【コラム】

海外モバイルトピックス

46 香港でiPadが発売、SIMロックフリー&単体販売

 

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7月23日、香港でもAppleのiPadの販売がはじまった。香港で販売される携帯電話はSIMロックフリーだが、iPadも同様にSIMロックが無く、また一般家電店で単体販売されるのが特徴だ。

家電量販店で単体購入が可能

香港で発売がはじまったiPadは日本や他国同様、Wi-Fi版とWi-Fi+3G版の2種類で、SIMロックは無く単体販売となった。販路はAppleの正規代理店で、これには市中に多数店舗を構えている大手家電量販店も含まれている。また香港には実店舗としてのAppleストアは無いものの、Apple製品を取り扱う「Apple専門代理店」が多数存在しておりそちらでの購入も可能だ。一方これまでiPhoneを扱ってきた通信事業者の店舗ではiPadの販売は行わない。すなわち香港で販売されるiPadは単体で購入できる「一般家電製品」として取り扱われているのだ。日本では通信機能を内蔵したiPadは「携帯電話と同じカテゴリの製品」という位置づけだが、香港ではノートPCやネットブックのような「情報家電製品」として販売されているのである。

香港でもiPadが発売。各通信事業者は料金プランのみを提供する

香港版iPadの価格は16GBのWi-Fi版 HK$3888(約43800円)から64GBのWi-Fi+3G版のHK$6488(約73000円)まで6タイプ、これはアメリカでの単体価格とほぼ同等である。だが香港でのiPad販売方法の最大の特徴は3G版の製品であっても利用する通信事業者は自由であることだ。例えばアメリカのAppleストアオンラインではAT&Tの料金プランが提示されているが、香港のAppleストアオンラインでも同様に通信事業者2社のiPad料金プランWebページへのリンクが張られている。だが香港では他の通信事業者もiPad向けのマイクロSIMカードと料金プランを出しており、特定の通信事業者以外での利用も当然可能なのである。

もちろん香港で外国人がiPadを購入し、香港以外のSIMカードを利用することもできる。購入時に通信事業者との契約や身分証明書の提示などの手続きは一切不要であり、日本人が香港へ海外旅行や出張で立ち寄ったついでに購入することも可能だ。ただし発売日は香港の各販売店舗でも即日完売するほどの人気商品となっており、夏休みの香港旅行中に香港版iPadの購入買ってみようか、と考えている方は販売店舗での在庫には気をつけて欲しい。

iPhoneの販売方式にも影響を与えるか

このように単体で販売される香港のiPadは、メーカーが直接販売するSIMロックフリーの携帯電話と全く同じ扱いをされている。香港ではNokia、Samsung、LG、HTCなど携帯電話メーカーは通信事業者経由だけではなく、家電量販店でも端末を単体で販売している。通信事業者での購入と家電店での購入の差は、通信事業者で契約と同時に購入した際は端末の割引が受けられることのみだ。しかも通信事業者と契約と同時に購入したとしても端末にSIMロックはかけられていない。そのため通信事業者は固定契約期間中の途中解約違約金を端末の定価相当とすることなどで、安価に購入して即解約して転売されることを防止する対策を採っている。

通信事業者がSIMロックフリーのメーカー端末をそのまま販売するのは、通信事業者のサービスと端末のハードウェアが分離されているからである。香港やアジア、ヨーロッパなど海外ほぼ全てのGSM/W-CDMA採用通信事業者はメーカー端末に自社サービスをソフトウェアで搭載して提供している。特定の通信事業者でしか利用できない「専用端末」はわずかしか存在しないのだ。ましてやiPad、そしてiPhoneは通信事業者向けの製品ではなく、むしろAppleのサービスを十二分に活用するための端末である。そのためiPad、iPhoneは本来、どの通信事業者であっても自由に利用できる製品なのだ。

イギリスでは全通信事業者がiPad対応のマイクロSIMカードとデータプランを提供しているように、iPadはもはや「特定の通信事業者が販売する端末」として販売する意味は薄くなっている。今後この販売形態がiPhoneにも広がり、SIMロックフリーのiPhoneがAppleからダイレクトに購入できるようになるのだろうか? iPadの売れ行きが次のiPhoneの販売方法に影響を与える可能性は十分あるだろう。

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連載目次
第100回 ポストiPhoneを狙う新興メーカー、スマートフォンの歴史10年を振り返る
第99回 Huawei新製品「P9/P9 Plus」発表会フォトレポート
第98回 情報をリアルタイムに点字表示できる、世界初の点字対応スマートウォッチがまもなく発売
第97回 1台のスマホで2つのLineを使いたい! 海外ではデュアルWeChatスマホが登場
第96回 空気清浄機や浄水器も売る、脱スマホメーカーを目指すシャオミ
第95回 2015年秋冬のスマートウォッチは丸形がトレンド
第94回 指先2本サイズの超小型なスマホが登場
第93回 スワロフスキーで装飾した本気の女子スマホ「Sugar」に注目
第92回 旅先でスマホが無料で使える! 香港で旅行者向け無料SIMが登場
第91回 日本のSIMロック解除にアジア周辺国が注目する理由
第90回 これからの旅行はスマートに! スマホで管理できるスーツケースが登場
第89回 日本人も便利になる!訪日客プリペイドSIM自販機が続々登場
第88回 八百屋や雑貨屋でも買える! スペインの格安SIM売り場の現状
第87回 ブランド時計が続々参入、2015年はスマートウォッチブームがやってくる?
第86回 世界に広がるガラホ?折り畳み型スマホがアジアで人気
第85回 来年はバレンタインチョコも"印刷"する時代がやってくる
第84回 先進国をターゲットに入れた中国新興メーカーのシャオミ
第83回 SIMフリースマホの国香港、海外用プリペイドSIMの販売が活発化
第82回 Facebookが無料? ソーシャルSIMの時代がやってくる
第81回 韓国で復活するデータ定額
第80回 出揃った中国各事業者のLTEサービス
第79回 スマートフォンシェア3位入りを目指すZTEの最新戦略
第78回 2014年はライフログ系スマートウォッチが熱くなる
第77回 中国で4G免許が交付、2014年は4G普及が一気に進む
第76回 台湾のLTE免許が6社に確定、競争激化で再編も
第75回 ライバルはFirefox OS-Nokiaの新端末に注目
第74回 パナソニックの「家電スマホ」はインドで成功するか
第73回 いよいよ始まる中国のTD-LTEサービス
第72回 Windows Phoneが中南米でシェア2位に浮上
第71回 価格下落が世界のスマホ需要を後押し
第70回 いよいよ出てきたFirefox OSスマホ
第69回 ミッドレンジモデルも魅力のSamsungの2013年春の陣
第68回 日本からも注目したいHuaweiの最新モデル
第67回 得意分野で勝負するシャープの海外戦略
第66回 パナソニックも海外市場から撤退
第65回 TD-LTE端末市場で一気に増す日本のプレゼンス
第64回 アジアで加熱する「5インチスマホ」競争
第63回 全社がLTE開始、競争が激化する香港
第62回 LTEで変わる韓国の業界勢力図
第61回 大きく変わる世界のメーカー勢力図、今年後半の動きを探る(後編)
第60回 大きく変わる世界のメーカー勢力図、今年後半の動きを探る(前編)
第59回 Vodafoneとドコモらが提携、一気に広がる国際提携
第58回 韓国でグローバル対応LTEスマートフォンが登場 - 日本への投入も期待
第57回 香港でも7000円台!! - HP TouchPad販売のドタバタ劇
第56回 韓国で全事業者が4Gを開始 - 月額料はパッケージ制、データ定額廃止の方向へ
第55回 「繋ぎ」には勿体無い、MeeGo OS搭載のNokia N9
第54回 世界の端末メーカーの勢力図が大激変
第53回 アジアで転売されるiPad 2、その現場を見た
第52回 ドコモのSIMロック解除、中国で大歓迎
第51回 2011年は低価格スマートフォンが流行に
第50回 2010年はMotorolaの復活に注目
第49回 AppleもNokiaも脅かす「その他」勢力が増大
第48回 気がつけば海外メーカーばかりな日本のスマートフォン
第47回 この冬はオール"フルタッチ"、本気で反撃に出るNokia
第46回 香港でiPadが発売、SIMロックフリー&単体販売
第45回 海外でも広がる「海外パケットし放題」サービス
第44回 発売開始前なのに何故!? - iPadが大量販売されている香港
第43回 海外も日本も同料金でデータ通信-日本通信がサービス開始予定
第42回 実用化が始まった太陽電池搭載ケータイ
第41回 Nokia、業績回復も今後が勝負 -急がれる「フルタッチ」端末の強化
第40回 「簡単ケータイ」が海外でも流行に
第39回 2009年の海外端末市場を振り返る
第38回 LGの「新チョコレート」がスゴイ - 21:9ディスプレイ搭載の「LG BL40」
第37回 いよいよ中国でもiPhoneを発売 - 出だしは不調?
第36回 WiMAX/Wi-Fi/W-CDMAに対応した「3W」端末がSamsungから登場
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第32回 iPhone 3G Sへの買い替えでiPhone 3Gが中古市場に登場?
第31回 機能性とデザインを追及した「ケータイストラップ」は日本に根付くか?
第30回 新型iPhone対抗端末? - Nokiaのフラッグシップ端末「N97」がいよいよ登場
第29回 アプリのメーカー直接配信時代がやってくる
第28回 海外メーカーが韓国市場にスマートフォンで参入開始
第27回 終焉を迎える中国のPHS、残した功績は大
第26回 滑り出し好調なNokiaのタッチUI端末「5800 XpressMusic」 - iPhone超えも?
第25回 中国で売れ筋の携帯機種は? - Nokiaが圧倒的人気の中シャープも健闘
第24回 "Appleの理論"が通じない香港、iPhoneの単体販売を開始
第23回 iPhoneを脅かす存在になるか? Nokia 5800 XpressMusicが登場
第22回 日本向けOMNIAの姉妹品? 韓国でHaptic 2が発売開始
第21回 パケット通信+無線LAN定額がトレンドの香港
第20回 販売国の増えるiPhone、注目市場の投入はいつ?
第19回 カシオの海外進出が期待できる? - ソフトバンクとの端末供給合意
第18回 日本で増加する中国メーカー端末
第17回 マルチメディアへの対応を強化するBlackBerry
第16回 香港におけるiPhone 3G - SIM差し替えは当たり前
第15回 Motorola、新型「明」で中国市場奪回なるか
第14回 LGのデザイン携帯"Secret"、その秘密に迫る
第13回 Appleの発表を待たずに「3G iPhone」の発売が確定
第12回 中国の通信事業者6社が3社に再編
第11回 iPhone拡販のために販売戦略を変更するApple
第10回 不振のMotorola、事業建て直しはなるか
第9回 中国でTD-SCDMAの商用テストサービスが開始
第8回 チョコレートからウォン・ビンまで - ユニークな韓国携帯のニックネーム
第7回 シャープの中国市場参入、勝算の道はどこにあるか
第6回 Sony Ericsson、海外事業の好調が日本事業の見直しに?
第5回 "3G版iPhone"はいつ出てくるのか?
第4回 EMONSTER、海外ではいくらで売られている?
第3回 XPERIAを投入するSony Ericssonの意図
第2回 メーカーの勢いの差が表れたMobile World Congress 2008
第1回 Nokiaの決算報告から見た2007年の海外携帯市場

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