今やスマートフォンは24時間手放せない存在になっている。しかし困るのが海外旅行や海外出張時だ。海外では日本とは異なる料金体系になるため、特にスマートフォンをヘビーに使っている人は注意も必要になる。

最近はドコモなど大手通信キャリアの国際ローミングサービスも、1日1,000円ちょっととかなり安くなってきた。しかし1日30MBを超えると速度が遅くなるといった欠点もある。フルスピードで利用する場合は1日3,000円程度かかるなど、ローミングサービスは意外とお金がかかる。

また最近多くの人が使っている、MVNOのSIM、いわゆる「格安SIM」では海外に行った際、データ通信ローミングサービスが利用できない。空港で借りられるWi-Fiルーターのレンタルサービスを利用する手もあるが、時間が無い場合に受け取れなかったり、返却が面倒という手間もかかる。

海外どこでも均一料金で利用できるモバイルWi-Fiルーター

最近になって、世界各国どの国でもほぼ均一料金で利用できる、グローバル対応のモバイルWi-Fiルーターがいくつかの会社から販売されている。レンタルと違い返却の手間がかからないし、格安SIMを使っている人も自分のスマートフォンをそのまま海外に持ち出せる。年に数回海外に行く人はもちろん、仲間内で1台持っていると便利な存在だ。

たとえばグローカルネットが販売する「GLOCAL NET」は、本体価格2万4,800円(税別)で販売されている世界100カ国以上で利用できるモバイルWi- Fiルーターだ。購入後オンラインでユーザー登録をすれば、あとは海外に到着後、電源を入れて電波を掴めばそのまますぐに現地でデータ通信環境を手にすることが出来る。自分の使っているスマートフォンはオフラインモードなどにしておき、Wi-FiをONにしてGLOCAL NETと接続すればよい。このあたりは日本で販売されているモバイルWi-Fiルーターと使い勝手は変わらない。

GLOCAL NETは世界111カ国に対応する

料金は1日単位。300MB/800円、500MB/1,200円、1GB/1,600円からあらかじめ選ぶことができる。プラン変更は毎月25日にならないとできないものの、1日の利用分を超過してしまったとしても速度制限を受けながら使うことができる。なお「GLOCAL NET」本体には大型のディスプレイが搭載されており、現在の利用量の概算が表示されるので目安になる。

なお使い続けるためには毎月400円の基本料金と、3,000円の事務手数料がかかる。但し日本で使える従量料金プランにも加入しておくと、500MB/月まで無料で利用できる。毎月の400円は日本での500MB利用分として考えてもいいだろう。

大きいディスプレイを搭載、タッチパネルのため使いやすい

本体の大きさは117×63.8×20.9mm。やや厚みがあるが、6,000mAhものバッテリーを内蔵しており、14時間の連続利用が可能とのこと。海外では電源を探すことが難しいこともあるため、睡眠時間を除けば、ほぼ1日使える長時間駆動はありがたい。しかもモバイルバッテリー機能を持っているので、他のスマートフォンを充電することもできる。長時間のバス移動時なども、GLOCAL NETを持っていれば通信回線と電源を両方確保できるというわけだ。

実は便利なモバイルバッテリー機能。電源OFFでもバッテリーとして使える

さて海外での使い方は簡単で、GLOCAL NETの電源を入れれば、しばらくして現地の電波を掴む。ディスプレイにはWi-Fi接続のためのSSDとパスワードが表示されているので、スマートフォンなどの接続も難しいことはないだろう。友人と共有するときも画面を見せればいいわけだ。あとは使い始めれば利用したデータ量が表示されていく。

海外に到着したら電源を入れるだけ。しばらくすると電波を掴む

なお1日の始まりはグリニッジ標準時で固定されているので、使い始めの時間には気を付けたい。例えば中国で使う場合、1日の単位は現地時間で朝8時から翌朝7時59分となる。帰国日の朝6時にGLOCAL NETの電源を入れた場合、2時間ちょっとで1日分が課金されてしまうのだ。また他の国へ行ったときなども、GLOCAL NETの電源をつけっぱなしにしたまま夜中に寝入ってしまう、といったことは避けたい。1日単位で課金されるということだけは忘れずに使いたいものだ。

大型ディスプレイなのでデータ量も見やすい

GLOCAL NETのメリットは、急な海外旅行でも現地でのデータ通信回線を別途用意する必要は無い上に、現地での予期せぬ移動時にも威力を発揮する。たとえばヨーロッパ内を乗り継ぎ便の飛行機で移動中に、天候不良などでフライトがキャンセルになり、別の経由便で移動するなんてことになることもありうる。ロンドンからフランクフルトまでパリ経由の予定が、急遽ストックホルム経由になってしまった、しかしストックホルムの空港のWi-Fi状況は調べていなかった、なんてときでも、GLOCAL NETがあれば到着地でデータ通信回線の確保を心配しなくていいわけだ。

マイクロSIMスロットを搭載するので現地のプリペイドSIMも利用可能だ

旅慣れた人でも、現地でプリペイドSIMを買うまでのつなぎや、SIMを買ったものの通信速度が出ないなんてときの予備回線としてGLOCAL NETを使うのもいいだろう。海外旅行の多い人ほど、グローバル対応のモバイルWi-Fiルーターは「データ通信の保険」としてカバンの中に常備しておきたい。また日本のデータ通信回線契約を検討している人も、いざという時は海外でも使えるこの手の製品を持っておくと便利だろう。