投入はいつ?
第19回 カシオの海外進出が期待できる? - ソフトバンクとの端末供給合意
第18回 日本で増加する中国メーカー端末
第17回 マルチメディアへの対応を強化するBlackBerry
第16回 香港におけるiPhone 3G - SIM差し替えは当たり前
第15回 Motorola、新型「明」で中国市場奪回なるか
第14回 LGのデザイン携帯"Secret"、その秘密に迫る
第13回 Appleの発表を待たずに「3G iPhone」の発売が確定
第12回 中国の通信事業者6社が3社に再編
第11回 iPhone拡販のために販売戦略を変更するApple
第10回 不振のMotorola、事業建て直しはなるか
第9回 中国でTD-SCDMAの商用テストサービスが開始
第8回 チョコレートからウォン・ビンまで - ユニークな韓国携帯のニックネーム
第7回 シャープの中国市場参入、勝算の道はどこにあるか
第6回 Sony Ericsson、海外事業の好調が日本事業の見直しに?
第5回 "3G版iPhone"はいつ出てくるのか?
第4回 EMONSTER、海外ではいくらで売られている?
第3回 XPERIAを投入するSony Ericssonの意図
第2回 メーカーの勢いの差が表れたMobile World Congress 2008
第1回 Nokiaの決算報告から見た2007年の海外携帯市場

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